93 / 94
93.分解
しおりを挟む
いま、俺の前には正座をした竜人達がいる。
戦いは結果的に俺の快勝だった。
途中からシーナとネネがナリーとマリーを家の中に連れて行ったところをみると随分と刺激的だったのかもしれない。
『束縛』で口を塞ぎしゃべれない様にしてから『回復』等を使い、色々と実験してみた。
意外にタフだったので成果はあった。
彼らにはトラウマかもしれないけど感謝しかない。
「な、生意気を言ってすみませんでした」
「す、すみませんでした」
土下座をして謝罪する二人の竜人。
そんなに謝られてもな。
「いやいや、顔を上げてくれ。こちらもいい実験になった」
シーナとネネの訓練に活かせそうな事も色々あったので感謝したいぐらいだ。
『変化』で作った手も『幻手』というスキルとして確立した。
これからは『幻手』を使えばいいので便利だ。
「人間も中々強いだろ?」
ライドは竜人達にいう。
お前は俺の保護者か。
「ああ、とんでもない人間がいたものだ」
「信じられない強さだな」
尻尾を使った戦いは参考になる。
人間とは違い間合いが取りにくかったけど、まあ何とかなった。
『ハコニワ』に吸収させれば竜人も召喚できるようになるかもしれない。
途中でそんなことを思ったけど、こちらに殺意を持って攻撃してきていなかったのでやめておいた。
せいぜい、痛い目にみせてやろうぐらいの気概しか見えなかったのでこれでいいだろう。
あまり人の道に外れるのも気が引ける。
まあ、それ以外は子供に見せれるようなものではなかったので、ナリーとマリーを見えないところに避難してくれたシーナとネネに感謝したい。
「それで結局あの水晶の巫女様を助けて何をやらせたいんだ?」
あれだけ敵意剥き出しだった竜人達は顔を見合わせ大人しく話始める。
「巫女様の力を使って助けていただきたい人がいるのだ」
「病気か何かなのか?」
「ああ、俺達も良く分からないのだけど、なぜか『回復』も『治癒』も効かないみたいなんだ」
「そうなのか。どんな状態なんだ?」
『回復』も『治癒』も効果がないなんて不思議だ。
「ずっと寝たままで意識が戻らないんだ。俺達も色々と手は尽くしたのだが……」
「巫女様を助ければ解決できるのか?」
「正直に言うと分からない。しかし巫女様はあらゆる病気を治せたと伝えられている。そこに我々は賭けてこの地に足を運んでいる」
現状何も変わらないから巫女様に賭けてみようってことか。
「レンヤさんなら巫女様も助け出せるでしょうし、病気も治せるのではないのでしょうか?」
シーナが皆に聞こえないように小声で俺に言う。
竜人達に過度な期待をさせないように気を使ってくれたみたいだ。
頭を撫でてあげたい衝動に駆られるけど、年頃の女性は嫌がるだろうからやめておく。
結論からいうと、両方とも可能だと思う。
ただ巫女様に関しては自らの意思で閉じこもっていると聞いた。
そんな人を強引に引きずり出していいのかということだ。
でも若い竜人達が困っているなら、先人である巫女様も助けてくれるかもしれない。
「じゃあ、とりあえず巫女様を救出してみるか」
「えっ、そんなことが可能なんですか!」
「まさか! 人間が! いや、レンヤ殿が特別なのは分かっている。しかしどうやって?」
竜人達は言う。
「ああ、少し試したいことがある」
「やっぱりレンヤさん解決してあげるのですわね」
「レンヤさん意外に面倒見がいいですものね」
シーナとネネは言う。
意外にって普段どう見えているんだ。
「まあ、出来るかもしれない程度だ。過度な期待はしないでくれ」
「ああ、それでもよろしく頼む」
「お願いする」
二人の竜人は頭を下げてきた。
「分かった」
結晶化された水晶の元に皆集まる。
「『雷纏』!」
俺は雷を纏い微弱な電気を水晶に流してみた。
それに言葉を乗せるイメージで中の巫女様に話しかける。
『おーい、聞こえるか』
『……』
もう少し強めにいってみるか。
『……』
10倍ぐらいでいってみるか。
『ババババババ』
おっ、何か反応がある。
少し弱めると声が聞こえた。
『いきなりなにするんですか! しびれたじゃないですか!』
『悪い悪い、調整が難しくてな。あんた巫女様?』
『そうですけど。あれ貴方、人間?』
『ああ、そうだ。ちょっとあんたに助けを求めている人がいてな。そこから出て来てくれないか?』
『私に助けを?』
『ああ、あんたと同じ若い竜人達だよ』
『そうなんですね……』
歯切れが悪いな、いや電波切れか?
