「OT転生!異世界でも作業療法は無敵です」

OT.deguchi

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第28話:“できるようになる”だけがゴールじゃない。レンの選んだ未来

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Reforge・ヴィルド工房。
午前の訓練時間。
レンは、ゆっくりと炉のそばで金属板を見つめていた。

冷却道具、保護結界、ジークの付き添い――
安全策は整っている。でも今日、彼が自分から言った。

「……やってみたい。自分の“名前”を……刻んでみたい」

火の魔法で金属を軟らかくし、自作の刻印棒で名を打つ。
それは「火を扱う者」として、再出発の象徴だった。

ジーク:「やるか? 焦るなよ。火は急がなくていい」

レン:「……うん。わかってる。俺、“火と仲直りする”って決めたから」

***

その日、レンは見事に“自分の名前”を刻んだ。

だけど――その日の午後、彼はこう言った。

「悠斗先生。
……俺、“鍛冶屋”には、ならないかも」

俺:「……ほう。理由、聞いていい?」

レン:「うん。火と仲良くなれてうれしいけど、
俺、もっと“火に苦しんでる人の話、わかってやれる人”になりたい。
だから、“誰かのそばにいる人”になりたい」

俺は目を見開いて、ゆっくり笑った。

「……君、OT向いてるかもしれないな」

レンは照れくさそうに首を振る。

「まだ怖いことも多いけど……でも、“俺にも選べる未来”があるって、初めて思えた」

***

レンの“再出発”は、「火を扱えるようになること」じゃなかった。

“自分で、自分の生き方を選べるようになること”だった。

だからこそ、俺は報告書にこう書いた。

> 対象:レン=ミラージュ(12)
支援内容:トラウマ再統合訓練+選択型進路支援

成果:感情自己理解、感覚統制、環境下選択行動

評価:職業適性支援 終了。
今後は“自分の選んだ道を、どう歩むか”を見守る段階に入る。



OTにとって、“できるようにする”ことは支援の一部。
でも――“その先をどう生きるか”を選べるようにするのが、支援の本質だ。

そしてレンは今日も、Reforgeの片隅で、
新しく来た子どもに「火の音ってね、怖くないんだよ」って教えている。

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