22 / 85
二章 ゲーム開始
暴君の暴走現場
しおりを挟む
まず、私が思った事は…何処で間違えた?今まで両親の離婚以外は全て平行線で通って来た筈だ。それなのに突如として攻略対象者達に気づかれ声を掛けられ更には推測していた”助言役”並の頼み事をされる…今の私には最悪としか言い様もない想定外過ぎるイベントだ。
「桃~ちゃん?聞いてる~?」
よし、ここは完全に…
「お断りします」
…拒否るが勝ちだ
「え~!?桃ちゃんだって、俺と苺ちゃんが恋仲になる事を応援してくれてるんでしょ~?なら、そうなる為に協力ぐらいしてよ~!」
「お断りします。確かに、貴方と星七さんが一緒になる事は望んでいますが私が協力する意味がありません。そうなりたいなら人に頼るのではなく自分の力でしてください」
「そんなぁ~…動くのは基本俺だから桃ちゃんはアドバイスして欲しいだけなのに~!」
「お断りしますって言ったらお断りします!これ以上、貴方に関わりたくありません」
「あ、ちょっ…桃ちゃん!?」
檸檬の引き止める声を無視し空になったお弁当を片手に屋上を出た。
うん、これで良かったんだ。これ以上彼奴に関わりたくないし…
自分に言い聞かせるように呟くと屋上を振り返ることなく教室へと向かった。
*
ドンッ!!
「…貴様、俺様に盾突くつもりか?」
などと二次元でしか聞かないようなアウェイなセリフを聞いたのは何時ぶりだろうか?というか、現実で聞くってどうよ?いや、現実というか乙女ゲー世界だけども…
「お願いです!もう間違えませんから許してください…っ!!」
「”もう間違えません”…か、それ何百回言えば気が済むんだ?あん?」
現在、私の目に映るのは同じクラスのひ弱な委員長の小堺君が地べたにて土下座しているのを何食わぬ顔で見下ろす金髪ヘアに赤い瞳が光る浅黒い肌が特徴的の鳳梨グアバが居た。何故、そんなありえな~い!的な状況に遭遇したかと言うと屋上から教室へ戻る際に誰も通ることも無い六階にて最悪な状況に遭遇したわけである。
「すみませんっ!もうしません!言いません!だからどうか…どうか…っ!!」
そんな切ない懇願は血も涙もない彼には届く訳もなく赤い瞳が益々睨みを効かせていた。
「誰が貴様なんか…」
「待って!グアちゃん止めてっ!!」
グアちゃんという他の人が口にすることも無い可愛らしいあだ名で叫び止めに入って来たのはヒロインこと苺だった。
まずい…っ!?ヒロインまで来るとか反則でしょ!
壁にて張り付いて身を潜めていた私はヒロインの登場に慌てて口元を抑えた。
「苺…お前、何でここに?」
「グアちゃんが小堺君を連れていくのが見えたのよ!それより、また小堺君を虐めてたでしょ!?もう止めてって言ったのに」
「お前には関係ない事だ」
「ああ、そ~うですかっ!もうそんなグアちゃんなら絶交よ!破局よ!もう近づかないで!!」
「なっ…!?」
「小堺君、大丈夫?一緒に行こう?」
「あ、えっと…」
女神の救いかのように苺から差し伸ばされた手にチラッとグアバを見るが今にも殺られそうな目にすぐ様目を逸らし苺の手を掴む委員長に私は心底同情した。
こんな痴話喧嘩に巻き込まれる委員長って…ドンマイ
「…クスッ」
「おい!誰かいるのか…?」
やば…っ!つい声でちゃった!?えっと、こういう時は…
「にゃ~ぉぅ…」
鼻を抑えて絞り出した猫真似は我ながら似てると思った。
「チッ…猫か」
…っておい!信じるのかよ!普通学校内に猫いないぞ馬鹿暴君!
バレて欲しいのか欲しくないのか分からないツッコミを心内に入れた。
「…じゃ、さ・よ・な・らっ!」
「お、おい…っ」
捨て台詞のように死刑宣告を言い残したヒロインはグアちゃんこと暴君を置いて委員長と共に去って行った。
「何でこうなるんだよ…」
一人崩れ落ちる取り残された暴君を壁際からこっそり見つめるが私が彼に手を差し伸べる事はないだろう。この先永遠に…
よし、今のうちに下に降りるか!
…と足を階段の方角に向けた瞬間冷たい声が掛かった。
「おい、待て」
!?…いやいや、有り得ないから!