『あんたが出たくないって言う話は聞いたんだけど、後人の為に力になれないか?』
『ええっと、出たくないって訳じゃないんだけど、出られなくなっちゃたのよ』
『はあ? 自分で作ったんだろこれ?』
『ま、まあそうなんだけど硬くし過ぎたのか、出られなくなっちゃった』
てへ、とかいいそうな雰囲気だ。
巫女様とか言うからもっと尊厳がある人物をイメージしていた。
『じゃあ壊しても文句はないな』
『は、はい。でも、でも私まで壊さないでくださいね』
『……りょーかい』
周りだけを破壊するイメージは何となく俺の中にある。
水晶全体に電気を行き渡らせると俺は新しく覚えたあれを唱えた。
「『分解』!!」
「パアアアアン!」
巫女様の周りの水晶はガラスのように砕け散った。
戦いは結果的に俺の快勝だった。
途中からシーナとネネがナリーとマリーを家の中に連れて行ったところをみると随分と刺激的だったのかもしれない。
『束縛』で口を塞ぎしゃべれない様にしてから『回復』等を使い、色々と実験してみた。
意外にタフだったので成果はあった。
彼らにはトラウマかもしれないけど感謝しかない。
「な、生意気を言ってすみませんでした」
「す、すみませんでした」
土下座をして謝罪する二人の竜人。
そんなに謝られてもな。
「いやいや、顔を上げてくれ。こちらもいい実験になった」
シーナとネネの訓練に活かせそうな事も色々あったので感謝したいぐらいだ。
『変化』で作った手も『幻手』というスキルとして確立した。
これからは『幻手』を使えばいいので便利だ。
「人間も中々強いだろ?」
ライドは竜人達にいう。
お前は俺の保護者か。
「ああ、とんでもない人間がいたものだ」
「信じられない強さだな」
尻尾を使った戦いは参考になる。
人間とは違い間合いが取りにくかったけど、まあ何とかなった。
『ハコニワ』に吸収させれば竜人も召喚できるようになるかもしれない。
途中でそんなことを思ったけど、こちらに殺意を持って攻撃してきていなかったのでやめておいた。
せいぜい、痛い目にみせてやろうぐらいの気概しか見えなかったのでこれでいいだろう。
あまり人の道に外れるのも気が引ける。
まあ、それ以外は子供に見せれるようなものではなかったので、ナリーとマリーを見えないところに避難してくれたシーナとネネに感謝したい。
「それで結局あの水晶の巫女様を助けて何をやらせたいんだ?」
あれだけ敵意剥き出しだった竜人達は顔を見合わせ大人しく話始める。
「巫女様の力を使って助けていただきたい人がいるのだ」
「病気か何かなのか?」
「ああ、俺達も良く分からないのだけど、なぜか『回復』も『治癒』も効かないみたいなんだ」
「そうなのか。どんな状態なんだ?」
『回復』も『治癒』も効果がないなんて不思議だ。
「ずっと寝たままで意識が戻らないんだ。俺達も色々と手は尽くしたのだが……」
「巫女様を助ければ解決できるのか?」
「正直に言うと分からない。しかし巫女様はあらゆる病気を治せたと伝えられている。そこに我々は賭けてこの地に足を運んでいる」
現状何も変わらないから巫女様に賭けてみようってことか。
「レンヤさんなら巫女様も助け出せるでしょうし、病気も治せるのではないのでしょうか?」
シーナが皆に聞こえないように小声で俺に言う。
竜人達に過度な期待をさせないように気を使ってくれたみたいだ。
頭を撫でてあげたい衝動に駆られるけど、年頃の女性は嫌がるだろうからやめておく。
結論からいうと、両方とも可能だと思う。
ただ巫女様に関しては自らの意思で閉じこもっていると聞いた。
そんな人を強引に引きずり出していいのかということだ。
でも若い竜人達が困っているなら、先人である巫女様も助けてくれるかもしれない。
「じゃあ、とりあえず巫女様を救出してみるか」
「えっ、そんなことが可能なんですか!」
「まさか! 人間が! いや、レンヤ殿が特別なのは分かっている。しかしどうやって?」
竜人達は言う。
「ああ、少し試したいことがある」
「やっぱりレンヤさん解決してあげるのですわね」
「レンヤさん意外に面倒見がいいですものね」
シーナとネネは言う。
意外にって普段どう見えているんだ。
「まあ、出来るかもしれない程度だ。過度な期待はしないでくれ」
「ああ、それでもよろしく頼む」
「お願いする」
二人の竜人は頭を下げてきた。
「分かった」
結晶化された水晶の元に皆集まる。
「『雷纏』!」
俺は雷を纏い微弱な電気を水晶に流してみた。
それに言葉を乗せるイメージで中の巫女様に話しかける。
『おーい、聞こえるか』
『……』
もう少し強めにいってみるか。
『……』
10倍ぐらいでいってみるか。
『ババババババ』
おっ、何か反応がある。
少し弱めると声が聞こえた。
『いきなりなにするんですか! しびれたじゃないですか!』
『悪い悪い、調整が難しくてな。あんた巫女様?』
『そうですけど。あれ貴方、人間?』
『ああ、そうだ。ちょっとあんたに助けを求めている人がいてな。そこから出て来てくれないか?』
『私に助けを?』
『ああ、あんたと同じ若い竜人達だよ』
『そうなんですね……』
歯切れが悪いな、いや電波切れか?
『あんたが出たくないって言う話は聞いたんだけど、後人の為に力になれないか?』
『ええっと、出たくないって訳じゃないんだけど、出られなくなっちゃたのよ』
『はあ? 自分で作ったんだろこれ?』
『ま、まあそうなんだけど硬くし過ぎたのか、出られなくなっちゃった』
てへ、とかいいそうな雰囲気だ。
巫女様とか言うからもっと尊厳がある人物をイメージしていた。
『じゃあ壊しても文句はないな』
『は、はい。でも、でも私まで壊さないでくださいね』
『……りょーかい』
周りだけを破壊するイメージは何となく俺の中にある。
水晶全体に電気を行き渡らせると俺は新しく覚えたあれを唱えた。
「『分解』!!」
「パアアアアン!」
巫女様の周りの水晶はガラスのように砕け散った。
0
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる