「OT転生!異世界でも作業療法は無敵です」

OT.deguchi

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第57話:支援の“次の担い手”たち

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「支援を受けるだけで終わりたくない」――
最初にそう言ったのは、セリアだった。

不登校を経て、Reforgeに通いながら社会復帰のリズムを作ってきた彼女。
いまは週に2回、学校にも顔を出している。

そんな彼女が、フィリアに声をかけた。

「“誰かに声をかけられる側”だったのを、
今度は“誰かに声をかける側”になってみたいんです」

フィリアは目を細めてうなずいた。

「それって、“支援を引き継ぐ”ってことね。
……始めましょう、Reforgeサポーター制度」

***

始まったのは、“支援ではない関わり”の仕組み。
通所者に対し、元利用者たちが**「スタッフでも家族でもない第三の存在」として寄り添う**。

・声かけではなく、「ただ隣に座る」係
・困ったときに「先に相談できた人」リストに入ってもらう
・はじめて来た人への「この場所は安全だよ」カード手渡し係

セリアは、自分の役割をこう言った。

「“がんばらなくても大丈夫”って、顔だけで伝える人になりたいんです」

***

続いて、シラも動いた。

もともと“名前を隠していた”彼だからこそ、
匿名で来る人の“不安”を誰よりも理解できた。

彼の担当は、“匿名利用者の導線ナビゲート”。
言葉ではなく、静かな立ち居振る舞いで「ここにいていい」を示す存在。

ある日、無言で来た少年に、シラはカードだけを渡した。
そこにはたった一行――

> 「話さなくても、わかる努力は、こっちがするよ」



その少年は、しばらくじっとカードを見つめて、
黙ってうなずいた。

***

カンファレンスルームでは、新しい名前が記録された。

> 【支援協力スタッフ(補助・非正規)】
・セリア・ルーリィ(週2・支援サポーター)
・シラ・エルグレイン(匿名者支援ナビ)

【備考】
支援の“再受容”と“関係の再構築”を経た者による協力。
当事者支援循環モデルの試験運用を開始。



ノアは、その記録を見ながら言った。

「……“支援の成果”って、やっぱり“引き継がれること”なんですね」

フィリア:「そう。支援って“終わること”じゃないの。
“別の形で続いていくこと”なのよ」

悠斗が現場に残した言葉が、静かに胸に響く。

> 「俺がいなくなっても、支援が続くなら、それがいちばんいい」



***

夕方。
ノアは作業室で、セリアと新人の子の様子を見守っていた。

新人は言葉を発さないまま、机の下に隠れている。

セリアは、何も言わずにその隣にしゃがみ、
自分も床に座って、同じように机の下に入った。

ただそれだけで、
新人は少しだけ姿勢を起こし、彼女の顔を見た。

ノアは、そっと記録帳に書いた。

> 【行動記録】
支援者不在でも、安心形成が成立。
“共にいた時間”が、次の安心の土台になっている。



Reforgeは、もうひとりの支援者だけではない。
支えられてきた人たちが、今度は「支える側」に回り始めている。

それが、この場所の“成熟”だった。

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