聞かなかった事にし再度足を踏み出そうとするが阻むように冷たい声が再度掛けられた。
「お前だ、変質者。そこで人を覗いて楽しかったか…?」
「っ…」
間違いなくこれは…私だ
冷たい汗と背筋を突き抜ける寒気が走りその場に体が停止した。
「俺のヘタレっぷりに笑っていたのか?それがお前の趣味か?変質者」
そう声を掛けると同時に私の視界に現れたのは金髪に浅黒い獅子が風を靡かせ鋭い赤い瞳が真っ直ぐに射抜いた。
私…寿命尽きたかも
「桃~ちゃん?聞いてる~?」
よし、ここは完全に…
「お断りします」
…拒否るが勝ちだ
「え~!?桃ちゃんだって、俺と苺ちゃんが恋仲になる事を応援してくれてるんでしょ~?なら、そうなる為に協力ぐらいしてよ~!」
「お断りします。確かに、貴方と星七さんが一緒になる事は望んでいますが私が協力する意味がありません。そうなりたいなら人に頼るのではなく自分の力でしてください」
「そんなぁ~…動くのは基本俺だから桃ちゃんはアドバイスして欲しいだけなのに~!」
「お断りしますって言ったらお断りします!これ以上、貴方に関わりたくありません」
「あ、ちょっ…桃ちゃん!?」
檸檬の引き止める声を無視し空になったお弁当を片手に屋上を出た。
うん、これで良かったんだ。これ以上彼奴に関わりたくないし…
自分に言い聞かせるように呟くと屋上を振り返ることなく教室へと向かった。
*
ドンッ!!
「…貴様、俺様に盾突くつもりか?」
などと二次元でしか聞かないようなアウェイなセリフを聞いたのは何時ぶりだろうか?というか、現実で聞くってどうよ?いや、現実というか乙女ゲー世界だけども…
「お願いです!もう間違えませんから許してください…っ!!」
「”もう間違えません”…か、それ何百回言えば気が済むんだ?あん?」
現在、私の目に映るのは同じクラスのひ弱な委員長の小堺君が地べたにて土下座しているのを何食わぬ顔で見下ろす金髪ヘアに赤い瞳が光る浅黒い肌が特徴的の鳳梨グアバが居た。何故、そんなありえな~い!的な状況に遭遇したかと言うと屋上から教室へ戻る際に誰も通ることも無い六階にて最悪な状況に遭遇したわけである。
「すみませんっ!もうしません!言いません!だからどうか…どうか…っ!!」
そんな切ない懇願は血も涙もない彼には届く訳もなく赤い瞳が益々睨みを効かせていた。
「誰が貴様なんか…」
「待って!グアちゃん止めてっ!!」
グアちゃんという他の人が口にすることも無い可愛らしいあだ名で叫び止めに入って来たのはヒロインこと苺だった。
まずい…っ!?ヒロインまで来るとか反則でしょ!
壁にて張り付いて身を潜めていた私はヒロインの登場に慌てて口元を抑えた。
「苺…お前、何でここに?」
「グアちゃんが小堺君を連れていくのが見えたのよ!それより、また小堺君を虐めてたでしょ!?もう止めてって言ったのに」
「お前には関係ない事だ」
「ああ、そ~うですかっ!もうそんなグアちゃんなら絶交よ!破局よ!もう近づかないで!!」
「なっ…!?」
「小堺君、大丈夫?一緒に行こう?」
「あ、えっと…」
女神の救いかのように苺から差し伸ばされた手にチラッとグアバを見るが今にも殺られそうな目にすぐ様目を逸らし苺の手を掴む委員長に私は心底同情した。
こんな痴話喧嘩に巻き込まれる委員長って…ドンマイ
「…クスッ」
「おい!誰かいるのか…?」
やば…っ!つい声でちゃった!?えっと、こういう時は…
「にゃ~ぉぅ…」
鼻を抑えて絞り出した猫真似は我ながら似てると思った。
「チッ…猫か」
…っておい!信じるのかよ!普通学校内に猫いないぞ馬鹿暴君!
バレて欲しいのか欲しくないのか分からないツッコミを心内に入れた。
「…じゃ、さ・よ・な・らっ!」
「お、おい…っ」
捨て台詞のように死刑宣告を言い残したヒロインはグアちゃんこと暴君を置いて委員長と共に去って行った。
「何でこうなるんだよ…」
一人崩れ落ちる取り残された暴君を壁際からこっそり見つめるが私が彼に手を差し伸べる事はないだろう。この先永遠に…
よし、今のうちに下に降りるか!
…と足を階段の方角に向けた瞬間冷たい声が掛かった。
「おい、待て」
!?…いやいや、有り得ないから!
聞かなかった事にし再度足を踏み出そうとするが阻むように冷たい声が再度掛けられた。
「お前だ、変質者。そこで人を覗いて楽しかったか…?」
「っ…」
間違いなくこれは…私だ
冷たい汗と背筋を突き抜ける寒気が走りその場に体が停止した。
「俺のヘタレっぷりに笑っていたのか?それがお前の趣味か?変質者」
そう声を掛けると同時に私の視界に現れたのは金髪に浅黒い獅子が風を靡かせ鋭い赤い瞳が真っ直ぐに射抜いた。
私…寿命尽きたかも
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜
文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。
花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。
堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。
帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは?
異世界婚活ファンタジー、開幕。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる