異世界に飛ばされたけど『ハコニワ』スキルで無双しながら帰還を目指す

かるぼな

文字の大きさ
42 / 94

42.海賊

しおりを挟む
「この船だったら直ぐにどこかの大陸に着けそうですわね」
「ああ、確かにな。まあ通常は帆船タイプで行くけど、陸地が見つからない場合は魔導タイプに変えて陸地を探そうか」

 魔導炉を使った航行は、のんびりした旅には向かないだろう。
 緊急性の高い時に使っていきたいと思う。

 ところで二人が戦っていたエッジフィッシュは『硬化』というスキルを持っていた。
 たまにスキル持ちがいるから取りこぼしがない様に注意しないと。
 今回は自動分析で獲得できたみたいだ。
 なかなかいいスキルかもしれない。

 『硬化』強度が上がる。

 エッジフィッシュの口がナイフのように鋭く硬かったのは、このスキルのおかげなんだろう。

「スキルは色々とあるんだな」
「そうですわね。わたくしもどれぐらいの数あるのか知りませんわ」
「私もどれぐらいあるのか見当もつきません」

 魔法と言われる属性のスキルとは別に、様々な恩恵があるスキルは無数にある。
 俺が獲得したスキルもかなりの数になった。
 シーナとネネが総数を知らないとなると、まだまだ沢山のスキルがあるのだろう。
 スキル集めも旅の目的の一つとしているので、どんどん獲得していきたい。


(にんげんがいるよー)

 近くに来たスララの分体が教えてくれる。

 いまスララはリトルに乗って辺りを偵察中だ。
 船にいるのも暇なのか好奇心が強いのか、二匹で周囲を探検しにいくといって飛んでいった。
 そしてしばらくしてから人間を見つけたようだ。
 小さな島はあるけど一面が海だから多分、船に乗っている人間を発見したということだとおもう。

「近いのか、スララ?」

(んー、けっこうはなれてる)

 周りを見渡した感じ人影は見えないので距離はありそうだ。

「スララ案内頼む!」

(はーい。あっちだよ)

 ちょこんと小さな手が胴体から出て方向を示してくれる。

「レンヤさん、どうかされたのですか?」

 スララと話していたのが気になったのかシーナが話しかけてくる。

「ああ、スララとリトルが人間を発見したみたいなんだ」
「そうなんですわね。陸地が見つかったのでしょか?」
「いやたぶん船だと思う。行ってみよう」

 いま《魔導船》は帆船タイプだ。
 風が出てきたので練習も兼ねてこのままでいきたいとおもう。

 実は魔力があるこの世界では風の流れが見やすい。
 風の中にある微小な魔力が流れを教えてくれる。
 さらに《魔導船》は俺の魔力で各部位を操作しているので風を捉えるのが上手い。
 つまりスピードも出るし動きも滑らかだ。

 スララが示した場所まであっという間に着く。

「あれか」
 
 発見した人数は結構な数だ。

 パッと見た感じだと海賊に沈めかけられている商船っていうところか。
 魔法でやられたのか商船からは黒い煙が出ている。 
 そこに何本ものロープがかけられていて、荷物を奪い海賊船に運び込んでいるようだ。
 略奪の最中なのだろう。
 海賊船にはロープに縛られた人が数人見える。
 たぶんあれが商人たちなのだろう。
 略奪され身柄も捕らえられたそんな感じだ。

「酷いことしますわ」
「本当ですね……」

 シーナとネネが嫌悪感をあらわにする。
 この世界では日常的にこのような事が、おこなわれているのかもしれない。
 剣と魔法の世界では強者が弱者をいたぶることなど、現代社会より顕著に起こるはずだ。
 
 見なかったふりをするのは簡単なんだろうけど、夢見が悪いし今は助けられる力を持っている。
 助けることができるなら助けたい。
 自分の素直な気持ちだ。

「助けに行くぞ!」
「はい。もちろんですわ!」
「はい。行きましょう!」

 直ぐに同意してくれた二人を頼もしく思うし嬉しくもおもう。
 価値観が合う仲間はいい。

 こちらに気づいたのか小型の海賊船が一艘近づいてくる。
 俺は大きく弧を描きながら海賊船と対峙する。
 威嚇なのか当てる気なのかわからないけど海賊船から数発、魔法が放たれた。
 ドン! ドン! と水柱が上がる。

 俺は《魔導船》を操り躱していく。
 こんな時反応が早く小回りが効く船はいい。
 
(うっていいっすか?)

 口を開けて今にも魔法を発射しそうなリトルが俺に確認を求める。
 一応リトルも人間相手だと確認してくれるようになったみたいだ。
 魔獣相手だったらとっくに打っているだろう。

 もちろんオッケーだ。
 話し合いもなくいきなり打ってくる相手に容赦も必要ない。
 
「いいぞリトル!」

 その瞬間リトルの口から放たれた魔法は凄まじいものだった。
 放たれたのは『炎弾』。
 1600までレベルが上がったリトルが放つ『炎弾』は今まで俺が見た中で最強のものだった。

「「「!?」」」

 ゴーッと勢いよく飛び出した『炎弾』はあっという間に海賊船に着弾すると爆発と共に大きな火柱が上がる。

「「「ぐああああああ……ぁぁ」」」
「「「ぎゃあああああ…ぁぁ」」」

 海賊船で叫び声がしたけど、あの業火の中で生きているものはいないだろう。
 リトルの放った一撃は跡形もなく海賊船を蒸発させた。
 何も残さず破壊するとは恐ろしい。

 リトルの放った『炎弾』の衝撃で波が激しく立ったけど《魔導船》を操作してその波に上手く乗る。

 俺たちは商船を拿捕した海賊船に近づいていく。
 先程の海賊船より明らかに大きい。
 こちらが本船なのだろう。

 そのまま横をすり抜けると俺はいう。

「ちょっと行ってくる!」

 俺は甲板を蹴り空中へ飛び出した。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

処理中です...