男装ホストは未来を見る

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真夏の向日葵

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「あ”~あ”~あ”~~あ”づい~!」

扇風機の風に向かって暑さで叫ぶ。
花吹雪の事件から一週間が過ぎ、夏休みに入ると猛暑の暑さの影響で宿題そっちのけに扇風機の前にてだらけていた。

「お前、勉強しなくていいのか?」

だらける星那と違い机の上で真面目に宿題をする豹に振り向き見るとマットの上に倒れ込む。

「無理!暑くて気力ない…」

「はぁ…後でギリギリになって宿題する羽目になっても知らないからな」

「大丈夫だってぇ…成績は落とさないから!」

受験生である今、成績を落とせない星那達高校三年生はテストや課題などを含め授業成績を落とす事は出来ない中で星那や豹は学年でトップの成績を維持していた。
世でいう頭脳明晰・容姿端麗・眉目秀麗の二人である。

ガチャ…

「ん?豹が宿題しているのは分かるがせなは何やってるんだ?」

今まで寝室で寝ていた隆二はダイニングに入り辺りを見渡すと机の上で熱心に宿題をする豹とソファ近くで扇風機の風を浴びながらマットの上で寝転ぶ星那を見比べた。

「何って暑いから扇風機浴びてだらけてます~」

「はぁ…仮にも受験生だというのに」

星那のだらけ具合に呆れ溜息をつくと反論かのように星那が叫ぶ。

「だってこんな暑い中勉強なんて無理っすよ~!」

星那の言う通り今日の最高気温は四十度以上だという猛暑であり扇風機やエアコンは必須となっていた。

「確かにそうだが…そんなに暑いんならエアコン付ければいいだろ?」

天井付近にあるエアコンを指差し言うが星那は首を横に振った。

「無理です…蓮さんが節約だからって午後の十五時まで付けちゃ駄目だって」

性格によらず金銭面ではしっかりしてる蓮の言葉に逆らえず扇風機で我慢している状況に納得した。

「蓮か…ん?そういえばその蓮はどこに居るんだ?まだ寝てるのか?」

「何か、朝から人に会いに出かけてます。もうそろそろ帰ってくると思うんですが…」

時計を見ると既に針は午後の十三時を回っていた。

「人か…あいつにも友達がいたんだな」

意外そうな言葉を漏らす隆二に宿題をしていた豹が付け足す。

「あの性格だからいそうにないですよね…」

「ぷっ…確かに」

豹の言葉に思わず吹き出し笑っているとタイミングよくダイニングのドアが開けられ振り向くと手に一本の向日葵と青色の風呂敷で包まれた西瓜を持った蓮の姿があった。

「お前ら好き勝手いいやがって…全部聞こえてんぞ!」

「げっ…」

豹があからさまに嫌そうな顔をすると益々怒りの形相で豹や隆二に近づいた。

「たくっ…人がいない間に言いたい放題しやがって」

「悪いって…それよりお前の味方になりそうな奴が西瓜を凝視してるがいいのか?」

隆二の言葉に足元を見ると床に座りながら西瓜を凝視している星那の姿があった。

「蓮さん!この西瓜食べていいですか!?」

物凄く物欲しそうな星那の瞳に笑顔で持っている西瓜を差し出す。

「食い意地はって食べすぎるなよ?」

「は~い!」

西瓜を大事そうに受け取ると嬉しそうに隆二に差し出す。

「隆二さん、西瓜切ってください!」

「はいはい、分かったから大人しく椅子に座って待ってなさい」

「は~い!」

まるで子供のようにはしゃぐ星那の様子に蓮と隆二は兄のような気持ちで見ていた。

「あ…せな、向日葵もいるか?」

「いりません、西瓜だけでいいです」

「お前は花より団子かよ」

花より西瓜にしか興味のない星那に呆れながらも手にある向日葵をどうしようかと思案する。

ん~…花瓶にでも入れて部屋に飾るか

「わるい…西瓜全部たべていいから俺は部屋戻るわ」

「へ?なら、後で蓮さんの分の西瓜持って行きますよ?」

「ん?ほんとに俺はいいから、せなはゆっくり西瓜食べてろ」

星那の頭を無造作に撫でまくり笑顔で言うと不安そうな顔で小さく頷く。

「はい…」

…ガチャ

蓮が出て行ったドアを見つめながら星那は少し様子がおかしかった蓮の顔に心配になった。

 *

ダイニングを後にし自室に戻ると懐から一枚の封筒を取り出す。

「これを渡されて今更俺にどうしろっていうんだ…?」

ハガキをクシャクシャに丸めゴミ箱に捨てると既に枯れた花を抜き取り代わりに今日貰った向日葵を入れると、窓から零れる光により照らされた向日葵は何処か寂しげに揺れていた…


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