精霊殺しの学園生活

はる

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第1章 始まり

入学3

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 入学式が終わり、アリスは教室へと向かっていた。

 「ええっと、俺のクラスはAクラスか……」

 ここサウス学園では300人をAクラスからFクラスの6つのクラスがあり、各クラス50人ずつクラス分けされている。さらに2年からは、成績順にクラスが分けられ、さらに最も優秀な生徒30人はSクラスに配属される。しかし、1年生のクラスはランダムに配属されるのでAクラスが優秀というわけではない。

 「ここがAクラスか」

 アリスは教室の扉の上に書かれているクラス表記を確認して扉を開ける。教室に入ると、すでに半分くらいの生徒が集まっていた。
 前の黒板には自分の席は自由ということだったので教室の一番後ろの席にアリスは腰を下ろす。

 (まぁ1年生だから実力はこんなものか。優秀そうなのは二,三人ぐらいか……)

 アリスは教室に集まる生徒を眺めていた。優秀な生徒は何人かはいるのだが、アリスにとっては、あくまでであったが。

 (さすがに生徒会長ほどの実力はないか……)

 アリスは周りの生徒を視ていると突然、肩を叩かれる。アリスは振り返ると、そこには金髪碧眼の少女――リーゼロッテ・フォン・エルフリーデが立っていた。

 「隣の席いいですか?」
 
 リーゼロッテがこちらの様子をうかがうように、アリスに微笑む。少なくともリーゼロッテは王族として有名だったので、今のやりとりだけでもクラス中から注目を浴びてしまう。

 「いいですよ」

 アリスはそんな視線を一切気にせずに微笑み返す。なかなかアリスも肝が据わっている。明らかに視線の中に嫉妬が含まれているにもかかわらず。この程度、アリスにとっては大したことはないのだろう。

 アリスが許可を出したことにより、リーゼロッテはアリスの隣の席に座る。

 「こんにちは。私はリーゼロッテといいます。これからよろしくお願いしますね」

 「お初にお目にかかります、リーゼロッテ様」

 アリスの言葉にリーゼロッテは一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐに笑顔に戻す。

 「そんなに、かた苦しくしなくていいですよ。それと様はいらないです。リーゼロッテって呼んでください」

 「わかった。でもリーゼロッテも敬語はやめてくれ」

 「……あっ、うん、わかったわ」

 アリスがすぐに敬語で話さなくなるとは思わなかったのだろう。逆にリーゼロッテが戸惑ってしまったが、そこは持ち前の冷静さで、すぐに落ち着きを取り戻した。

 「ところで、あなたの名前は?」

 「ああ、俺の名前はアリス・ロード。アリスって呼んでくれ」

 「アリス……」

 リーゼロッテはアリスの名前を聞いた瞬間、何かを考えるような仕草をする。その様子にアリスも先ほどまで考えていたことを思い出す。

 (やっぱりあいつなのか?)

 リーゼロッテの様子からアリスはリーゼロッテがあの時の少女ではないかと疑い始めていた。

 「じゃあ、アリスって呼ぶね」

 リーゼロッテの声によってアリスの意識は現実に戻される。

 (まあ、どうでもいいか)
 
 「ああ、よろしく」

 お互いに挨拶を済ましていると、アリスの前の席から声がかかる。

 「お前もAクラスか? 俺はレン・アルカディアっていうんだ。よろしくなっ!」

 初対面からなかなか気さくなやつだ。レンは金髪でイケメンだがチャラチャラしている感じだ。身長も170は軽く越えている。

 「……」

 気軽に話してくるレンにアリスは冷ややかな視線を向けていた。

 (170以上か……ちっ)
 
  ちなみにアリスは身長160センチで男子の中では低く、アリスもそのことを気にしている。

 「ああ、俺はアリス。よろしく」

 アリスはなんとか自分の拳を握りしめながら返事をする。しかし、その視線はかなりの嫉妬が含まれていた。先ほどのリーゼロッテとの会話の時に向けられたものと同様の。

 「おうっ! よろしく! お隣さんもよろしししいいいぃぃぃーーーっ!?」

 「うるさい!」

 急に大声を出したレンに、アリスも思わず大声で怒鳴ってしまった。しかし、レンに落ち着く余裕はない。

 「だ、だって、お、お前、王女様だぞ! 俺、今まで無視してお前と話してたんだぞ!」

 「ふふっ、大丈夫ですよ」

 「あああーーすいません! ほんとごめんなさーーい!」

 「だからうるさい!」

 ようやくレンが落ち着いたところで――

 「取り乱してすいません。レンといいます……」

 「レン、アリスと話していたように話していいですよ」

 「えっ? でも……」

 「普通に話してください」

 「いやっ……」

 「

 「……ッ! はいっ! わかり……わかった……」

 「ふふ、よろしい」

 リーゼロッテが声を低くして命令したことによってレンは体をビクッ! と跳ね上がらしてしまった。なんとも情けない姿であった。

 しかし、レンの反応が当然である。王族に対してあのような態度をとれるアリスは異常といってもおかしくはなかった。……実際はこの国の親バカ王であるアルベルトを相手にしていたため、それほど王族に対しての緊張感を持ってはいなかっただけだが。

 「はいっ! 席に座ってください!」
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