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79.指揮官
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冒険者の彼らが弱かった訳ではない。
キラービーの厄介さが際立った戦いだった。
数の多さプラス、近距離と遠距離からの攻撃。
じわじわと体力が削られ、倒しても一向に数が減らないとなれば、苦戦してもおかしくはない。
「気持ち悪いですわ」
「はい。気味が悪いですね」
ブブブと羽音させて飛ぶ巨大な蜂は不気味だ。
昆虫然とした体躯が生々しい。
シーナとネネが言うのもうなずける。
針を飛ばす攻撃は針の形をした魔力を飛ばしてくると言った方が正確かもしれない。
針を放っても尻に針は残っているので、そう言うことなのだろう。
一匹が何回も毒持ちの針を遠距離から打ち込んでくる。
それが何十、何百匹もいるからたまったものではない。
先の冒険者達が根負けしたのも仕方がないことなのかもしれない。
そんな攻撃を俺達は魔導具で防いでいる。
アヤメから買ったそれは俺達の周りにドーム型の魔力の壁を作ってくれる。
使用する術者の魔力によって壁の耐久力が変わるらしい。
今はネネに持たせているけど、針の攻撃を問題なくシャットアウトしている。
「魔力は大丈夫かネネ?」
「はい。大丈夫です!」
使用するには魔力が必要だからな。
魔力管理は必須だ。
さらにこの魔導具は『ハコニワ』に入れて改造を施した。
相手の攻撃を防ぐだけではなく、こちらの攻撃は抵抗なく外に撃ち出すことができるようにした。
どんな理屈でそんなことができるのか知らないけど『ハコニワ』が可能としてくれた。
なんとも都合のいい能力だ。
安全圏から攻撃を放てるのは安心感がある。
シーナは魔法での攻撃。
《共鳴の腕輪》により放った魔法が腕輪にコピーされ再度魔力なしで使用することができる。
これによりシーナは倍の魔法を打つことが可能だ。
魔力は時間が経てば回復してくるので、限界まで魔法を使い魔力が尽きたらコピーを使用するなんてこともできる。
その間に少しでも回復すれば更に弾数が増えるだろう。
俺は《魔弓》での攻撃だ。
魔力の矢が放てる魔導具だけど魔法との違いはそのバリエーションの多さだろう。
通常魔法は光なら光系の攻撃になる。
でも《魔弓》ならその場で属性が切り替えられる。
「はっ!」
自分が持っている属性なら込めれば矢が出来るので簡単だ。
相手の弱点を探る時とかには便利かもしれない。
『鑑定』使えばいいのでは、なんてことは言いっこなしだ。
さらに同時に別の属性の矢を放ったり、軌道を曲げたり、回転を加えたりと色々だ。
「何でもありなんですわね。レンヤさんの魔導具は……」
シーナも少し呆れ気味だ。
俺達は魔法と魔導具でキラービー達を押し返していく。
ここら辺にいる偵察蜂なら全く問題ない。
前進していくと強力な魔力を纏った個体が向かってくるようになった。
「ガギイイイーン!」
ネネの張っている魔力の壁に突進していきて凄い音を立てる。
放ってくる針より威力があるようだ。
それに可能性を見出したのか、キラービー達の突進してくる数がどんどん増えていく。
「ま、前が見えませんわ!」
次々とやってくるので視界が塞がれる。
ついに全方位から魔力の壁にぶつかり始めた。
しかしネネの張っている壁は耐えている。
市販品の魔導具とは言っても『ハコニワ』改良版だから耐久性はあるようだ。
当初に比べるとネネの魔力も大幅に増えている効果も大きい。
「ずいぶんと統制された動きだな」
「そうですわね。指揮官のような存在がいるのでしょうか?」
「たぶんな」
攻撃の変化、こちらの弱点を探る動きなど単体で動いているとは考えにくい。
指揮している個体がいるのだろう。
「探ってみるか」
俺は狙いをつけずに放射状に矢を放つ。
一気に複数のキラービーが光の粒子となり消える。
散弾銃のようなイメージだ。
するとキラービー達は俺の射線上から距離をとり攻撃を避ける動きをとる。
味方が大量にやられてもパニックになっている個体はいないし、やはり統制されているようだ。
(『探知』!)
