「OT転生!異世界でも作業療法は無敵です」

OT.deguchi

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第59話:支援を“持ち出す”という選択

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王都教育庁の一室。
円卓を囲む数人の教師と支援者たちの中に、ノアとフィリアの姿があった。

テーマは――
「Reforgeモデルの学校内導入の可否」

教育局職員:「“支援”を外部施設だけで完結させるのではなく、
学校内に“Reforge的空気”を取り入れられないか。
今回はその実証実験の話です」

フィリアは少し黙ったあと、こう返した。

「それは、私たちが“支援を持ち出す覚悟”を問われているってことですね」

***

Reforgeはこれまで、“来た人に”支援してきた。
けれど、社会の中には、そもそも“来られない人”もいる。

ノア:「“来られない人”にも届く支援……。
それって、場所じゃなくて、“人”が届ける支援なんですね」

そこで提案されたのが、“Reforgeサテライト”。

特定の学校や地域施設に支援者を定期派遣

Reforge式の**“選べる空間づくり”や“対話カード”導入**

本人の意志が見えるまでは、評価も支援目標も設定しない


実現すれば、支援は「Reforgeの外」へと歩き出す。

フィリア:「でもこれ、失敗すれば“Reforge本体の信頼”も揺らぐ」

ジーク:「信頼ってのは守るもんじゃなく、賭けるもんだろ。
俺らが信じてる支援を、“どこまで持っていけるか”試してみる時だな」

***

その夜。ノアはReforgeの屋上でひとり空を見上げていた。

足音もなく、セリアが隣に立った。

「“支援を持ち出す”って、怖いよね。
外の世界には、まだ“支援が必要だと認めたくない人”もいるし」

ノア:「でも……もし、“あの子が来られなかった理由”が、
ただ“Reforgeが遠かったから”だったらって思うと……。
それだけで、届くかもしれない人がいるなら、やってみたいです」

セリア:「じゃあ、“Reforge持ち運び班”、発足だね」

ノアは笑った。

「ちょっとダサいけど……うれしいです、それ」

***

翌朝。Reforgeのホワイトボードに、新たな文字が追加された。

> 【Reforge Outreach(外部支援班)】
試験地域:王都第一学区 小学校区
担当:ノア(訪問支援)/セリア(同行・対話記録)

備考:Reforgeは場所ではなく、“支援のかたち”として広げていく。
「また来たくなる関係」を、“外の世界”にも届ける実験開始。



ノアは深呼吸をして、支援キットの入った鞄を肩にかけた。

「よし、行ってきます。“Reforgeの風”を、少し持って」

誰かのための場所を、今度は誰かのいる場所まで持ち運ぶ。
それが、Reforge第2章のはじまりだった。

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