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サルヌリ朝
【自作】美姫(びき)
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使者タマル冠までもが長上に捕まって、だいたいひと月位は経っただろうか。
唐突に戴冠(たいかん)が寵姫を一人伴い、
兵共も引き連れ、占領地へ来訪した。
交渉場所の天幕内。
同席したタマル冠は、惚れ惚れしながら見つめる。
(それにしても、寵姫のお姿の
なんてお美しい事でしょう🙊……
嗚呼、ついつい見惚れてしまう❤)
✦
そして今、この天幕内にはたったの五名。
サルヌリ朝は三人。
戴冠・寵姫・タマル冠。
あやぎり朝からは長上(おさがみ)と、
槍使い匪躬(ひきゅう)の二名だけ。
互いに少し離れた場所で、待機中の雑兵たちは睨み合い。
この状況下にも関わらずーー
長上は、急にそそくさと立ち上がって言った。
「ちょっくら用を足したいのでな、しばし席を外させていただく」
戴冠と呼ばれる、髭面の男も立ち上がる。
「奇遇だな、ご一緒しても良いだろうか?」
✦
匪躬が、怒りをあらわにして罵る。
「戴冠よ、怯懦に駆られたか?
それ以上、阿諛(あゆ)に近づくな。
貴様なんぞ、仕留めるなら一突きだ」
匪躬は、言わずと知れた槍の名手。
あやぎり朝の最高戦力。
コイツを倒せば、あやぎり朝の退却は必定。
つまりはーー相手にとって、不足なし。
「そりゃあ面白いッ!
ぜひともやってみせてくれ」
武人二人はそう言いながら互いの武器を構え、
ここに、黒曜石槍🆚細石器の対決が始まった。
✦
しかし、
一番臆病風に吹かれたのは、長上だった。
彼は、脇目も振らず天幕を脱出していく。
タマル冠は叫ぶ。
「待たぬか長上!
……まさか、本当に花摘みだったのか?!」
いきり立つタマル冠は、傍らに座る寵姫に止められた。
そのまま戦いの行く末を見守る。
✦
一見すると、得物の長い石槍が有利ーー
だが、サルヌリ朝が誇る細石器の斬れ味は、
四肢でも頸でも、実証済みのすぐれもの。
「そこだあ! くっ、かわしたか。
なんの、まだまだあ💢
殺れ、殺るのだあ🔪🩸
腰を入れろ、蹴散らすのだあ🙉💥!」
タマル冠は、熱い声援を送り続ける。
さながら死闘の実況中継だ。
力量は互角。
それが分かるからこそ、どちらの使い手も互いに一定距離を保ち、牽制と睨み合いが長く続いた。
✦
細石器の使い手は、心理戦を展開する。
「ほれほれ、どうした~?
匪躬はご主人様が見ていないと、
何もしないのか~」
「ほざけ小童」
匪躬から速攻💥と見せかけて、
細石器の使い手は、踏み出した脚を狙われる。
しかし細石器の使い手も、流石の手練。
ひらり🍃と身を翻してよけると同時ーー
代わりに匪躬の懐へ入り込み、細石器で敵の肩を切り裂く。
タマル冠は、握った拳を振り上げる。
「よくやったアアア🔥🔪
それでこそ武人だあ! ハイターク」
タマル冠は、深く深く頷く。
うむ😤。
猿知恵も無いが、武にだけは優れておる。
にいさまの家来なのだから、これくらい出来て当たり前!
「そうでありましょう、にいさま」
タマル冠は、うっとりと傍らの寵姫を見つめる。
寵姫は無表情。しかしその美貌は凄まじい。
サルヌリ宮廷の妃嬪たちが、束になっても敵わぬ程に。
「ところで……
女姿もたいへんお似合いです🙊✨。
でもよりによってハイターク風情と寵姫を演じるだなんて🙈💔
ごくわずかながら、癪に障るのも確かです🙉💢」
唐突に戴冠(たいかん)が寵姫を一人伴い、
兵共も引き連れ、占領地へ来訪した。
交渉場所の天幕内。
同席したタマル冠は、惚れ惚れしながら見つめる。
(それにしても、寵姫のお姿の
なんてお美しい事でしょう🙊……
嗚呼、ついつい見惚れてしまう❤)
✦
そして今、この天幕内にはたったの五名。
サルヌリ朝は三人。
戴冠・寵姫・タマル冠。
あやぎり朝からは長上(おさがみ)と、
槍使い匪躬(ひきゅう)の二名だけ。
互いに少し離れた場所で、待機中の雑兵たちは睨み合い。
この状況下にも関わらずーー
長上は、急にそそくさと立ち上がって言った。
「ちょっくら用を足したいのでな、しばし席を外させていただく」
戴冠と呼ばれる、髭面の男も立ち上がる。
「奇遇だな、ご一緒しても良いだろうか?」
✦
匪躬が、怒りをあらわにして罵る。
「戴冠よ、怯懦に駆られたか?
それ以上、阿諛(あゆ)に近づくな。
貴様なんぞ、仕留めるなら一突きだ」
匪躬は、言わずと知れた槍の名手。
あやぎり朝の最高戦力。
コイツを倒せば、あやぎり朝の退却は必定。
つまりはーー相手にとって、不足なし。
「そりゃあ面白いッ!
ぜひともやってみせてくれ」
武人二人はそう言いながら互いの武器を構え、
ここに、黒曜石槍🆚細石器の対決が始まった。
✦
しかし、
一番臆病風に吹かれたのは、長上だった。
彼は、脇目も振らず天幕を脱出していく。
タマル冠は叫ぶ。
「待たぬか長上!
……まさか、本当に花摘みだったのか?!」
いきり立つタマル冠は、傍らに座る寵姫に止められた。
そのまま戦いの行く末を見守る。
✦
一見すると、得物の長い石槍が有利ーー
だが、サルヌリ朝が誇る細石器の斬れ味は、
四肢でも頸でも、実証済みのすぐれもの。
「そこだあ! くっ、かわしたか。
なんの、まだまだあ💢
殺れ、殺るのだあ🔪🩸
腰を入れろ、蹴散らすのだあ🙉💥!」
タマル冠は、熱い声援を送り続ける。
さながら死闘の実況中継だ。
力量は互角。
それが分かるからこそ、どちらの使い手も互いに一定距離を保ち、牽制と睨み合いが長く続いた。
✦
細石器の使い手は、心理戦を展開する。
「ほれほれ、どうした~?
匪躬はご主人様が見ていないと、
何もしないのか~」
「ほざけ小童」
匪躬から速攻💥と見せかけて、
細石器の使い手は、踏み出した脚を狙われる。
しかし細石器の使い手も、流石の手練。
ひらり🍃と身を翻してよけると同時ーー
代わりに匪躬の懐へ入り込み、細石器で敵の肩を切り裂く。
タマル冠は、握った拳を振り上げる。
「よくやったアアア🔥🔪
それでこそ武人だあ! ハイターク」
タマル冠は、深く深く頷く。
うむ😤。
猿知恵も無いが、武にだけは優れておる。
にいさまの家来なのだから、これくらい出来て当たり前!
「そうでありましょう、にいさま」
タマル冠は、うっとりと傍らの寵姫を見つめる。
寵姫は無表情。しかしその美貌は凄まじい。
サルヌリ宮廷の妃嬪たちが、束になっても敵わぬ程に。
「ところで……
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ごくわずかながら、癪に障るのも確かです🙉💢」
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