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第二話 迷えるディルドは道具に徹する
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そして冒頭の場面に戻る。
私はあの日以来、まるで家来か秘書のように恭しく世話を焼いてくれる美しい騎士、ケイツ様の扱いに困っていた。もちろん日々眼福なのは間違いない。
だけど寝室に戻る度、おやすみなさい、と声をかける私に「今日のお世話は、…もうよろしいのですか?」と躊躇いながら聞いてくる少し意味深にも思える視線が気になっていた。
専属の護衛騎士という認識でよいのだろうか、でも恩賞を貰った日の人々の嘆きようは、まるで有名芸能人が結婚した時のファンの嘆きにも似ていたようにも思うのだ。
ーー結婚?
ちょうど、私のやってきた元の世界の話も、おいおいとケイツ様にはしたところで、ケイツ様の理解も深まったであろう今、それをはっきりさせる時期としては間違ってはいないと感じた私は、今日、思い切って直接本人に聞いてみたのだ。
「あの、あなたはもしかして、私の夫となる方なのですか?」と。
最初ケイツさまは困ったように眉を寄せた。
夫の概念が、よく分からないようだった。
だから私は、日本にいた頃の結婚制度や恋愛感についても少し詳しく説明したのだ。
すると眉を寄せて真剣に話を聞いてくれていた彼の答えはこうだった。
「申し訳ないが、聖女ひよりよ、私は貴女を妻として愛することは出来ない……」
その言葉に私は一抹の寂しさを感じながらも、やはりここは異世界なのだと、妙な感動をしてしまったのだ。
――これは、あれだよ、異世界転生の決まり文句
この手の言葉から始まるラノベやゲームはとても多い。
私はケイツさまの美しい顔を見つめて、ゴクリと喉を鳴らした。
――あぁ、やはり似ている
ケイツ様は、髪と瞳の色こそ違えど、その姿は私の長年の推しである「不遜の騎士」バーディーン様を思わせるのだ。
――よっしゃ!!
日本の社会で日々疲弊していた私にとって美しくもどこか豪胆なバーディーン様はまさにこの世、いや、あの世の癒しだった。
おそらくは日本の私はあの瞬間、トラック事故で死んだ。
この転生はそんな自分が自分に見せている夢か幻なのかもしれない。
でも、それならば、最期に楽しまなくてはもったいないと思った。
だから私はケイツ様には悟られないように、しおらしく口を開いた。
「どうして、そんなに悲しいことを仰るのですか?突然別世界に来た私には、もはや貴方しか頼る方などいませんのに……」
そう芝居がかった言い方をするとケイツ様はぐぐぐっと困った顔をした。
私の見る目が正しければ、ケイツ様は実は人が良すぎるくらいに優しい方だ。
「そ、それはそうかもしれないが、だが、私は貴女の状況と自分の立場を慮ったところ、貴女の夫に相応しい男とは言えない」
「どうして?」
私はこのチャンスを逃してはならないとケイツ様に詰め寄り、その手を取って、あざとく眉を寄せてみた。
ちなみに私はこの世界では、顔立ちこそは本来のものとそう大差ないが、年齢は十歳くらい若返り、プラチナの髪にアメジスト色の瞳を持つ異世界美女もどきにレベルアップしているのだ。
転生マジック凄すぎる。
「……聖女、ひより」
伸ばされた手を拒めないのだろう。ケイツ様は酷く困った顔をしていた。
「聖女だなんて、皆さんの買い被りですわ、きっと私はただの時の迷い人。どうか、ひよりと呼んで下さい、ケイツ様、ここで何も知らない私を守ってくださいますか?」
調子に乗った私はそう言ってケイツ様の青灰色の美しい瞳を覗き込んだ。
拒まれてもいい、だって推しは不遜の騎士だもの。
ヤンデレやツンデレ設定ウェルカムだなんて自分でもいい性格をしていると思う。
だけど、次の瞬間、ケイツ様の言葉に私は固まった。
「……だ、だがしかし、貴女も知っている通り、私は貴女が初めての女性というわけではないわけで、貴女に捧げろと命じられたのも俗物的な快楽で」
(なに、その俺は既に童貞じゃないですよアピール?必要??百戦錬磨だろう騎士団副隊長に……)
そう思いケイツ様を凝視した私は戸惑いに目を見開いた。
――えっ?
不遜なはずのケイツ様は今、明らかに羞恥に顔を歪めて、もうどうしたらいいのかわからない、という体で真っ赤になって俯いているのだ。
――えっ、えええ?なに、その可愛い反応
その瞬間胸をギュッと掴まれた気持ちになった。
――なにこれ、ギャップ萌え?
これは凄い、お姉さん、新たな扉、開いちゃうよ?
