謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める

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第116話 1537年 7歳 松倉城攻略するぞ

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23時。

この時代、見張り以外の大部分は眠っている。



家老の後ろには声真似の達人、黒子・清水新明。

家老の背に刃を当て、余計な声を出せば即座に終わると教え込んである。

無論、その刃は門番からは見えない。



さらに家老の後ろには、魚津城で要職にあった三人。

その背にも黒子が同じように控えていた。

北爺、木杉、大谷――いずれも息を殺している。



清水が家老の声を真似る。



清水(家老の声)

『大至急の案件だ。門を開けろ』



門番

『これはご家老様、この様な夜更けに如何されましたか』



清水

『お前に言う必要はない。門を開けろ。

 命が惜しければな』



門番

『開門、開門!』



正門が開く。



黒子達が素早く動き、要職にあった者達を無力化する。

続いて正門の内側を制圧。

声が上がる前に、城の入口は完全に押さえられた。



他の黒子三十名も、北爺の合図で続く。



闇に紛れ、重装歩兵五百名が静かに侵入する。



第二門。

再び清水の声真似で開門。

黒子が即座に制圧。



――もはや、立ちふさがる物はない。



<夜の潜入>



北爺、木杉、大谷が城内へ進む。

木杉の案内で、領主・椎名長常の寝所へ。



椎名長常は一人で寝ていた。

護衛の姿はない。



北爺が即座に確保する。



椎名長常は急な事態に青ざめる。



あとは刃を示し、残る兵の武装を解かせていく単純作業だ。



夜中の一時。

松倉城は完全に制圧された。



寝ていた兵は、訳も分からぬまま一室に集められ、拘束される。

見張りを残し、俺達もその場で休息に入った。





翌朝八時頃。

雷蔵が椎名長常を連れ、金山城へ向かう。



重装歩兵千名で金山城を包囲。

中の兵は二百ほど。

恐怖が伝わってくる距離だ。



椎名長常に開門を命じさせれば、金山城も落ちる。



――これで椎名の城はすべて掌中に入った。



<裁きの場>



俺は外の広場に、椎名長常と家老・椎名重胤を引き出す。



椎名長常

『全ての城を長尾家に献上する。

 何も要らぬ。坊主に出家する』



椎名重胤

『坊主になります。

 お慈悲をお恵み下さい』





『儂達が来た時点でそれを言っていれば、

 城の一つも任せてやれた。

 だが――手遅れである。

 死罪を申し付ける。

 それが最後の慈悲だ』



処断の準備が静かに整う。



椎名長常

『嫌じゃ……長尾為景様に連絡してくれ。

 お願い申す、お願い申す』



地に額を打ちつけ、必死に懇願する。





『色部、やるか?

 嫌なら空曹がやるが』



色部

『若様、有難うございます。

 我が兵の恨み、ここで晴らさせてもらいます』



色部が刀を抜く。

二人は背を向け逃れようとするが――



やがて、すべては終わった。



空曹の弟子達が無言で動き、場は静寂に戻る。





『色部、減った兵士は椎名の所から見どころのある者を選んでもよい』



色部

『有難うございます。

 我が兵を斬った者を雇いたくはないですが、

 良き者がいれば頂きます』





『すまんが、馬場信春が来るまで新川郡を色部に任せる』



色部

『承知致しました』
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