男装ホストは未来を見る

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スキャンダル

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小物売り場が並ぶ階にて、百円均一のお店に入ると寧々ちゃん希望のラッピング売場で比留間くんへのクッキー用のラッピングを選んでいた。

「寧々ちゃん!このピンクの水玉模様のリボンなんてどうかな?」

目の前のピンクの水玉模様のリボンを取り寧々ちゃんに差し出すと首を傾げ悩んでいる顔をした。

「んー、それも可愛いんですが…まだ他のも見てみたいです」

「じゃあ、一応キープだね」

「すみません、せっかく進めてくださったのに…」

申し訳なさそうに謝る寧々ちゃんに平気と言わんばかりに目の前で両手を振った。

「大丈夫大丈夫!気にしないで!こうやって女子だけで可愛いもの探すの楽しいし!」

「私も先輩方やひのさんと一緒で楽しいです!」

小さく両手で拳を作り目の前で握りしめて言う寧々ちゃんに”可愛い!”と悶えながらも他の所を探すといい皆と少し離れた場所に移動する。

「んー、可愛いのかぁ…」

棚にある物を片っ端から見つめていると女性の叫び声が聞こえた。

「…待って!行かないで!私の話を聞いて!!」

…ん?

声をする方へ振り向くと誰かを引き止めるロングヘアに色気抜群の薔薇柄のワンピースを着た泣きぼくろが特徴の綺麗な女性が泣きながら叫んでいた。

どうしたんだろ?

その光景に目を凝らして見つめるとその女性が引き止めていたらしき隆二さんの姿あった。

な、何で隆二さんが!?

慌てて物陰に身を隠しその様子を見つめる。

「もう話は終わったはずだ!この手を離せ!」

女性は隆二の服の裾を掴んだまま離さない様子に叫びに似た声で言い放つとそれでも離す気はない様子に半ば無理矢理に掴んでいた手を振りほどいた。

「これ以上会いに来るのはやめてくれ!俺はもう…お前の顔すらみたくない」

「っ…」

その残酷ともとれる言葉に女性は呆然と言葉を無くすとその様子を一瞥し踵を返し隆二はその場から立ち去っていった。

隆二さんとあの人どんな関係なんだろ?何かあったのかな…?

立ち去って行った後ろ姿を呆然と見つめる女性を見つめ思っていると理沙の声が聞こえ女性に声をかける事もなく理沙達の方に戻る。

「決まったよ~!」

その言葉に寧々ちゃんの手の中にある物をみるとパンダのシールと黒の水玉模様の袋があった。

「可愛い~!!誰が見つけたの?」

「ふふ~ん、私!私!」

理沙はドヤ顔をしつつ自慢げに言うと、星那は髪に手を伸ばし撫でる。

「さすが理沙だね!」

「そ、そうかな~?」

照れながら言う理沙に更に笑顔で撫でつつ頭の中では先程の女性と隆二さんの光景がぐるぐると回っていた。

今日直接聞いてみるしかないよね…





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