「だ、だだだ、大丈夫だよ?こう見えても私も、は、初めてってわけではないし、そこはお互い様ということで、ね?」
自分でも何が「ね?」なのかよくわからないが、そう言ってケイツ様に愛想笑いを浮かべてみる。
「……ひよりも?」
涙目のケイツ様にうんうんと頷く、なんだかとても悪い大人になった気分だ。
よく考えたら、ケイツ様は騎士団副団長とはいえ、恐らくはまだ二十歳過ぎという若者だ。
対して私は日本での実年齢は三十を目前にした干物女なのだから、この罪悪感は当然でもある。
ケイツ様はそんな私の真意を測るかのように、潤んだ青灰色の瞳で不安そうに私を見つめた。
――待って、ちょっと可愛いんですけど!
「……だけど、きっと私の経験は貴女とは違う」
そう憂いたように口にしたケイツ様は頭を抱え込んでしまった。
「もし、貴女の耳に他人の口からあることないこと情報が入ってしまったとしたら、もう、私は死ねる、あぁ、いっそこの場で消えてしまいたい」
その言葉に私はギョッとする。
「ちょ、そんなこと、言わないでよぉ!!」
当初、淡々と業務として私の警備と世話に徹していたように見えたケイツ様がこんなふうに動揺し始めたのは、私が今日のティータイムの席で、日本の結婚制度や、恋愛観を口にしてからのように思う。
あれからケイツ様は口数が極端に少なくなって、どこかソワソワと挙動不審な様子になった気がする。
それに気づいた私はしまったと思い取り繕った。
「あの、さ、さっき、私が言った結婚とか、恋愛とか、夫婦とかは、別に気にしてくださらなくてもいいのです!きっと私の来た国はこの世のものではないのですから、それならば、私がこの国の文化に合わせればいいだけの話ですから」
「しかし……」
この国の人には日本の結婚観は重過ぎたのかもしれない。
「ね……」
「でも……」
だけど、ケイツ様は萎縮したように固まるばかりで、あれからにこりともしない。
「そ、それでは、今度はケイツ様がこの国の事を私に教えて下さいませんか?私はどうしたら貴方を困らせずに仲良くやっていけるかしら?」
「仲良く……?」
ケイツ様はその言葉にピクリと反応してくれた。
私は嬉しくなって頷いた。
「そう、仲良く、楽しく?」
ケイツ様は美しい瞳を瞬かせて、唸るように俯いた。
「そ、そんなことは、初めて言われた、ひより、やはり貴方は本当に聖女、なんだな……」
そう言った瞬間、ケイツ様は優しい瞳で私を見つめた。不覚にもきゅんとした。しっかりするんだ三十路女。
「……ならば、少し、恥ずかしいけれど」
俯き加減に視線をそらしながらベッドの上でゴソゴソとしだしたケイツ様。
よく見るとその耳は真っ赤だ。
「……ひより、しばらく目を閉じていてもらえるだろうか?」
「は、はい」
私は言われるがまま瞳を閉じた。
「何を見ても、驚かないで欲しい」
「わ、わかりました」
「怖がられると、ちょっと傷つく……」
「ん、……んん?」
ションボリした口調に不安になった。
「もう、目を開けても構わない……」
その瞬間、私は引き攣ったまま、大きく息をのんだ、そして大いに咽せた。
「……だ、大丈夫?ひより、これはもう君のものだ、だから、君の好きに使ってくれて構わない」
そこには初めてみる規格外サイズの立派なイチモツが威風堂々と自らの存在の大きさを主張していた。
「ひっ、突然なにを---…!?」
――し、しかも、でっか!!なにそれ、デッカすぎるだろう?
長年の看護師勤めで、見慣れているはずの私から見ても異世界で片付けるには規格外の大きさだ、そして形が出来上がり過ぎている。
「ひより、これが、……生のディルドだよ?」
――ん?
少し恐れた様子でケイツ様が私をみつめる。
「ディ、ルド……?」
その異形の○ンコを見つめながら、その言葉を脳内で反芻する。
――――あっ、あああ、そうかディルドって
大人のおもちゃだよ、、私、馬鹿だぁぁ!!
「……やはり、ひよりは意味も分からず私をもらい受けてしまったんだね?」
「ケ、ケイツ様……」
「最初は、他の女性同様に私のチン○狙いだと思っていたのだが、そんな様子もないし……」
「チン○狙い?んな馬鹿な……」
私はその言葉の衝撃に目を見開いた。
「そうだね、君がそうじゃないことは、君の態度や価値観からなんとなくわかった、だけどね……」
ケイツ様は妖艶に笑った。
だけど、それはとても辛そうにも見えた。
「……これがこの国のディルドの役目、ディルドとしての役目を果たしている間の私は、ただの性欲処理の道具に過ぎない、自らの意思で君に触れることも許されない、貴女の国とは随分違うだろう、驚いたかい?」
そう言って自嘲するように笑うケイツ様に胸をぎゅっと締め付けられた。
「――そ、それでは」
「あぁ、守秘義務があるから、詳しくは言えないけど、僕は道具として随分といろんな女性の相手をしてきたよ、ちょっと口には出せないような身分の男に突然だけど使われたことだってある、だからひより、こんな私を汚いと思うなら、無理をする必要はない」
そう言われた私は黙り込んだ。
それをどう受け取ったのか、ケイツ様は痛そうに微笑んだ。
「ね、君の世界の夫というものとは、そもそも私は異質な存在だ……」
そう微笑むケイツ様は、笑っているのに泣きそうに見えて、それがとても悲しかった。
「それでは、この世界には、結婚そのものが存在しないと仰るのですか……」
そう問いかける私にケイツ様は困ったように答えた。
「そうではないけれど、あまりそういった制約が必要とされていないせいで一般的でないというか、現に女王陛下には王配殿下がいらっしゃる。高貴な方々は立場を背負って縁を結び、政略であるからこそ離縁は許されない。だからこそ、それ以外の男は物でなければならないと言えば、貴女にも分かってもらえるだろうか?」
意志の強そうな切れ長の目でそう口にするケイツ様。
閨以外では、王宮騎士団の副騎士団長としての務めも立派に果たして早くに昇進もされたというケイツ様。
昼は剣を持ち、夜も献身的にその身を捧げるケイツさまは、自分を人だと公言することすら憚っている。
こんなことがあっていいのだろうか?
――この世界もまた間違っている
だけど分からない、そんな自分とは相容れない他国の文化や価値観を尊重できない私もまた間違っているのだろうか。
だけど、今、ひとつだけわかることがある。
そんな垣根を全て壊して、こんな寂しい顔をさせてしまったケイツ様の心にまで近づいて、大丈夫と抱きしめたくなったのだ。
さっきまで耳を赤くしていたケイツ様が、今とても悲しそうに道具に徹しようとしている。
私は今、そんな、ケイツ様が愛おしくて、悲しくて、何故だかとても腹立たしい……
――あぁ、知ってるこの気持ち
たぶん、恋が始まろうとしているのだ。
しかも、きっと叶わないやつだ……
ドクンドクンと心臓が波打つのは、さっき侍女さんが「軽度の媚薬入りでごさいましたぁ!」と私達が飲んだ後で暴露した液体のせいではないと信じたい。
今目の前にあるケイツ様のこの滾りも、その幾分かは、私に対する好意に近い感情が混ざってのものだったらいいな、と密かに願う。
痛そうに滾ったそれを見つめた私は喉を鳴らした。
「ケイツ様……」
今、彼に触れることは彼を傷つけてしまうだろうか。
それとも、触れないことが傷つけてしまうだろうか。
――分からない
元にいた世界の性にまつわる行為が、全て愛に溢れたものだったかと問われたら、たぶんそれは否だと思う。
だけど、この行為は愛を伝える手段にできるものでもあるのだと私は信じていたかった。
そして、今、それが少しでも伝わればいいなと思う。
お互い、この行為によって失うものなど、きっと存在しないから。
私はケイツ様の前にそっと静かに膝をついた。
「――ひ、より?」
一瞬戸惑ったように淡い水色の瞳が開かれた。
月の光を受けて白銀に輝くその瞳でケイツ様は問いかけた。
「……使う、のか?」
戸惑ったように問うその言葉に私は小さく微笑みながら頷いた。
ケイツ様はそんな私に一瞬目を見開いたが、やがて、僅かに顔を綻ばせた。
「そうか……」
そしてはケイツ様は気遣うように私に言った。
「ひより、その小瓶に潤滑液があるから使ってくれ、この国秘伝のものだ、見ての通り、私は大きい、君が傷つくといけないから……」
その言葉に私は、瞳を曇らせた。
――ディルド
ピンク色の液体が入った小瓶を片手に私は内心顔を歪めた、本当にただの道具の様に扱われてきた過去が、ケイツ様のそんな一言から分かってしまったからだ。
――どうして?
そんな疑問が浮かんだ。
ケイツ様はそれでいいのだろうか?