俺は探知の範囲を広げる。
近くに指揮をしている奴はいないからな。
「いた! 巣の近くだ!」
たぶん指揮官はあいつだろう。
その個体はそれ程大きくない。
偵察蜂より一回り小さいぐらいだ。
だけど纏っている魔力は比べものにならないぐらい強い。
巣の近くにいて皆に指示を与えているようだ。
「あいつを狙ってみる!」
「「!?」」
まだ距離があるけど《魔弓》なら問題ないだろう。
届く距離だ。
俺は両手に魔力を込め弦を引き絞るとイメージする。
長距離攻撃できる矢を。
スナイプ用のライフルみたいだな。
《魔弓》は魔力で長くなり矢も合わせて長く太くなる。
シーナは俺の射線上にいるキラービーを魔法で減らしていく。
さすがはシーナだ。気が利く。
「はっ!」
『探知』で捉えている指揮官個体に向かい矢を放つ。
込められた魔力は今までの比ではなく強力だ。
凄まじいスピードで向かっていく。
射線上にいるキラービーは一瞬で消滅。
だけど巣の近くにいる巨大な個体が複数、指揮官の間に入り矢の軌道を少しずつ変える。
矢は指揮官から外れ彼方に消えていく。
「外された! やるな!」
間に入った個体も無事だ。
魔力でガードしていた。
でもこれではっきりした、あの個体が指揮して矢の軌道をずらしたのだろう。
あいつが指揮官で間違いない。
キラービーの厄介さが際立った戦いだった。
数の多さプラス、近距離と遠距離からの攻撃。
じわじわと体力が削られ、倒しても一向に数が減らないとなれば、苦戦してもおかしくはない。
「気持ち悪いですわ」
「はい。気味が悪いですね」
ブブブと羽音させて飛ぶ巨大な蜂は不気味だ。
昆虫然とした体躯が生々しい。
シーナとネネが言うのもうなずける。
針を飛ばす攻撃は針の形をした魔力を飛ばしてくると言った方が正確かもしれない。
針を放っても尻に針は残っているので、そう言うことなのだろう。
一匹が何回も毒持ちの針を遠距離から打ち込んでくる。
それが何十、何百匹もいるからたまったものではない。
先の冒険者達が根負けしたのも仕方がないことなのかもしれない。
そんな攻撃を俺達は魔導具で防いでいる。
アヤメから買ったそれは俺達の周りにドーム型の魔力の壁を作ってくれる。
使用する術者の魔力によって壁の耐久力が変わるらしい。
今はネネに持たせているけど、針の攻撃を問題なくシャットアウトしている。
「魔力は大丈夫かネネ?」
「はい。大丈夫です!」
使用するには魔力が必要だからな。
魔力管理は必須だ。
さらにこの魔導具は『ハコニワ』に入れて改造を施した。
相手の攻撃を防ぐだけではなく、こちらの攻撃は抵抗なく外に撃ち出すことができるようにした。
どんな理屈でそんなことができるのか知らないけど『ハコニワ』が可能としてくれた。
なんとも都合のいい能力だ。
安全圏から攻撃を放てるのは安心感がある。
シーナは魔法での攻撃。
《共鳴の腕輪》により放った魔法が腕輪にコピーされ再度魔力なしで使用することができる。
これによりシーナは倍の魔法を打つことが可能だ。
魔力は時間が経てば回復してくるので、限界まで魔法を使い魔力が尽きたらコピーを使用するなんてこともできる。
その間に少しでも回復すれば更に弾数が増えるだろう。
俺は《魔弓》での攻撃だ。
魔力の矢が放てる魔導具だけど魔法との違いはそのバリエーションの多さだろう。
通常魔法は光なら光系の攻撃になる。
でも《魔弓》ならその場で属性が切り替えられる。
「はっ!」
自分が持っている属性なら込めれば矢が出来るので簡単だ。
相手の弱点を探る時とかには便利かもしれない。
『鑑定』使えばいいのでは、なんてことは言いっこなしだ。
さらに同時に別の属性の矢を放ったり、軌道を曲げたり、回転を加えたりと色々だ。
「何でもありなんですわね。レンヤさんの魔導具は……」
シーナも少し呆れ気味だ。
俺達は魔法と魔導具でキラービー達を押し返していく。
ここら辺にいる偵察蜂なら全く問題ない。
前進していくと強力な魔力を纏った個体が向かってくるようになった。
「ガギイイイーン!」
ネネの張っている魔力の壁に突進していきて凄い音を立てる。
放ってくる針より威力があるようだ。
それに可能性を見出したのか、キラービー達の突進してくる数がどんどん増えていく。
「ま、前が見えませんわ!」
次々とやってくるので視界が塞がれる。
ついに全方位から魔力の壁にぶつかり始めた。
しかしネネの張っている壁は耐えている。
市販品の魔導具とは言っても『ハコニワ』改良版だから耐久性はあるようだ。
当初に比べるとネネの魔力も大幅に増えている効果も大きい。
「ずいぶんと統制された動きだな」
「そうですわね。指揮官のような存在がいるのでしょうか?」
「たぶんな」
攻撃の変化、こちらの弱点を探る動きなど単体で動いているとは考えにくい。
指揮している個体がいるのだろう。
「探ってみるか」
俺は狙いをつけずに放射状に矢を放つ。
一気に複数のキラービーが光の粒子となり消える。
散弾銃のようなイメージだ。
するとキラービー達は俺の射線上から距離をとり攻撃を避ける動きをとる。
味方が大量にやられてもパニックになっている個体はいないし、やはり統制されているようだ。
(『探知』!)
俺は探知の範囲を広げる。
近くに指揮をしている奴はいないからな。
「いた! 巣の近くだ!」
たぶん指揮官はあいつだろう。
その個体はそれ程大きくない。
偵察蜂より一回り小さいぐらいだ。
だけど纏っている魔力は比べものにならないぐらい強い。
巣の近くにいて皆に指示を与えているようだ。
「あいつを狙ってみる!」
「「!?」」
まだ距離があるけど《魔弓》なら問題ないだろう。
届く距離だ。
俺は両手に魔力を込め弦を引き絞るとイメージする。
長距離攻撃できる矢を。
スナイプ用のライフルみたいだな。
《魔弓》は魔力で長くなり矢も合わせて長く太くなる。
シーナは俺の射線上にいるキラービーを魔法で減らしていく。
さすがはシーナだ。気が利く。
「はっ!」
『探知』で捉えている指揮官個体に向かい矢を放つ。
込められた魔力は今までの比ではなく強力だ。
凄まじいスピードで向かっていく。
射線上にいるキラービーは一瞬で消滅。
だけど巣の近くにいる巨大な個体が複数、指揮官の間に入り矢の軌道を少しずつ変える。
矢は指揮官から外れ彼方に消えていく。
「外された! やるな!」
間に入った個体も無事だ。
魔力でガードしていた。
でもこれではっきりした、あの個体が指揮して矢の軌道をずらしたのだろう。
あいつが指揮官で間違いない。
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