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20.魔力刀
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<『ハコニワ』より《魔力刀ネネ》が届きました>
「おっ、完成したな」
頼んでいた装備が完成した。
ネネの名前を冠した刀か。
じゃあネネ専用の武器ってことだよな。
(魔力刀ってなんだ?)
<魔力を帯びさせることで強度、切れ味ともアップさせることができます>
なるほど、凄い武器だな。
「ネネ。次からはこの武器を使ってみてくれ」
「これは剣ですか?」
「いや、俺がいたところでは刀といわれているものだ」
インベントリから《魔力刀ネネ》を取り出すとネネに渡す。
ネネは受け取ると鞘から刀を抜き確認する。
「これは……」
「ああ、ネネの専用武器で名前は《魔力刀ネネ》だ」
「そうなのですか。刃が片方にしかないのですね」
ネネがいた国では両刃の剣が主流らしい。
「俺がいた国の武器だな」
いわゆる日本刀で片側に刃があるタイプのものだ。
刃文は直刃(すぐは)といわれる模様がまっすぐなタイプ。
くわしくは知らないけど、下処理や焼き入れ具合で化学変化がおこり模様ができるようだ。
見ていると吸い込まれそうな美しさで見ていて飽きない。
『ハコニワ』職人がこだわって作ったのがわかる。
『分析』で『ハコニワ』にネネの情報が送ってあるので、大きさや握りやすさも問題ないはず。
「……凄い」
ネネはうっとりとした表情で刀を見入っている。
気に入ってくれたみたいだな。
「ネネ、使って見せてくれよ」
「はい。分かりました」
そういうとネネは少し離れた位置で刀を振りはじめる。
はじめはゆっくりと刀を振り軌道を確認しているようだ。
徐々にスピードが上がっていく。
手だけではなく身体全体を使って刀に命を吹き込む。
やはりネネの剣技は素晴らしい。
近づくことすら難しいのではと感じてしまう。
「ネネ、これを斬ってみてくれ」
近くにあった大きめの石をネネの上に放り投げる。
「はっ!」
ネネの放つ剣閃が正確に石を捕らえる。
刃が石に食い込むとなんの抵抗もないかのようにすり抜ける。
それが複数回にわたり、別々の角度から石に入る。
身体能力が強化されている俺でなければ見えないほどのスピードだ。
地面に落ちた石は衝撃でバラバラになる。
石の切り口は綺麗なもので、この技本当に出来る人いるんだと感心した。
もちろん刃こぼれもしていない。
刀を鞘に納めると近づいてきてネネは言う。
「すばらしい剣、いえ刀ですね」
「そうかよかった。ネネの技もすばらしかったよ」
不慣れな片刃の武器もすぐに自分のものにしていた。
あとは実戦で鍛え上げれば大幅に戦力アップできるだろう。
「鞘の方も特別らしいぞ」
鞘にも工夫がしてあり抜刀による攻撃をサポートしてくれるようだ。
ネネの技術と鞘による加速で尋常ではない抜刀スピードと威力が得られるとのこと。
「この魔力刀はネネ専用だからもらってくれ」
「ですが……」
複雑そうな表情で俺の顔を見つめる。
「レンヤさん、わたくしたちには払える代金はありませんわ……」
代わりにシーナが後を継ぐ。
「それでもネネにその刀を与えていただけるのでしょうか?」
王国から追い出された自分たちは後ろ盾も金もないと。
暗に言っている。
「ああ。構わない。ネネの為に作ったものだからな」
他の人間が使ったら『ハコニワ』職人も悲しむだろう。
「ありがとうございます。大切に使わせてもらいます」
そういうとネネは刀を大事そうに胸に抱える。
嬉しそうに笑うネネを見てると刀を作ってよかったと思う。
今度はシーナにも何か作るとしよう。
「狩りはここまでにしよう」
周りも暗くなってきたしお腹も空いてきた。
みんなの分の食事を用意する。
『ハコニワ』産の食事は美味しく概ね好評だ。
「この島でこんなに美味しいものが食べれるなんて」
「レンヤさんに会えてよかったですわ」
等々二人も満足そうだ。
もちろんスララとリトルも喜んでいる。
「そういえばシーナの国では魔獣の肉は食べるのか?」
「はい。種類にもよるのですけれど食べていましたわ」
なんでも人型以外の魔獣は結構食べていたらしい。
「ドラゴンなどはとても美味でしたわ」
滅多に手に入りませんでしたけどと。
味を思い出したのか、うっとりとした表情で微笑むシーナ。
余程美味しかったのだろう。
まだ出会ったことはないけど食べてみたい。
『ハコニワ』の料理人ならさらに美味しく調理してくれるはず。
「ドラゴンは結構いるのか?」
異世界では定番の魔獣だし、俺でも倒せるのか?
「それほど多くはないようですけれど、いるみたいですわ」
なんでも普通は住処の山にいて人里には滅多に降りてこないらしい。
長年生きているものは強力な魔獣となっているとのこと。
比較的若く、はぐれたドラゴンなどが運よく狩れるみたいだ。
まともに戦えば人間などひとたまりもない。
簡単に肉が手に入る訳ではないらしい。
シーナは元王族ということもあり食す機会があったのだろう。
肉が流通していて手に入ればいいけど。
積極的に肉の為に狩りにいくのもなんだしな……。
まあその前にこの島から脱出しないと始まらない。
二人を強くしてそして俺も強くなる、まずはそこからだ。
「おっ、完成したな」
頼んでいた装備が完成した。
ネネの名前を冠した刀か。
じゃあネネ専用の武器ってことだよな。
(魔力刀ってなんだ?)
<魔力を帯びさせることで強度、切れ味ともアップさせることができます>
なるほど、凄い武器だな。
「ネネ。次からはこの武器を使ってみてくれ」
「これは剣ですか?」
「いや、俺がいたところでは刀といわれているものだ」
インベントリから《魔力刀ネネ》を取り出すとネネに渡す。
ネネは受け取ると鞘から刀を抜き確認する。
「これは……」
「ああ、ネネの専用武器で名前は《魔力刀ネネ》だ」
「そうなのですか。刃が片方にしかないのですね」
ネネがいた国では両刃の剣が主流らしい。
「俺がいた国の武器だな」
いわゆる日本刀で片側に刃があるタイプのものだ。
刃文は直刃(すぐは)といわれる模様がまっすぐなタイプ。
くわしくは知らないけど、下処理や焼き入れ具合で化学変化がおこり模様ができるようだ。
見ていると吸い込まれそうな美しさで見ていて飽きない。
『ハコニワ』職人がこだわって作ったのがわかる。
『分析』で『ハコニワ』にネネの情報が送ってあるので、大きさや握りやすさも問題ないはず。
「……凄い」
ネネはうっとりとした表情で刀を見入っている。
気に入ってくれたみたいだな。
「ネネ、使って見せてくれよ」
「はい。分かりました」
そういうとネネは少し離れた位置で刀を振りはじめる。
はじめはゆっくりと刀を振り軌道を確認しているようだ。
徐々にスピードが上がっていく。
手だけではなく身体全体を使って刀に命を吹き込む。
やはりネネの剣技は素晴らしい。
近づくことすら難しいのではと感じてしまう。
「ネネ、これを斬ってみてくれ」
近くにあった大きめの石をネネの上に放り投げる。
「はっ!」
ネネの放つ剣閃が正確に石を捕らえる。
刃が石に食い込むとなんの抵抗もないかのようにすり抜ける。
それが複数回にわたり、別々の角度から石に入る。
身体能力が強化されている俺でなければ見えないほどのスピードだ。
地面に落ちた石は衝撃でバラバラになる。
石の切り口は綺麗なもので、この技本当に出来る人いるんだと感心した。
もちろん刃こぼれもしていない。
刀を鞘に納めると近づいてきてネネは言う。
「すばらしい剣、いえ刀ですね」
「そうかよかった。ネネの技もすばらしかったよ」
不慣れな片刃の武器もすぐに自分のものにしていた。
あとは実戦で鍛え上げれば大幅に戦力アップできるだろう。
「鞘の方も特別らしいぞ」
鞘にも工夫がしてあり抜刀による攻撃をサポートしてくれるようだ。
ネネの技術と鞘による加速で尋常ではない抜刀スピードと威力が得られるとのこと。
「この魔力刀はネネ専用だからもらってくれ」
「ですが……」
複雑そうな表情で俺の顔を見つめる。
「レンヤさん、わたくしたちには払える代金はありませんわ……」
代わりにシーナが後を継ぐ。
「それでもネネにその刀を与えていただけるのでしょうか?」
王国から追い出された自分たちは後ろ盾も金もないと。
暗に言っている。
「ああ。構わない。ネネの為に作ったものだからな」
他の人間が使ったら『ハコニワ』職人も悲しむだろう。
「ありがとうございます。大切に使わせてもらいます」
そういうとネネは刀を大事そうに胸に抱える。
嬉しそうに笑うネネを見てると刀を作ってよかったと思う。
今度はシーナにも何か作るとしよう。
「狩りはここまでにしよう」
周りも暗くなってきたしお腹も空いてきた。
みんなの分の食事を用意する。
『ハコニワ』産の食事は美味しく概ね好評だ。
「この島でこんなに美味しいものが食べれるなんて」
「レンヤさんに会えてよかったですわ」
等々二人も満足そうだ。
もちろんスララとリトルも喜んでいる。
「そういえばシーナの国では魔獣の肉は食べるのか?」
「はい。種類にもよるのですけれど食べていましたわ」
なんでも人型以外の魔獣は結構食べていたらしい。
「ドラゴンなどはとても美味でしたわ」
滅多に手に入りませんでしたけどと。
味を思い出したのか、うっとりとした表情で微笑むシーナ。
余程美味しかったのだろう。
まだ出会ったことはないけど食べてみたい。
『ハコニワ』の料理人ならさらに美味しく調理してくれるはず。
「ドラゴンは結構いるのか?」
異世界では定番の魔獣だし、俺でも倒せるのか?
「それほど多くはないようですけれど、いるみたいですわ」
なんでも普通は住処の山にいて人里には滅多に降りてこないらしい。
長年生きているものは強力な魔獣となっているとのこと。
比較的若く、はぐれたドラゴンなどが運よく狩れるみたいだ。
まともに戦えば人間などひとたまりもない。
簡単に肉が手に入る訳ではないらしい。
シーナは元王族ということもあり食す機会があったのだろう。
肉が流通していて手に入ればいいけど。
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