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月とスッポン
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「ゆき、今日もバイト?」
「うん、今日は居酒屋のバイトなの」
「バレないといいね。居酒屋なんてバイトしてたら退学にもなりかねないし…私、不安だなぁ」
「何とかなるよ。お店先の店長にもバイト仲間にも協力してもらってるしみんな私の事情分かってくれて優しくしてくれてるから気に入ってるんだ」
「ゆきを嫌う人なんかいたら、私が許さないから安心してね!」
「うん!ありがとう真奈」
真奈の優しさにも触れ夜から始まるバイトに気合いが入った。
「こんばんわっ!今日もよろしくお願いします。」
「ゆきちゃん、こんばんわー!今日も頑張ろうねー!」
「はいっ!」
バイト仲間の刹那さんに挨拶を済ませ他のバイト仲間や店長に次々と挨拶を済ませた。
いつものバイト着に着替えホールに出る。
いつものようにお客さんに注文を取り注文を回す。
だが、今日はいつものバイトとはちょと違った…
「ちょ、ちょとゆきちゃん!あ、あれゆきちゃんの学校の先生たちじゃないの?!」
「え、えぇ?!」
刹那さんに言われ指さされた矛先を見ると確かに見覚えのある学校の先生たちの姿だった。
「ど、どどどうしましょう?!」
「と、とにかくゆきちゃんは隠れてっ!バレたら大変!!みんなには私から伝言回してゆきちゃんをなるべくホールに出さないようにするから安心して?あのお客様が帰るまでぜーたいっ!ゆきちゃんはホールに出ちゃダメだよ?」
「わ、分かりました!刹那さんありがとうございます」
「いいのよ、ゆきちゃんには辞めてもらいたくないしみんなゆきちゃんの事大好きだからね!ははっ」
こんなにも思ってもらえる人がいるなんて幸せ者だなぁ…としみじみ思いながらも私はすぐ様店の端っこに隠れ緊張感を張り詰めながら先生たちのいる席を凝視する。
先生たちの中には担任である緑先生もいた。
緑先生は嫌そうに無理やり笑顔を作りながらも親父共やいつもより化粧を濃ゆくした女先生たちに無理やりとも言えるお酒を飲まされていた。
あっ、ああ…先生大丈夫かなぁ?
不安になりながら緑先生を見つめこれ以上飲まされて倒れないことを祈った。
数分後、先生はギブだという素振りで首を横に振り席を立った。
そのまま先生は雪の方に足を進めお手荒いに向かった。
足取りがおぼつかない先生にすぐにでも肩を貸したくてたまらなくなる足を必死で叱咤し先生が何とかお手荒い入るのを見送る。
ほっ…何とかたどり着いてよかった…
でも、トイレで倒れたりしないよね?
未だに不安が拭えない中お手荒いから先生が出るのを待つ。
すると、何とか出てきた先生に安堵したがすぐ様足を滑らせ床に倒れ込みそうになった。
「あっ、危ないっ!」
私は無意識に先生の目の前に出て何とか倒れ込みそうになった体を阻止した。
「ん…相浦?」
うっ、やばっ…
キャッチしたはいいが先生の呟いた言葉に体が硬直した。
「なわけないか…こんな所に相浦がいるわけないよな…ははっ 俺はなんていう夢みてんだよ…」
「は?夢?」
微笑じみた言葉で夢だという先生に雪は安心と夢と口にする先生の今の状況に心配が重なった。
「先生!とにかくもう飲むのはダメですっ!帰りますよ?タクシー呼びますから家でゆっくり寝てください!」
「ん…なら、雪も一緒がいい…」
「っ…」
急に呼ばれた呼び捨て呼びに耳元で言われた事もあり真っ赤に頬が染まった。
「わ、分かりましたからっ!とにかく、タクシーくるまで先生たちに見つからないように隠れてくださいっ!はい、ここに座る!」
私はいそいそと誤魔化すように先生を店の端っこの椅子に座らせた。
「ん…りょーかい…」
何とか座ったのを確認し、刹那さんと店長に事情を話タクシーを呼んでもらった。
ついでにいうと今日は早退という形にしてもらうことになった。
何度も頭を下げ謝り店の前に止まったタクシーに刹那さんやバイト仲間に先生を運んでもらった。
残された先生たちはガックリと項垂れながらも緑先生を離してもらった。
その後、親父共は弄る若者が減りやけ酒をくらい女先生たちはイケメンターゲットが消えそこもやけ酒を浴びていたそうだ。
私はこっそり裏口から出ると緑先生と同じタクシーに乗り込んだ。
「先生、家どこですか?」
「んっ…〇〇番地の〇丁目〇〇マンション96階…」
「運転手さん、お願いします」
「よかった、ちゃんと住所いえて…」
先生の言葉にほっと安堵しつつも私はもしもの事を考え近所の叔母さんに電話を入れた。
「夜分遅くにすみません、雪です。すみません、今日事情があり家に帰ることが出来ないかもなので優と夢の事頼んでもいいですか?…ありがとうございます!後日お礼はしますので…」
私はバイトという理由を口実に優と夢を近所の叔母さんに託した。
はぁ…ごめんね、優と夢…
心の中で二人に謝りそばて私の肩に持たれかかる先生をみた。
先生も大変だなぁ…
大人の付き合いとは想像以上に大変なものだと実感しつつぐっすりと眠る先生の柔らかな髪をゆっくりと撫でた。
「お疲れ様です…先生」
「んっ…」
数分後、先生のマンションに着き眠る先生を必死に起こした。
「先生っ!起きてください!家に着きましたよ?」
「んっ…分かった…起きる…」
必死で揺さぶりなんとか半分起きてくれて運転手さんにお金を払うと先生をタクシーから降ろした。
先生の腕を自分の肩に掛けさせ何とか自力で歩いてもらう。
「なー、雪…」
急に呼ばれ不慣れな呼び捨て呼びに動揺しながらも必死に返事をする。
「は、はひっ!」
声が上ずりながらもすぐ近くの先生を見ると異様に月の光に照らされた綺麗な瞳が私を凝視した。
「月とスッポンだな…」
「ふぇ?月とスッポン?」
月とスッポンとは綺麗とかすごい人と真逆な人という意味だっけ?
ああ、もしかしたら私の事をスッポンだといってるのだろうか?
ま、合ってはいるが…
「むぅ…どうせ私はスッポンですよーだっ!」
舌を出して反論すると酔ってるのに爆笑しながら私のおでこを人差し指でこずく。
「痛っ!何するんですか、急に!?」
「ちげーよ…雪が月だって言ったんだ」
「は?」
固まる私をそっちのけに先生はそのままおぼつかない足取りでマンションの中へ向かっていった。
何を言っているんだ?月いうなら年の割には美形すぎる先生の方が月なのに…
ブツブツと文句をいいながら私は先生を運んでいった。
「うん、今日は居酒屋のバイトなの」
「バレないといいね。居酒屋なんてバイトしてたら退学にもなりかねないし…私、不安だなぁ」
「何とかなるよ。お店先の店長にもバイト仲間にも協力してもらってるしみんな私の事情分かってくれて優しくしてくれてるから気に入ってるんだ」
「ゆきを嫌う人なんかいたら、私が許さないから安心してね!」
「うん!ありがとう真奈」
真奈の優しさにも触れ夜から始まるバイトに気合いが入った。
「こんばんわっ!今日もよろしくお願いします。」
「ゆきちゃん、こんばんわー!今日も頑張ろうねー!」
「はいっ!」
バイト仲間の刹那さんに挨拶を済ませ他のバイト仲間や店長に次々と挨拶を済ませた。
いつものバイト着に着替えホールに出る。
いつものようにお客さんに注文を取り注文を回す。
だが、今日はいつものバイトとはちょと違った…
「ちょ、ちょとゆきちゃん!あ、あれゆきちゃんの学校の先生たちじゃないの?!」
「え、えぇ?!」
刹那さんに言われ指さされた矛先を見ると確かに見覚えのある学校の先生たちの姿だった。
「ど、どどどうしましょう?!」
「と、とにかくゆきちゃんは隠れてっ!バレたら大変!!みんなには私から伝言回してゆきちゃんをなるべくホールに出さないようにするから安心して?あのお客様が帰るまでぜーたいっ!ゆきちゃんはホールに出ちゃダメだよ?」
「わ、分かりました!刹那さんありがとうございます」
「いいのよ、ゆきちゃんには辞めてもらいたくないしみんなゆきちゃんの事大好きだからね!ははっ」
こんなにも思ってもらえる人がいるなんて幸せ者だなぁ…としみじみ思いながらも私はすぐ様店の端っこに隠れ緊張感を張り詰めながら先生たちのいる席を凝視する。
先生たちの中には担任である緑先生もいた。
緑先生は嫌そうに無理やり笑顔を作りながらも親父共やいつもより化粧を濃ゆくした女先生たちに無理やりとも言えるお酒を飲まされていた。
あっ、ああ…先生大丈夫かなぁ?
不安になりながら緑先生を見つめこれ以上飲まされて倒れないことを祈った。
数分後、先生はギブだという素振りで首を横に振り席を立った。
そのまま先生は雪の方に足を進めお手荒いに向かった。
足取りがおぼつかない先生にすぐにでも肩を貸したくてたまらなくなる足を必死で叱咤し先生が何とかお手荒い入るのを見送る。
ほっ…何とかたどり着いてよかった…
でも、トイレで倒れたりしないよね?
未だに不安が拭えない中お手荒いから先生が出るのを待つ。
すると、何とか出てきた先生に安堵したがすぐ様足を滑らせ床に倒れ込みそうになった。
「あっ、危ないっ!」
私は無意識に先生の目の前に出て何とか倒れ込みそうになった体を阻止した。
「ん…相浦?」
うっ、やばっ…
キャッチしたはいいが先生の呟いた言葉に体が硬直した。
「なわけないか…こんな所に相浦がいるわけないよな…ははっ 俺はなんていう夢みてんだよ…」
「は?夢?」
微笑じみた言葉で夢だという先生に雪は安心と夢と口にする先生の今の状況に心配が重なった。
「先生!とにかくもう飲むのはダメですっ!帰りますよ?タクシー呼びますから家でゆっくり寝てください!」
「ん…なら、雪も一緒がいい…」
「っ…」
急に呼ばれた呼び捨て呼びに耳元で言われた事もあり真っ赤に頬が染まった。
「わ、分かりましたからっ!とにかく、タクシーくるまで先生たちに見つからないように隠れてくださいっ!はい、ここに座る!」
私はいそいそと誤魔化すように先生を店の端っこの椅子に座らせた。
「ん…りょーかい…」
何とか座ったのを確認し、刹那さんと店長に事情を話タクシーを呼んでもらった。
ついでにいうと今日は早退という形にしてもらうことになった。
何度も頭を下げ謝り店の前に止まったタクシーに刹那さんやバイト仲間に先生を運んでもらった。
残された先生たちはガックリと項垂れながらも緑先生を離してもらった。
その後、親父共は弄る若者が減りやけ酒をくらい女先生たちはイケメンターゲットが消えそこもやけ酒を浴びていたそうだ。
私はこっそり裏口から出ると緑先生と同じタクシーに乗り込んだ。
「先生、家どこですか?」
「んっ…〇〇番地の〇丁目〇〇マンション96階…」
「運転手さん、お願いします」
「よかった、ちゃんと住所いえて…」
先生の言葉にほっと安堵しつつも私はもしもの事を考え近所の叔母さんに電話を入れた。
「夜分遅くにすみません、雪です。すみません、今日事情があり家に帰ることが出来ないかもなので優と夢の事頼んでもいいですか?…ありがとうございます!後日お礼はしますので…」
私はバイトという理由を口実に優と夢を近所の叔母さんに託した。
はぁ…ごめんね、優と夢…
心の中で二人に謝りそばて私の肩に持たれかかる先生をみた。
先生も大変だなぁ…
大人の付き合いとは想像以上に大変なものだと実感しつつぐっすりと眠る先生の柔らかな髪をゆっくりと撫でた。
「お疲れ様です…先生」
「んっ…」
数分後、先生のマンションに着き眠る先生を必死に起こした。
「先生っ!起きてください!家に着きましたよ?」
「んっ…分かった…起きる…」
必死で揺さぶりなんとか半分起きてくれて運転手さんにお金を払うと先生をタクシーから降ろした。
先生の腕を自分の肩に掛けさせ何とか自力で歩いてもらう。
「なー、雪…」
急に呼ばれ不慣れな呼び捨て呼びに動揺しながらも必死に返事をする。
「は、はひっ!」
声が上ずりながらもすぐ近くの先生を見ると異様に月の光に照らされた綺麗な瞳が私を凝視した。
「月とスッポンだな…」
「ふぇ?月とスッポン?」
月とスッポンとは綺麗とかすごい人と真逆な人という意味だっけ?
ああ、もしかしたら私の事をスッポンだといってるのだろうか?
ま、合ってはいるが…
「むぅ…どうせ私はスッポンですよーだっ!」
舌を出して反論すると酔ってるのに爆笑しながら私のおでこを人差し指でこずく。
「痛っ!何するんですか、急に!?」
「ちげーよ…雪が月だって言ったんだ」
「は?」
固まる私をそっちのけに先生はそのままおぼつかない足取りでマンションの中へ向かっていった。
何を言っているんだ?月いうなら年の割には美形すぎる先生の方が月なのに…
ブツブツと文句をいいながら私は先生を運んでいった。
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