どうしてこの世界の男女は愛し合おうとしないのだろうか。
私にはこの国のことはわからない。
だけど、心を決めた私は恥じらいを捨てて、ケイツ様の指先を握りしめて首を振った。
その瞬間、手放した瓶は何度かバウンドしながら、やがて鈍い音を立てながら絨毯に転がった。
「あっ……」
それを目で追い拾おうとするケイツ様を制した私は首を振った。
「――たぶん、必要ないと思うのです、あなたとなら」
「ひ、ひより?」
そう言って私は、ケイツ様の唇にそっと自らの唇を重ねた。そして柔らかくその唇を食んだ。
そんな私にケイツ様は驚きを隠せない様子で絶句している。
唇を離したその顔はタコのように真っ赤に変わった。
「ひ、ひより、なんてことを……、それは愛するもの同志の……」
「――いけませんか?」
「そ、そうではないけれど、わ、私は……」
顔を歪めるケイツ様の胸に私は、コツンと額を委ねた。
「ひより……」
「貴方は人、どんな時でも人なのです、同じ気持ちを、返して欲しいなんて言わないけど、それだけはわかってほしいから……」
「え……?」
見返りを求めてはいけない、この時、私はそう自分に戒めた。だけど、その時、悲しく寄せられたケイツ様の眉に私は気づけなかった。
「だから、証明させてください、ケイツ様は私にとってモノじゃないと、そんなわけないと……」
「ひ、ひより……、ちょ、待って……うっ……」
私は、ケイツ様のイチモツをそっと握り、覆いかぶさるように頭を下げて先端に唇を這わせた。
「うっ、まっ、ひより……なんてことを?止めろ、そんなことをしては君の唇が穢れてしまう」
「……穢れない、誰かを愛して、人は穢れたりしないから」
そう言った瞬間、ケイツ様は戦慄したように固まった。
「ケイツ様はそのままでも構いません、私に触れたくなければ触れなくていいです、だけど、ほら、私はこうして人としてのケイツ様にちゃんと触れたいのです……」
「だ、だからって……」
目を白黒させて狼狽するケイツさまに私は縋った。
「お願いですから……」
「あっ、ひより、ダメだ、そんなこと……」
私は懸命にケイツ様の熱くて硬いものを口に含んだ。
初めてではないけれど、上手く出来ているかはわからない。
「はっ、あっ、ひより、あぁ、ダメだ……」
興奮を何とか押し込めようと、懸命に自らの快感に抗うケイツ様を尻目に私は、肉茎への甘い口づけに夢中になっていった。
「…っ…ううっ!…」
「気持ちいいですか?…もっと、ですか?」
そう言って裏筋に舌を這わせて、先端に滲む先走りを舌先で舐め上げるとケイツ様は身を退け反らせた。
「あっ、あああ、ひより、ひより……」
余裕をなくしたケイツ様の手のひらが一瞬だけ私の後頭部に触れたが、ハッとしたケイツ様はその手を引っ込めて自らを支えるようにシーツにその指先を食い込ませた。
「あぁ、あああ、ダメだ、もう、私から離れてくれ、ひより、出てしまう」
苦痛と快楽に顔を歪めるケイツ様に私も興奮しているのだろう、下腹部の奥がやけに疼いてしまう。
「大丈夫、このまま……っ、ん、ぱっ………ん、」
「あ、そんな、馬鹿なこと……っ、君を、う、ううっ、あっああ!!」
やがて快感が弾けたようにケイツ様は私の口の中で果てた。濃い男の味が口に広がる。
それをゴクリと嚥下した瞬間、ケイツ様は石のように固まった。
「ま、まさかっ、飲み下したのか?」
まるで金魚のように口をパクパクさせるケイツ様。
涙目で頷きながら、笑みを返す私に興奮したのか、ケイツ様のイチモツは瞬く間に回復を見せた。
――これも薬のせいだろうか?
少しはそうでなかったらいいな、と願いながら、私は動けないでいるケイツ様に再び唇を重ねた。
「ひ、より……」
チュッ、チュッっと何度も、そして今度は次第に深く舌を絡め合った。ケイツ様はもう抵抗しなかった。
そして、自分が充分に濡れていることを知っていた私は、ケイツ様に跨って、少しずつ腰を沈めた。
「うっ、あっ、ひより……」
「……ケイツ、さま、っ……」
だけど、ケイツ様のイチモツは、異世界出身かつ経験値の低い私にはやはり規格外だと言わざるを得なかった。
その夜、何度か果敢に挑戦してはみたが、私にはケイツ様のイチモツを攻略することは叶わなかったのだ。
「…すまない、ひより」
「あやまらないで、ください」
こっちの方がなんだか申し訳なかった。
「あっ…」
そこにはどうしていいかわからず勃ち上がったままのチン○があった。
だから私は辛そうに腫れ上がったケイツ様の肉茎をもう一度丹念に愛撫して口淫で射精に導いた。
そして疲れきった私達は、淫らに晒した肌と肌をくっつけあって共に夜を過ごした。
「――おやすみなさい、ケイツ様」
「――おやすみ、ひより」
ちょっとくすぐったいような笑みを浮かべてそう名を呼んでくれたケイツ様の体は暖かく、とてもよい香りがした。
――少しだけ近づけたのだろうか
ケイツ様はその晩、寝入るまで私の頭を撫でてくれた。
まるで幼な子に触れるように…。
私はあの日以来、まるで家来か秘書のように恭しく世話を焼いてくれる美しい騎士、ケイツ様の扱いに困っていた。もちろん日々眼福なのは間違いない。
だけど寝室に戻る度、おやすみなさい、と声をかける私に「今日のお世話は、…もうよろしいのですか?」と躊躇いながら聞いてくる少し意味深にも思える視線が気になっていた。
専属の護衛騎士という認識でよいのだろうか、でも恩賞を貰った日の人々の嘆きようは、まるで有名芸能人が結婚した時のファンの嘆きにも似ていたようにも思うのだ。
ーー結婚?
ちょうど、私のやってきた元の世界の話も、おいおいとケイツ様にはしたところで、ケイツ様の理解も深まったであろう今、それをはっきりさせる時期としては間違ってはいないと感じた私は、今日、思い切って直接本人に聞いてみたのだ。
「あの、あなたはもしかして、私の夫となる方なのですか?」と。
最初ケイツさまは困ったように眉を寄せた。
夫の概念が、よく分からないようだった。
だから私は、日本にいた頃の結婚制度や恋愛感についても少し詳しく説明したのだ。
すると眉を寄せて真剣に話を聞いてくれていた彼の答えはこうだった。
「申し訳ないが、聖女ひよりよ、私は貴女を妻として愛することは出来ない……」
その言葉に私は一抹の寂しさを感じながらも、やはりここは異世界なのだと、妙な感動をしてしまったのだ。
――これは、あれだよ、異世界転生の決まり文句
この手の言葉から始まるラノベやゲームはとても多い。
私はケイツさまの美しい顔を見つめて、ゴクリと喉を鳴らした。
――あぁ、やはり似ている
ケイツ様は、髪と瞳の色こそ違えど、その姿は私の長年の推しである「不遜の騎士」バーディーン様を思わせるのだ。
――よっしゃ!!
日本の社会で日々疲弊していた私にとって美しくもどこか豪胆なバーディーン様はまさにこの世、いや、あの世の癒しだった。
おそらくは日本の私はあの瞬間、トラック事故で死んだ。
この転生はそんな自分が自分に見せている夢か幻なのかもしれない。
でも、それならば、最期に楽しまなくてはもったいないと思った。
だから私はケイツ様には悟られないように、しおらしく口を開いた。
「どうして、そんなに悲しいことを仰るのですか?突然別世界に来た私には、もはや貴方しか頼る方などいませんのに……」
そう芝居がかった言い方をするとケイツ様はぐぐぐっと困った顔をした。
私の見る目が正しければ、ケイツ様は実は人が良すぎるくらいに優しい方だ。
「そ、それはそうかもしれないが、だが、私は貴女の状況と自分の立場を慮ったところ、貴女の夫に相応しい男とは言えない」
「どうして?」
私はこのチャンスを逃してはならないとケイツ様に詰め寄り、その手を取って、あざとく眉を寄せてみた。
ちなみに私はこの世界では、顔立ちこそは本来のものとそう大差ないが、年齢は十歳くらい若返り、プラチナの髪にアメジスト色の瞳を持つ異世界美女もどきにレベルアップしているのだ。
転生マジック凄すぎる。
「……聖女、ひより」
伸ばされた手を拒めないのだろう。ケイツ様は酷く困った顔をしていた。
「聖女だなんて、皆さんの買い被りですわ、きっと私はただの時の迷い人。どうか、ひよりと呼んで下さい、ケイツ様、ここで何も知らない私を守ってくださいますか?」
調子に乗った私はそう言ってケイツ様の青灰色の美しい瞳を覗き込んだ。
拒まれてもいい、だって推しは不遜の騎士だもの。
ヤンデレやツンデレ設定ウェルカムだなんて自分でもいい性格をしていると思う。
だけど、次の瞬間、ケイツ様の言葉に私は固まった。
「……だ、だがしかし、貴女も知っている通り、私は貴女が初めての女性というわけではないわけで、貴女に捧げろと命じられたのも俗物的な快楽で」
(なに、その俺は既に童貞じゃないですよアピール?必要??百戦錬磨だろう騎士団副隊長に……)
そう思いケイツ様を凝視した私は戸惑いに目を見開いた。
――えっ?
不遜なはずのケイツ様は今、明らかに羞恥に顔を歪めて、もうどうしたらいいのかわからない、という体で真っ赤になって俯いているのだ。
――えっ、えええ?なに、その可愛い反応
その瞬間胸をギュッと掴まれた気持ちになった。
――なにこれ、ギャップ萌え?
これは凄い、お姉さん、新たな扉、開いちゃうよ?
