「OT転生!異世界でも作業療法は無敵です」

OT.deguchi

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第12話:資格ってなんだ。現場で人を救う者は、“偽者”なのか?

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公開討論の日。
舞台は、王立医療学会の中央ホール。

「では次の議題に移ります。
“魔法医療以外の治癒体系は、果たして医療と呼べるのか”――
作業療法士・佐倉悠斗氏を招いての意見交換を行います」

——いよいよ来た。癒術会、医師会、学者、そして数百の傍聴人。
異世界で無資格、異端者と呼ばれた俺が、ここで立たされてる。

壇上にいたのは、あのフォルティス医師。
プライドと地位の塊みたいなオーラをまとってる。

「まず、確認させていただきます。
佐倉殿、あなたはこの世界において、一切の魔法医療資格をお持ちではありませんね?」

「はい、ありません」

「では、そのような方が“医療の一端”を名乗る行為は、
無免許診療に該当すると考えられますが、いかがですか?」

ざわっ……と会場がざわめく。
マウント、早速来たな。

俺は、ゆっくりと壇の中央に立ち、声を上げる。

「その通り。俺はこの世界で資格を持っていない。
でも、“誰かの暮らしに寄り添い、再び動けるようにした”ことなら、いくつもあります。」

会場が静まり返る。

「元戦士の義肢訓練。
トラウマで寝たきりだった子供の社会参加。
王子・アリウス殿下の生活再建と、書籍出版」

「ほう、それは“医療”ではなく、“民間支援”と呼ぶべきでは?」

「なら聞かせてください」

俺はスッと、ポケットから紙を取り出す。

「この報告書は、俺が担当したクライアントの変化です。
歩けなかった人が再び畑に立ち、
絶望していた子が、毎日『明日何する?』と話してくれるようになった」

「それをもって、“医療”と呼ぶ根拠は?」

「簡単です。“その人の人生に、確かに回復が起きた”からです」

沈黙。

「資格は必要だ。俺もそれを否定しない。
でも、“資格がないから偽者”って決めつけていいんですか?
じゃあ聞く。“人の命や人生を救ったことのない者”でも、資格があれば“本物”ですか?」

ざわっ……と会場がざわつき、
遠くから声が上がる。

「俺、佐倉先生に助けてもらいました!」

立ち上がったのは、義足のトラル。

「農具の工夫、生活の訓練、心の支え、全部やってくれた!
“魔法で治せなかったオレ”を、前に進めてくれたのは先生です!」

続いて、フィリア、そして街の子供たち、元患者たちが次々と証言する。

会場の空気が変わった。
もう誰も、「無資格だから偽者」なんて言えない。

最後に、俺は言った。

「俺は、“資格のない医療者”かもしれない。
でも、“人生に向き合う支援者”としては、本物だ」

沈黙ののち、後方から――
ひときわ大きな拍手が響いた。

立ち上がっていたのは、王子・アリウスだった。

「俺が証明する。
佐倉悠斗は――俺を、生き返らせた医療者だ」

この日、“魔法だけが医療”という常識は、揺らぎ始めた。

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