14 / 46
#014 影は囁き駒を集める
しおりを挟む
先日の一件は、滑川の身柄を学園側に引き渡したことで、一応の決着を見た。……というのは表向きの話で、ゴールデンウィークの初日である今日、僕たちは生徒会室への呼び出しを食らっていた。
僕と杏那さんは当然として、今回の件で技術的な示唆を与えた鍔井くんも、参考人として同行することになった。
昼食を済ませ、重厚な扉の前に立つ。軽くノックをして中に入ると、そこには生徒会長の玖代静葉先輩をはじめ、副会長、書記、会計の四人が勢揃いしており、部屋の隅には、白衣姿の美王先生も控えていた。
「皆さん、お休み中にお呼び立てして申し訳ありません」
玖代会長が、穏やかながらもどこか張り詰めた表情で僕たちを迎える。
「さて、単刀直入に本題に入らせてもらうわ」
腕を組み、鋭い視線を僕に向けたのは、副会長の肆谷龍弥先輩だった。
「災難だったわね、七座。入学してたった二ヶ月で、こうも執拗に個人として襲撃されるなんて、前代未聞よ」
「はい……まさか、また命を狙われるなんて思いもしませんでした」
「たまたま三鳥先輩がご一緒だったから事なきを得ましたが、私の不在時を狙われたのは……不覚でしたわ」
杏那さんが悔しそうに唇を噛む。そんな彼女に対し、玖代会長は優しく首を横に振った。
「そんなに自分を責めることはありませんよ。それより、今は敵の情報を整理しましょう」
「……僕を狙ったあの男の背後にいた人物……いったい何者なんでしょうか」
僕の疑問に答えたのは、美王先生だった。
「恐らく、晴人くんたちが以前戦った連中の仲間でしょうね。あの後、捕まえた銃の男を少~しだけ尋問したら、あっさり吐いたわ。『我々は世界中に根を張り、裏から世界を支配する組織である』……なんてね。まあ、末端中の末端だったから、大した情報は得られなかったけど」
「世界中に構成員がいるとはいえ、よくもまあ、あんなピンポイントで七座に恨みを抱く人間を探し当てたものね。人間の思考を読み取る検索エンジンでも持っているのかしら」
副会長の肆谷龍弥先輩が、呆れたように呟く。
「……その可能性は、否定できません」
それまで黙っていた会計の襟間慧理先輩が、静かに口を開いた。
「人間の脳波パターンを読み取り、特定の感情――例えば『嫉妬』や『憎悪』といった思考を広範囲で検知・集積できるような装置を彼らが保有しているのであれば、組織の目的にとって都合のいい人間をリストアップすることは、理論上可能です」
「……相手は、想像以上に厄介な技術を持っているようね」
肆谷副会長が、苦々しく舌打ちをする。
「そんな巨大な組織が、本当に存在するんですね……」
「機術の発展は、人々の夢や希望を実現させてきた。その反面、人間の欲望を際限なく加速させたのも事実よ」
美王先生の言葉には、科学の最先端に立つ者としての重みがあった。
「その発展の果実を待ちきれない者たちが、人の道を外れてそういった組織に与するの。機術が進歩すれば、若返りや不老不死だって夢じゃない。限りある寿命の中で、彼らは焦っているのよ」
「本当に、悪魔の発明ですわね……。可能性が無限なだけに、今まで理性で抑え込んでいた欲望が、堰を切ったように爆発してしまった、というか」
杏那さんの言葉に、生徒会の面々も神妙な顔で頷いている。そんな中、僕は素朴な疑問を口にした。
「……彼らの野望は、砕かなくてはいけないものなんですか?」
僕の問いに、美王先生は静かに、しかしきっぱりと答えた。
「ええ。人間と科学は、決してどちらか一方が突出してはならない。手綱を失った科学は、いずれ人間そのものを飲み込んでしまうから。……なんてこと、昔、真角くんにもよく話して聞かせたわね」
「はい。科学は確かに素晴らしいものですが、それが有益な存在でいられるのは、それを用いる人々の倫理観があってこそです」
「いくら人々を幸福にできる夢の発明であろうと、その影で多くの人々が涙を流すというのなら、それは『悪』です。断固として止めなければなりません」
鍔井くん、そして玖代会長の言葉が、僕の中にあった漠然とした考えに、明確な輪郭を与えてくれる。
「私たちの学園の生徒に、既に被害が出ている以上、これを看過することはできません。……そこで、皆さんにお願いがあります」
玖代会長は、僕たち一人ひとりの顔を真っ直ぐに見つめて言った。
「現在、政府から私達、機術学園に対し、若者を標的としたこの一連の事件について、可能な限りの情報提供と協力を求める通達が来ています。これを受け、教師陣と我々生徒会だけでなく、七座晴人さん、漆館杏那さん、そして鍔井真角さん。あなた方三名にも、この調査にご協力いただきたいのです。先日、七座さんを襲った滑川さんのような事例が、今、日本中で多発しています。機術学園の受験に失敗した生徒を中心に、不登校や引きこもり、中には行方不明になるケースも報告されているのです」
「つまり……彼らを裏で操っている組織が、本格的に動き出したということですか」
「ええ。恐らく、私たちが保有する以上の高度な機術をちらつかせて、彼らの欲望を刺激し、組織の駒を増やしているのでしょう」
杏那さんの問いに、玖代会長が頷く。
「そういうことなら……協力させてください。せっかく手に入れたこの力を、こういう時に使わないのは、間違っていると思うから」
「僕も同感です。僕の研究開発能力が役立つのであれば、是非協力させてください」
「私もお手伝いさせていただきますわ。晴人さんがそう決めたのであれば、尚更のことです」
僕、鍔井くん、杏那さんが立て続けに意思を表明する。
「皆さん……本当に、ありがとうございます」
玖代会長が、深々と頭を下げた。
そして生徒会室を出る前、三鳥書記が不意にこんなことを尋ねてきた。
「……ねえ、晴人くん。もし作れるとしたらさ、人工的に理想の彼女とか、作ってみたいと思う?」
「そりゃあ……自分のためだけに生まれてきてくれた、オーダーメイドの美少女! なんて、全世界の男の子の夢だもん。作れるもんなら、作ってみたいよ」
そして僕は少し悪戯っぽく笑ってから、続けた。
「……けど、それってきっと、人命がどうとか、倫理がどうとか、面倒なことだらけなんだろうなって思う。それを考えたら、普通にモテる努力をした方が、よっぽど楽で健全だよね。……何より、今の僕には杏那さんも、美王先生も、そして生徒会の皆さんも……十分素敵な女性に囲まれてるし」
「……私も?」
「勿論ですよ。お堅い雰囲気が漂ってる中でこんなに明るく振る舞ってくれる三鳥書記の存在は、とても助かります」
「へへ、ありがとう!」
彼女のあっけらかんとした言葉に、僕は少しだけ救われたような気がした。
僕と杏那さんは当然として、今回の件で技術的な示唆を与えた鍔井くんも、参考人として同行することになった。
昼食を済ませ、重厚な扉の前に立つ。軽くノックをして中に入ると、そこには生徒会長の玖代静葉先輩をはじめ、副会長、書記、会計の四人が勢揃いしており、部屋の隅には、白衣姿の美王先生も控えていた。
「皆さん、お休み中にお呼び立てして申し訳ありません」
玖代会長が、穏やかながらもどこか張り詰めた表情で僕たちを迎える。
「さて、単刀直入に本題に入らせてもらうわ」
腕を組み、鋭い視線を僕に向けたのは、副会長の肆谷龍弥先輩だった。
「災難だったわね、七座。入学してたった二ヶ月で、こうも執拗に個人として襲撃されるなんて、前代未聞よ」
「はい……まさか、また命を狙われるなんて思いもしませんでした」
「たまたま三鳥先輩がご一緒だったから事なきを得ましたが、私の不在時を狙われたのは……不覚でしたわ」
杏那さんが悔しそうに唇を噛む。そんな彼女に対し、玖代会長は優しく首を横に振った。
「そんなに自分を責めることはありませんよ。それより、今は敵の情報を整理しましょう」
「……僕を狙ったあの男の背後にいた人物……いったい何者なんでしょうか」
僕の疑問に答えたのは、美王先生だった。
「恐らく、晴人くんたちが以前戦った連中の仲間でしょうね。あの後、捕まえた銃の男を少~しだけ尋問したら、あっさり吐いたわ。『我々は世界中に根を張り、裏から世界を支配する組織である』……なんてね。まあ、末端中の末端だったから、大した情報は得られなかったけど」
「世界中に構成員がいるとはいえ、よくもまあ、あんなピンポイントで七座に恨みを抱く人間を探し当てたものね。人間の思考を読み取る検索エンジンでも持っているのかしら」
副会長の肆谷龍弥先輩が、呆れたように呟く。
「……その可能性は、否定できません」
それまで黙っていた会計の襟間慧理先輩が、静かに口を開いた。
「人間の脳波パターンを読み取り、特定の感情――例えば『嫉妬』や『憎悪』といった思考を広範囲で検知・集積できるような装置を彼らが保有しているのであれば、組織の目的にとって都合のいい人間をリストアップすることは、理論上可能です」