「だ、だだだ、大丈夫だよ?こう見えても私も、は、初めてってわけではないし、そこはお互い様ということで、ね?」
自分でも何が「ね?」なのかよくわからないが、そう言ってケイツ様に愛想笑いを浮かべてみる。
「……ひよりも?」
涙目のケイツ様にうんうんと頷く、なんだかとても悪い大人になった気分だ。
よく考えたら、ケイツ様は騎士団副団長とはいえ、恐らくはまだ二十歳過ぎという若者だ。
対して私は日本での実年齢は三十を目前にした干物女なのだから、この罪悪感は当然でもある。
ケイツ様はそんな私の真意を測るかのように、潤んだ青灰色の瞳で不安そうに私を見つめた。
――待って、ちょっと可愛いんですけど!
「……だけど、きっと私の経験は貴女とは違う」
そう憂いたように口にしたケイツ様は頭を抱え込んでしまった。
「もし、貴女の耳に他人の口からあることないこと情報が入ってしまったとしたら、もう、私は死ねる、あぁ、いっそこの場で消えてしまいたい」
その言葉に私はギョッとする。
「ちょ、そんなこと、言わないでよぉ!!」
当初、淡々と業務として私の警備と世話に徹していたように見えたケイツ様がこんなふうに動揺し始めたのは、私が今日のティータイムの席で、日本の結婚制度や、恋愛観を口にしてからのように思う。
あれからケイツ様は口数が極端に少なくなって、どこかソワソワと挙動不審な様子になった気がする。
それに気づいた私はしまったと思い取り繕った。
「あの、さ、さっき、私が言った結婚とか、恋愛とか、夫婦とかは、別に気にしてくださらなくてもいいのです!きっと私の来た国はこの世のものではないのですから、それならば、私がこの国の文化に合わせればいいだけの話ですから」
「しかし……」
この国の人には日本の結婚観は重過ぎたのかもしれない。
「ね……」
「でも……」
だけど、ケイツ様は萎縮したように固まるばかりで、あれからにこりともしない。
「そ、それでは、今度はケイツ様がこの国の事を私に教えて下さいませんか?私はどうしたら貴方を困らせずに仲良くやっていけるかしら?」
「仲良く……?」
ケイツ様はその言葉にピクリと反応してくれた。
私は嬉しくなって頷いた。
「そう、仲良く、楽しく?」
ケイツ様は美しい瞳を瞬かせて、唸るように俯いた。
「そ、そんなことは、初めて言われた、ひより、やはり貴方は本当に聖女、なんだな……」
そう言った瞬間、ケイツ様は優しい瞳で私を見つめた。不覚にもきゅんとした。しっかりするんだ三十路女。
「……ならば、少し、恥ずかしいけれど」
俯き加減に視線をそらしながらベッドの上でゴソゴソとしだしたケイツ様。
よく見るとその耳は真っ赤だ。
「……ひより、しばらく目を閉じていてもらえるだろうか?」
「は、はい」
私は言われるがまま瞳を閉じた。
「何を見ても、驚かないで欲しい」
「わ、わかりました」
「怖がられると、ちょっと傷つく……」
「ん、……んん?」
ションボリした口調に不安になった。
「もう、目を開けても構わない……」
その瞬間、私は引き攣ったまま、大きく息をのんだ、そして大いに咽せた。
「……だ、大丈夫?ひより、これはもう君のものだ、だから、君の好きに使ってくれて構わない」
そこには初めてみる規格外サイズの立派なイチモツが威風堂々と自らの存在の大きさを主張していた。
「ひっ、突然なにを---…!?」
――し、しかも、でっか!!なにそれ、デッカすぎるだろう?
長年の看護師勤めで、見慣れているはずの私から見ても異世界で片付けるには規格外の大きさだ、そして形が出来上がり過ぎている。
「ひより、これが、……生のディルドだよ?」
――ん?
少し恐れた様子でケイツ様が私をみつめる。
「ディ、ルド……?」
その異形の○ンコを見つめながら、その言葉を脳内で反芻する。
――――あっ、あああ、そうかディルドって
大人のおもちゃだよ、、私、馬鹿だぁぁ!!
