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いくさは人に 恋はおのれに
八つ当たり
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手鞠を追いかける霧彦は、
使用人たちの足の間を縫うように走り、
踏み潰される寸前で、なんとかキャッチ!
土埃を払うと、
……なんか、いやな臭いがする。
皮革製だから仕方ないのか……?
霧彦が戻ると、しつり様は半ばひったくるように手鞠を奪い返した。
「吾人としたことが。
失念しておったわ。二人分用意してなかった」
(一つでよくね?)
と霧彦は思ったが、口には出さず。
すっかり汗だくになった霧彦は、
「湯殿、先にいただきます」と許可を得て、とっとと逃げ出した。
霧彦は湯船にどっぷり浸かって、
「はぁ~生き返る……♨」
と、ほっとしたのもつかの間。
ガラッ!
着衣のまま、しつり様が登場。
「嘆かわしい。
湯帳も纏わず湯に浸かるとは、お里が知れる」
霧彦は、うそぶきながら反論した。
「そんな媛ではあるまいし。
長上だって同じでしたよ」
――と、しつり様をチラ見。
(……やっぱり謎の体型だな。
厳つくないけどふくよかでもない。声は高いけど……)
しつり様は、ニヤリと霧彦を見て言った。
「何じゃ、不躾に見ようてからに。
吾人の股ぐらがそんなに気になるか?
――左は生まれつき捻じれ腐って無うなった。
もう片っぽもじきに同様じゃ。
そういう体質じゃと、産婆が申しておったとか」
霧彦は固まる。
つまり、しつりは生まれつき男性だが、生殖機能が失われた身体なのだ。
「さ、さようで……」
しつり様は、霧彦など眼中になく、不満たらたらの大爆発だ。
「はあ~……全く、また長上に一杯食わされたわ。
会いたい言うから来てみれば、何じゃこのおのこは?
あやつ、巫山戯るのも大概にせえよ💥」
そして、
しつり様の八つ当たりが始まった。
湯おけで汲んだ湯を、
霧彦の頭にジャバジャバジャバ🌊!!
「うえぇ!? げほげほ!!」
しつり様は、すっきりした顔で、
一方的に思い出話をまくし立て始めた。
「あやつはなー……
末恐ろしいことに、又代の息子のくせして、
里倉に火を放ちおったのよ」
霧彦は湯に浸かりながら、内心で絶叫する。
(長上……アンタそんな過去あったのかよ!!)
湯殿の湯気が、
まるで地獄の釜のように立ち込めていた。
使用人たちの足の間を縫うように走り、
踏み潰される寸前で、なんとかキャッチ!
土埃を払うと、
……なんか、いやな臭いがする。
皮革製だから仕方ないのか……?
霧彦が戻ると、しつり様は半ばひったくるように手鞠を奪い返した。
「吾人としたことが。
失念しておったわ。二人分用意してなかった」
(一つでよくね?)
と霧彦は思ったが、口には出さず。
すっかり汗だくになった霧彦は、
「湯殿、先にいただきます」と許可を得て、とっとと逃げ出した。
霧彦は湯船にどっぷり浸かって、
「はぁ~生き返る……♨」
と、ほっとしたのもつかの間。
ガラッ!
着衣のまま、しつり様が登場。
「嘆かわしい。
湯帳も纏わず湯に浸かるとは、お里が知れる」
霧彦は、うそぶきながら反論した。
「そんな媛ではあるまいし。
長上だって同じでしたよ」
――と、しつり様をチラ見。
(……やっぱり謎の体型だな。
厳つくないけどふくよかでもない。声は高いけど……)
しつり様は、ニヤリと霧彦を見て言った。
「何じゃ、不躾に見ようてからに。
吾人の股ぐらがそんなに気になるか?
――左は生まれつき捻じれ腐って無うなった。
もう片っぽもじきに同様じゃ。
そういう体質じゃと、産婆が申しておったとか」
霧彦は固まる。
つまり、しつりは生まれつき男性だが、生殖機能が失われた身体なのだ。
「さ、さようで……」
しつり様は、霧彦など眼中になく、不満たらたらの大爆発だ。
「はあ~……全く、また長上に一杯食わされたわ。
会いたい言うから来てみれば、何じゃこのおのこは?
あやつ、巫山戯るのも大概にせえよ💥」
そして、
しつり様の八つ当たりが始まった。
湯おけで汲んだ湯を、
霧彦の頭にジャバジャバジャバ🌊!!
「うえぇ!? げほげほ!!」
しつり様は、すっきりした顔で、
一方的に思い出話をまくし立て始めた。
「あやつはなー……
末恐ろしいことに、又代の息子のくせして、
里倉に火を放ちおったのよ」
霧彦は湯に浸かりながら、内心で絶叫する。
(長上……アンタそんな過去あったのかよ!!)
湯殿の湯気が、
まるで地獄の釜のように立ち込めていた。
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