「……相手は、想像以上に厄介な技術を持っているようね」
肆谷副会長が、苦々しく舌打ちをする。
「そんな巨大な組織が、本当に存在するんですね……」
「機術の発展は、人々の夢や希望を実現させてきた。その反面、人間の欲望を際限なく加速させたのも事実よ」
美王先生の言葉には、科学の最先端に立つ者としての重みがあった。
「その発展の果実を待ちきれない者たちが、人の道を外れてそういった組織に与するの。機術が進歩すれば、若返りや不老不死だって夢じゃない。限りある寿命の中で、彼らは焦っているのよ」
「本当に、悪魔の発明ですわね……。可能性が無限なだけに、今まで理性で抑え込んでいた欲望が、堰を切ったように爆発してしまった、というか」
杏那さんの言葉に、生徒会の面々も神妙な顔で頷いている。そんな中、僕は素朴な疑問を口にした。
「……彼らの野望は、砕かなくてはいけないものなんですか?」
僕の問いに、美王先生は静かに、しかしきっぱりと答えた。
「ええ。人間と科学は、決してどちらか一方が突出してはならない。手綱を失った科学は、いずれ人間そのものを飲み込んでしまうから。……なんてこと、昔、真角くんにもよく話して聞かせたわね」
「はい。科学は確かに素晴らしいものですが、それが有益な存在でいられるのは、それを用いる人々の倫理観があってこそです」
「いくら人々を幸福にできる夢の発明であろうと、その影で多くの人々が涙を流すというのなら、それは『悪』です。断固として止めなければなりません」
鍔井くん、そして玖代会長の言葉が、僕の中にあった漠然とした考えに、明確な輪郭を与えてくれる。
「私たちの学園の生徒に、既に被害が出ている以上、これを看過することはできません。……そこで、皆さんにお願いがあります」
玖代会長は、僕たち一人ひとりの顔を真っ直ぐに見つめて言った。
「現在、政府から私達、機術学園に対し、若者を標的としたこの一連の事件について、可能な限りの情報提供と協力を求める通達が来ています。これを受け、教師陣と我々生徒会だけでなく、七座晴人さん、漆館杏那さん、そして鍔井真角さん。あなた方三名にも、この調査にご協力いただきたいのです。先日、七座さんを襲った滑川さんのような事例が、今、日本中で多発しています。機術学園の受験に失敗した生徒を中心に、不登校や引きこもり、中には行方不明になるケースも報告されているのです」
「つまり……彼らを裏で操っている組織が、本格的に動き出したということですか」
「ええ。恐らく、私たちが保有する以上の高度な機術をちらつかせて、彼らの欲望を刺激し、組織の駒を増やしているのでしょう」
杏那さんの問いに、玖代会長が頷く。
「そういうことなら……協力させてください。せっかく手に入れたこの力を、こういう時に使わないのは、間違っていると思うから」
「僕も同感です。僕の研究開発能力が役立つのであれば、是非協力させてください」
「私もお手伝いさせていただきますわ。晴人さんがそう決めたのであれば、尚更のことです」
僕、鍔井くん、杏那さんが立て続けに意思を表明する。
「皆さん……本当に、ありがとうございます」
玖代会長が、深々と頭を下げた。
そして生徒会室を出る前、三鳥書記が不意にこんなことを尋ねてきた。
「……ねえ、晴人くん。もし作れるとしたらさ、人工的に理想の彼女とか、作ってみたいと思う?」
「そりゃあ……自分のためだけに生まれてきてくれた、オーダーメイドの美少女! なんて、全世界の男の子の夢だもん。作れるもんなら、作ってみたいよ」
そして僕は少し悪戯っぽく笑ってから、続けた。
「……けど、それってきっと、人命がどうとか、倫理がどうとか、面倒なことだらけなんだろうなって思う。それを考えたら、普通にモテる努力をした方が、よっぽど楽で健全だよね。……何より、今の僕には杏那さんも、美王先生も、そして生徒会の皆さんも……十分素敵な女性に囲まれてるし」
「……私も?」
「勿論ですよ。お堅い雰囲気が漂ってる中でこんなに明るく振る舞ってくれる三鳥書記の存在は、とても助かります」
「へへ、ありがとう!」
彼女のあっけらかんとした言葉に、僕は少しだけ救われたような気がした。
0
あなたにおすすめの小説
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる