異世界に飛ばされたけど『ハコニワ』スキルで無双しながら帰還を目指す

かるぼな

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91.闇

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 放たれた光の弾がナリーの脇を抜けシーナに届く。
 死角から飛び出してきたそれをシーナは魔力を纏った手で払いのける。

「んっ!」

 追撃のナリーの蹴りを受け止め、攻撃に転じるも光の弾がそれを許さない。

「くっ!」

 そうなるとシーナは防御に専念せざるを得ない。
 武器を持たないネネも似たようなものだ。
 シーナとネネに同時に複数の『光弾』を打ち込むのは『並列』を使えば簡単にできる。
 隙を付くように俺は打ち込んでいく。

「大したものだな二人とも」

 ライドがそんな感想を漏らす。

「ああ、上手く対処しているな」

 ネックレスによる魔力と体への負担を我慢しながらなんとか戦えている。
 ナリーとマリーはいい練習相手かもしれない。
 体は小さいけれどバネがありパワー溢れる攻撃を仕掛けてくる。
 
 ハンデがありながら岩をも砕く攻撃を捌いているのだからシーナとネネは大したものだ。

「お姉ちゃん達もつよいんだねー」
「つよいよねー」

 ナリーとマリーも楽しそうだし、いい修行相手ができて良かった。
 いつもと違うハンデを背負いながら戦えばシーナとネネのレベルアップも早いはずだ。
 そんな二人の修行を手伝いながら俺は別の事も考える。

 今回魔人のゲオンからスキルも得た。
 『炎塊』という見たことのないものだ。
 まあゲオンが使った炎の岩を見ると初めからあの大きさなのだろう。
 『弾』とは違い『塊』は広範囲の攻撃ようなのかもしれない。
 さっそく全属性に反映してみる。

 ―属性スキル―
 『風』(纏・盾・弾・刃・矢・槍・牙・塊)
 『炎』(纏・盾・弾・刃・矢・槍・牙・塊)
 『水』(纏・盾・弾・刃・矢・槍・牙・塊)
 『土』(纏・盾・弾・刃・矢・槍・牙・塊)
 『光』(纏・盾・弾・刃・矢・槍・牙・塊)
 『毒』(纏・盾・弾・刃・矢・槍・牙・塊)
 『麻痺』(纏・盾・弾・刃・矢・槍・牙・塊)
 『重力』(纏・盾・弾・刃・矢・槍・牙・塊)
 『雷』(纏・盾・弾・刃・矢・槍・牙・塊)

 なかなかいいんじゃないかな。
 どこで使うんだっていうものが結構あるけど、出来る事が増えていくのは嬉しい。
 『毒塊』なんて使ったら周りの迷惑でしかないだろうけど。

 あとは『影動』だな。

 『影動』探知内ならMP5000で影の中を移動できる。

 使用MPは俺の場合問題ないとして、影の中を移動できるって。
 とりあえずやってみる。

 発動すると先ず自分の影に入っていく感じだ。
 ずぶずぶと自分の体が足から入っていき、次に出たい場所に頭から出る。
 
 ゲオンが『影動』を使ったとき蹴り上げられたのは、影に入ろうとした瞬間に攻撃したからだろう。
 だから顔面を蹴ることになってしまった。

 『転移』で十分な気もするけど、これはこれで便利かもしれない。
 『変化』で作った魔力の手で、戦っているシーナとネネの足を影から掴んだりもできる。

「「!?」」

 シーナとネネは嫌な予感がしたのか何も言ってないのに反応する。
 察しのいいことだ。
 まあ今はやらないから安心してくれ。
 
 上手いこと使えれば戦力になるだろう。

 『風弾』を影の中に打ち込み違うところから出す。
 魔法の攻撃も移動してくれるみたいだ。

「レンヤは器用な事するな」

 ライドがそんなことを言ってくる。

「器用? どういう事だ?」
「普通は同時に違うスキルを発動できないからな。レンヤは特別なんだな」

 たしかに連続では出来ても同時にスキルを使っている者は見たことないか。
 それだけ『並列』スキルは優秀ってことだな。

 その時、『探知』に引っかかる者がいる。
 どうやら空からこちらに来るようだ。
 
 見上げると翼を持った二人がこちらに降りてくる。
 降り立った二人の男は竜人だ。
 やっぱり竜人は飛べるんだな。
 羽はお飾りじゃなかった。

 じつは俺が組み合わせて作った飛行スキルは『飛翔』としてスキル認定された。
 これからは『飛翔』を使えば俺も自由に飛べる。

「おいライド! こいつら人間じゃないか。なんでこんなところにいるんだ?」
「ああ、この人たちは俺の客人だ」
「客人? 人間がか? 相変わらずお前は変わっているな」

 どうやらこいつらにはあまり歓迎されていないみたいだ。

「そうか? 竜人も人間もそう変わらないだろ?」
「ふん、まあいい。例の所には近づけさせるなよ」

 そういって俺達を一瞥すると、二人の竜人は水晶のある場所に向かっていく。
 しばらくして俺はいう。

「俺達に水晶を見せて良かったのか?」
「ん? ああ、問題ないよ。嫌な思いをさせたな」
「いや、それは構わないけど随分と人間を嫌っているみたいだな」
「まあ俺がいた村の中にはあんな奴らが結構いたな。それが煩わしくてここに移り住んだっていうのもあるな」

 まあ異種族だからな。
 そんな考えの奴もでてくるか。

「あいつらが巫女様復活組か?」
「ああ、たまに来て色々と試しているみたいだが、こちらには何も言って来ない」
「そうか」

 あまり積極的に絡みたくない奴らだ。
 まあ情報収集だけはしておくか。

 俺は魔導具を取り出す……。
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