「……やはり、ひよりは意味も分からず私をもらい受けてしまったんだね?」
「ケ、ケイツ様……」
「最初は、他の女性同様に私のチン○狙いだと思っていたのだが、そんな様子もないし……」
「チン○狙い?んな馬鹿な……」
私はその言葉の衝撃に目を見開いた。
「そうだね、君がそうじゃないことは、君の態度や価値観からなんとなくわかった、だけどね……」
ケイツ様は妖艶に笑った。
だけど、それはとても辛そうにも見えた。
「……これがこの国のディルドの役目、ディルドとしての役目を果たしている間の私は、ただの性欲処理の道具に過ぎない、自らの意思で君に触れることも許されない、貴女の国とは随分違うだろう、驚いたかい?」
そう言って自嘲するように笑うケイツ様に胸をぎゅっと締め付けられた。
「――そ、それでは」
「あぁ、守秘義務があるから、詳しくは言えないけど、僕は道具として随分といろんな女性の相手をしてきたよ、ちょっと口には出せないような身分の男に突然だけど使われたことだってある、だからひより、こんな私を汚いと思うなら、無理をする必要はない」
そう言われた私は黙り込んだ。
それをどう受け取ったのか、ケイツ様は痛そうに微笑んだ。
「ね、君の世界の夫というものとは、そもそも私は異質な存在だ……」
そう微笑むケイツ様は、笑っているのに泣きそうに見えて、それがとても悲しかった。
「それでは、この世界には、結婚そのものが存在しないと仰るのですか……」
そう問いかける私にケイツ様は困ったように答えた。
「そうではないけれど、あまりそういった制約が必要とされていないせいで一般的でないというか、現に女王陛下には王配殿下がいらっしゃる。高貴な方々は立場を背負って縁を結び、政略であるからこそ離縁は許されない。だからこそ、それ以外の男は物でなければならないと言えば、貴女にも分かってもらえるだろうか?」
意志の強そうな切れ長の目でそう口にするケイツ様。
閨以外では、王宮騎士団の副騎士団長としての務めも立派に果たして早くに昇進もされたというケイツ様。
昼は剣を持ち、夜も献身的にその身を捧げるケイツさまは、自分を人だと公言することすら憚っている。
こんなことがあっていいのだろうか?
――この世界もまた間違っている
だけど分からない、そんな自分とは相容れない他国の文化や価値観を尊重できない私もまた間違っているのだろうか。
だけど、今、ひとつだけわかることがある。
そんな垣根を全て壊して、こんな寂しい顔をさせてしまったケイツ様の心にまで近づいて、大丈夫と抱きしめたくなったのだ。
さっきまで耳を赤くしていたケイツ様が、今とても悲しそうに道具に徹しようとしている。
私は今、そんな、ケイツ様が愛おしくて、悲しくて、何故だかとても腹立たしい……
――あぁ、知ってるこの気持ち
たぶん、恋が始まろうとしているのだ。
しかも、きっと叶わないやつだ……
ドクンドクンと心臓が波打つのは、さっき侍女さんが「軽度の媚薬入りでごさいましたぁ!」と私達が飲んだ後で暴露した液体のせいではないと信じたい。
今目の前にあるケイツ様のこの滾りも、その幾分かは、私に対する好意に近い感情が混ざってのものだったらいいな、と密かに願う。
痛そうに滾ったそれを見つめた私は喉を鳴らした。
「ケイツ様……」
今、彼に触れることは彼を傷つけてしまうだろうか。
それとも、触れないことが傷つけてしまうだろうか。
――分からない
元にいた世界の性にまつわる行為が、全て愛に溢れたものだったかと問われたら、たぶんそれは否だと思う。
だけど、この行為は愛を伝える手段にできるものでもあるのだと私は信じていたかった。
そして、今、それが少しでも伝わればいいなと思う。
お互い、この行為によって失うものなど、きっと存在しないから。
私はケイツ様の前にそっと静かに膝をついた。
「――ひ、より?」
一瞬戸惑ったように淡い水色の瞳が開かれた。
月の光を受けて白銀に輝くその瞳でケイツ様は問いかけた。
「……使う、のか?」
戸惑ったように問うその言葉に私は小さく微笑みながら頷いた。
ケイツ様はそんな私に一瞬目を見開いたが、やがて、僅かに顔を綻ばせた。
「そうか……」
そしてはケイツ様は気遣うように私に言った。
「ひより、その小瓶に潤滑液があるから使ってくれ、この国秘伝のものだ、見ての通り、私は大きい、君が傷つくといけないから……」
その言葉に私は、瞳を曇らせた。
――ディルド
ピンク色の液体が入った小瓶を片手に私は内心顔を歪めた、本当にただの道具の様に扱われてきた過去が、ケイツ様のそんな一言から分かってしまったからだ。
――どうして?
そんな疑問が浮かんだ。
ケイツ様はそれでいいのだろうか?
どうしてこの世界の男女は愛し合おうとしないのだろうか。
私にはこの国のことはわからない。
だけど、心を決めた私は恥じらいを捨てて、ケイツ様の指先を握りしめて首を振った。
その瞬間、手放した瓶は何度かバウンドしながら、やがて鈍い音を立てながら絨毯に転がった。
「あっ……」
それを目で追い拾おうとするケイツ様を制した私は首を振った。
「――たぶん、必要ないと思うのです、あなたとなら」
「ひ、ひより?」
そう言って私は、ケイツ様の唇にそっと自らの唇を重ねた。そして柔らかくその唇を食んだ。
そんな私にケイツ様は驚きを隠せない様子で絶句している。
唇を離したその顔はタコのように真っ赤に変わった。
「ひ、ひより、なんてことを……、それは愛するもの同志の……」
「――いけませんか?」
「そ、そうではないけれど、わ、私は……」
顔を歪めるケイツ様の胸に私は、コツンと額を委ねた。
「ひより……」
「貴方は人、どんな時でも人なのです、同じ気持ちを、返して欲しいなんて言わないけど、それだけはわかってほしいから……」
「え……?」
見返りを求めてはいけない、この時、私はそう自分に戒めた。だけど、その時、悲しく寄せられたケイツ様の眉に私は気づけなかった。
「だから、証明させてください、ケイツ様は私にとってモノじゃないと、そんなわけないと……」
「ひ、ひより……、ちょ、待って……うっ……」
私は、ケイツ様のイチモツをそっと握り、覆いかぶさるように頭を下げて先端に唇を這わせた。
「うっ、まっ、ひより……なんてことを?止めろ、そんなことをしては君の唇が穢れてしまう」
「……穢れない、誰かを愛して、人は穢れたりしないから」
そう言った瞬間、ケイツ様は戦慄したように固まった。
「ケイツ様はそのままでも構いません、私に触れたくなければ触れなくていいです、だけど、ほら、私はこうして人としてのケイツ様にちゃんと触れたいのです……」
「だ、だからって……」
目を白黒させて狼狽するケイツさまに私は縋った。
「お願いですから……」
「あっ、ひより、ダメだ、そんなこと……」
私は懸命にケイツ様の熱くて硬いものを口に含んだ。
初めてではないけれど、上手く出来ているかはわからない。
「はっ、あっ、ひより、あぁ、ダメだ……」
興奮を何とか押し込めようと、懸命に自らの快感に抗うケイツ様を尻目に私は、肉茎への甘い口づけに夢中になっていった。
「…っ…ううっ!…」
「気持ちいいですか?…もっと、ですか?」
そう言って裏筋に舌を這わせて、先端に滲む先走りを舌先で舐め上げるとケイツ様は身を退け反らせた。
「あっ、あああ、ひより、ひより……」
余裕をなくしたケイツ様の手のひらが一瞬だけ私の後頭部に触れたが、ハッとしたケイツ様はその手を引っ込めて自らを支えるようにシーツにその指先を食い込ませた。
「あぁ、あああ、ダメだ、もう、私から離れてくれ、ひより、出てしまう」
苦痛と快楽に顔を歪めるケイツ様に私も興奮しているのだろう、下腹部の奥がやけに疼いてしまう。
「大丈夫、このまま……っ、ん、ぱっ………ん、」
「あ、そんな、馬鹿なこと……っ、君を、う、ううっ、あっああ!!」
やがて快感が弾けたようにケイツ様は私の口の中で果てた。濃い男の味が口に広がる。
それをゴクリと嚥下した瞬間、ケイツ様は石のように固まった。
「ま、まさかっ、飲み下したのか?」
まるで金魚のように口をパクパクさせるケイツ様。
涙目で頷きながら、笑みを返す私に興奮したのか、ケイツ様のイチモツは瞬く間に回復を見せた。
――これも薬のせいだろうか?
少しはそうでなかったらいいな、と願いながら、私は動けないでいるケイツ様に再び唇を重ねた。
「ひ、より……」
チュッ、チュッっと何度も、そして今度は次第に深く舌を絡め合った。ケイツ様はもう抵抗しなかった。
そして、自分が充分に濡れていることを知っていた私は、ケイツ様に跨って、少しずつ腰を沈めた。
「うっ、あっ、ひより……」
「……ケイツ、さま、っ……」
だけど、ケイツ様のイチモツは、異世界出身かつ経験値の低い私にはやはり規格外だと言わざるを得なかった。
その夜、何度か果敢に挑戦してはみたが、私にはケイツ様のイチモツを攻略することは叶わなかったのだ。
「…すまない、ひより」
「あやまらないで、ください」
こっちの方がなんだか申し訳なかった。
「あっ…」
そこにはどうしていいかわからず勃ち上がったままのチン○があった。
だから私は辛そうに腫れ上がったケイツ様の肉茎をもう一度丹念に愛撫して口淫で射精に導いた。
そして疲れきった私達は、淫らに晒した肌と肌をくっつけあって共に夜を過ごした。
「――おやすみなさい、ケイツ様」
「――おやすみ、ひより」
ちょっとくすぐったいような笑みを浮かべてそう名を呼んでくれたケイツ様の体は暖かく、とてもよい香りがした。
――少しだけ近づけたのだろうか
ケイツ様はその晩、寝入るまで私の頭を撫でてくれた。
まるで幼な子に触れるように…。
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