謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める

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第115話 1537年 7歳 魚津城での出来事だぞ

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舟見城の戦後処理が終わった頃、魚津城明け渡しの日が来た。



色部と木杉、そして色部が連れてきた兵士十名を先行させる。

一時間後、舟見城の留守役五十名を残し、ほぼ全兵士で舟見城を出発した。



正門で家老・椎名重胤が色部達を出迎える。



家老

『色部様、奥のお部屋に金銀を揃えました。

 若様に一つお口添えお願い出来ないでしょうか?』



家老も困った末の苦肉の策なのだろう。



色部は家老を助けてやりたい気持ちになり、



色部

『若様に報告せねばならぬ。

 確認したい、案内致せ』



家老

『色部様、こちらでございます』



家老は奥の部屋の前で立ち止まる。



家老

『この奥でございます』



小部屋には大箱が一つ。

これが家老の言っていた金銀の箱だろう。



色部が大箱を開ける。



中は空。

何もない。



その瞬間――



家老はそそくさと自軍の兵の後ろへ下がる。

周囲の部屋のふすまが次々と開き、完全武装の兵が刀や手槍を構えていた。



色部は怒鳴り、抜刀する。



色部

『家老、これはどういうことか説明せい!』



家老

『やかましい。

 お前達を捕らえ、魚津城を確保する。

 者ども、かかれ!』



次々と椎名兵が色部達に襲いかかる。



色部兵十名。

椎名兵およそ三十。



数の差は大きい。



<包囲されたぞ>



色部

『木杉、無事か?』



色部は、若様から預かっている女性を気遣う。



色部兵

『木杉さん、逃げました!』



色部

『何だとーー』



女だ。

仕方ない。

今はこの場を切り抜けねばならない。



色部

『お前達、方陣を組め。

 来た方向へ強行突破だ!』



色部兵が色部を中心に固まる。

既に四名が倒れ、残り六名。



色部

『者ども、行くぞ!』



色部も奮戦する。



いつの間にか、兵は残り三名。



色部兵士

『殿、降伏しましょう!

 再戦の機会は必ずあります!』



そう叫んだ兵が、背後から斬られ、崩れ落ちた。



色部は迷う。



(若様は、俺が捕らわれるより、俺が死んだ方が怒る。

 ならば捕虜になるべきか…)



――降伏しようとした、その直前。





家老

『者ども、武器を捨てろ』



突然の家老の声。



色部も椎名兵も動きを止め、家老を見る。



家老の首には刀。

その背後には――



逃げたはずの木杉付子。



木杉

『色部様、手間取り申し訳ございません。

 家老を人質に、この場を脱出しましょう』



色部は周囲を見る。

自分の兵は、もういない。

長年苦労を共にした顔が脳裏をよぎる。



そして、目の前の家老へ怒りが込み上げる。



木杉は家老の膝に一撃を入れる。



木杉

『出口まで案内しなさい。

 色部様、私の後ろを守って下さい』



家老

『乱暴はやめてくれ。

 者ども、武器を捨てよ』



木杉は物陰に潜む兵を次々と見抜き、

家老に命じさせて武器を捨てさせる。



やがて正門へ。



木杉

『門を開けさせなさい』



再び膝蹴り。



家老の悲鳴と共に、正門が開く。



<若様到着>



正門の外――

そこに俺達がいた。



木杉が家老に刀を突きつけ、

色部が血に濡れた刀を構えている。



俺は一瞬で理解した。





『柿崎、魚津城を制圧しろ』



柿崎

『承知!』



家老は目隠しをされ、縄で縛られる。

何か叫んでいるが、気にしない。



色部から事情を聞く。



そして――

松倉城を落とす作戦が、頭の中で形になった。
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