風の魔導師はおとなしくしてくれない

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三章 魔力を食べる魚

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 ルイは先日の失態を反省し、今後の身の振り方を考えていた。リーゲンスにいたときは、ないがしろにされていたとはいえ、城の中で危険から遠ざけられて生きていた。だが立場が変わった今では以前の考え方は通用しない。ゆくゆくは一人で生きていくことになるだろうと考え、ルイは決心した。

 仕事を終えてライオルと一緒に王宮を歩いているとき、ルイは不意に口を開いた。

「ライオル」
「あ?」
「俺、海王軍に入りたい」
「はあ!?」

 ライオルはとんでもないことを言いだしたと言わんばかりに目を見開いた。

「なんで急にそんなこと思いついたんだ」
「思いつきじゃない。ずっと考えてたんだ。俺は力がないから、少しでも力をつけたいんだ」
「海王軍は剣の稽古場じゃないぞ。そんな馬鹿なこと言うくらいだったらアクトールに毎日通ってろ」

 だがルイはなかなか引き下がらなかった。

「もちろん、戦う覚悟はできてるよ。海の国で一生過ごすんだから、この国のために俺の剣を捧げるつもりだ。それにいつまでもお前の家に厄介になることもできないだろ」

 ライオルは心外そうに顔をしかめた。

「俺はお前がおとなしく屋敷にいてくれればそれでいい。誰が出てけなんて言ったんだよ」
「一日中お上品にお座りしてお前の帰りを待ってろって? そんなの無理だ。リーゲンスじゃ王女だって馬に乗って城下町を走り回るぞ」
「お前な……」
「頼むよ、ライオル。ライオルが口利きしてくれるのが一番早いだろ? 俺でもつとまりそうな部署があるんじゃないか?」
「だめだ」
「きっとお前の役に立つよ」
「そういうのはお前の役目じゃない。とにかく、だめだ。そもそも海の人間でもない奴が海王軍に入れるとは思えない。あきらめろ」

 ライオルはぴしゃりと言った。ルイはライオルをねめつけた。

「とりつくしまもないな」
「子供みたいにだだをこねるな」
「誰のせいでこんなことになってると思ってるんだ……」

 ライオルはぴたりと足を止めた。どうやら怒らせてしまったらしい。

「いい加減にしろ。自分の立場を忘れるな。お前の処遇は俺に一任されているし、それは今後も変わらない。勝手なことはするな」

 ライオルはそのまま厩舎のほうへ歩いていってしまった。ルイは追いかけることもせず、黙って前庭に立ちつくした。日差しが強く暖かい日だった。ルイは内門まで続く長い外回廊の柱の縁に座りこみ、海の空を見上げた。

 楽しい毎日を過ごしていたから、ここに誘拐されてきていることを失念していた。リーゲンスにいたときより格段に自由で、ルイを血統で判断しない人たちに囲まれて暮らしているのに、慣れてくるとさらにたくさんのものを求めてしまう。ルイはもっとこの海の世界を知りたいと願うようになっていた。

 回廊の奥から話し声がして、ルイは慌てて柱の影に隠れた。王宮に出入りする人の中には、地上の人間をよく思わない者もいる。無遠慮な言葉を投げつけられたくなかったので、ルイは前庭を突っ切って外門に待たせている馬車まで走ろうとした。

 だが、こちらに歩いてくる美しい白銀の髪の青年を見て、ルイは足を止めた。歩くたびにさらさらと流れる肩までの髪に切れ長の銀の目の、どことなく浮世離れした青年だ。ルイは彼から目を離せなくなった。

 青年は隣の男性と親しげに話しながら回廊をこちらにやってくる。青年は前庭の手前で一緒にいた男性と別れると、くるりと振り返って柱の影にいたルイに目を留めた。ルイがじっと見つめてくるので、白銀の青年はいぶかしげに目を細めた。

「……なにか用?」

 ルイは我を忘れて青年を見つめ、ぽつりと呟いた。

「クー?」

 クーと呼びかけられた青年はルイをじろじろと眺め回した。そしてゆっくり首を傾けた。

「ルイ……?」

 ルイはぱっと顔を輝かせた。

「そうだよ、ルイだよ! やっぱりそうだ。クーでしょ? ティグラノスの町にいた貿易商の子でしょう?」
「えっ、本当にルイなのか? 十年前の……?」

 ルイは何度もうなずいた。十年前の冬、リーゲンスの南の離宮に滞在していたときに出会った、貿易商の一団の中にいた女の子だった。全身真っ白で頬だけが赤い美少女で、暇をもてあましていたルイの遊び相手になってくれた。ルイは雪の化身のようなかわいいクーのことが好きだった。

「まさか、また会えるなんて……」

 ルイは自分より背が高くなってしまったクーを見上げて笑った。しかしクーはかけらも喜ばず、険しい表情であごに手を当てた。

「なんでここにルーウェン王子がいるんだ?」

 厳しい口調で言われ、ルイは凍りついた。初恋の女の子に再会できた喜びのあまり、海の国の王宮にいる人になにも考えず話しかけてしまった。

「あっ、その」

 ルイが一歩踏み出すと、クーは一歩下がってしまう。ルイは乾いた口をいったん閉じてから言った。

「……急に話しかけてすまなかった。俺はルイ・ザリシャ。リーゲンスから来た風の魔導師だ。よかったら少し話をさせてくれないか?」
「風の? タールヴィが連れてきた、あの?」
「ああ、そうだ。どこまで聞いているのか知らないが、きちんと俺の口から説明させてほしい。頼む」

 ルイの必死な様子に、及び腰だったクーは話を聞く気になったようだった。

「……あっちにうち専用の荷下ろし場がある。そこに座れるところがあるから、そこでなら話してもいい」
「ありがとう。そうしよう」

 ルイはほっとして、まだ疑惑がぬぐえない様子のクーと一緒に歩いた。ルイの脇を歩きながら、クーは感情を悟らせない無表情で言った。

「きみだけ名乗らせるのも忍びないから言うけど、俺の名前はクーじゃないよ。クウリー・エディーズだ」
「クウリー・エディーズ……」

 十九家エディーズ家の王太子候補の名前だった。そして、サルヴァトが殺した商人たちを束ねるエディーズ商会カリバン・クルス支部長その人だった。



 クウリーはルイを連れて回廊を進み、西門にほど近いところにある一階建ての建物に向かった。外には馬車が三台つながれていて、エディーズ商会の従業員たちが汗だくで積み荷を小型の馬車に移し替えている。クウリーが近づくと、一人の従業員が走ってきて入り口のドアを開けた。

「さあ、どうぞ」

 クウリーはルイの背中に手を置いて中に入れた。中は大きな倉庫になっていて、棚に積まれた商品を従業員がチェックしている。

 クウリーは奥の応接室にルイを通した。毛足の長い絨毯がしかれ、大きなクッションつきの一人がけソファが四脚置かれた豪華な部屋だ。ルイとクウリーは向かい合ってソファに座った。

「さて、じゃあ話してもらおうか。なぜきみがここにいる? しかも風の魔導師として。そもそも俺は、きみたち王族は全員サルヴァトに殺されたと聞いていたんだけど」
「サルヴァトの反乱が起きたとき、俺とイオン王女は城を脱出できたから無事だったんだ。そのあと味方の兵を集めてサルヴァトを倒し、城を取り戻した。で、俺は王になったんだ。だけど、海の国の使者に会いに出向いたら連れ去られちゃって、今はここにいるってわけ」
「え、ちょ、ちょっと待って」

 クウリーはクッションに埋めていた体を少し起き上がらせた。

「いろいろおかしいな。きみはサルヴァトを倒して王になったのか? しかも連れ去られた? タールヴィについて自分からやってきた風の魔導師というのはまったくの嘘なのか?」
「自分からやってきたというのは嘘になる。でもライオルに連れられてやってきたのは確かだし、俺は実際に風の魔導師だ。本来殺されるべきところ、海の国の役に立つという条件で生かしてもらっているんだ」
「タールヴィはリーゲンスに潜入してサルヴァトを討ったという話だぞ。お前の話が真実なら、あいつの成果はでまかせじゃないか」

 ルイは慌てて首を横に振った。

「違うんだ。詳しく話すと長くなるけど、聞いてほしい。でも誰にも言わないでくれないか?」

 ルイはライオルと出会ったところから順序立てて話した。クウリーは疑り深い目をしていたが、黙ってルイの話を聞いた。ルイは緊張で手のひらにじっとりと汗をかいていた。自分のうっかりでライオルの名誉に傷をつけるようなことがあれば、この身がどうなるかわからない。

 すべて聞き終えたクウリーは再び背中のクッションに身を預けた。

「ふうん……タールヴィは旗頭のきみを守って戦ったというわけか。なるほどねえ……それにしてもきみは知らないあいだにずいぶん辛酸をなめてきたんだな」
「海の国にはとんでもない傷を与えてしまった。殺された被害者は、あなたのところの従業員と兵士だろう。あんなことになってしまって、正直どう詫びればいいのかもわからない」
「そうだな」

 クウリーはふと立ち上がり、ルイの髪を乱暴につかんでぐいっと上を向かせた。

「いっ……」
「お前が俺の靴をなめて詫びるなら、許してやってもいい。ここで働く商会の者たち全員が見ている前でだ。王であるお前にそんな真似ができるのならな」

 氷のような目にさげすまれるように見下ろされ、ルイは生唾を飲みこんだ。髪を強く引っ張られて身動きがとれなかったが、痛みに声をあげることすらできない。手をだらんと脇に伸ばしたまま、ルイはクウリーを見上げた。

「……きみの気がそれで済むのなら……」
「本当にするつもりか?」

 クウリーはぱっとルイの髪を離して再びソファに座った。おかしそうに肩を震わせている。

「冗談だよ。本当にそんなことしたら俺の立場が悪くなるだろ。タールヴィに乗りこんでこられても困るし」

 クウリーは自分の手にルイの髪の毛が一本ついていることに気づき、さっと振り払った。

「きみだってサルヴァトの被害者で、なにも悪くないだろ。親戚に狂人がいたからってきみの頭もおかしいとは思っていないよ」
「それは……ありがとう」
「お礼を言われる筋合いはないけど。いいよ、俺のお願いを聞いてくれるなら、きみのことは黙っていてあげるよ」
「本当か?」

 クウリーはこくりとうなずいた。

「タールヴィのことを気にしているみたいだけど、別になにもしないよ。俺も王太子候補だけど、剣の腕があまりよくなくて、玉座からは遠いんだ。だから俺はエディーズ商会支部長として、商会を盛り立てていくと決めているんだよ」
「商才があるのはすばらしいことだ。リーゲンスは海の国の品物をとても重宝していた」
「そうだろう?」

 クウリーは嬉しそうに笑った。

「だからルイにお願いなんだけど、リーゲンスのことを教えてくれないか? 城の人がどんな生活をしていたとか、流行していたものとか、なんでもいいから。リーゲンスの人が欲しがりそうなものを知りたいんだ」
「俺が知っていることだったらなんでも教えるよ」
「ありがとう! 代わりにルイの欲しいものがあったら持ってきてあげるよ。俺たち仲良くやれそうじゃないか? きみの情報が商会の役に立ちそうだからっていう理由はあるけど。でもきみのことは誰にも話さないって誓うし、お互い悪い話じゃないだろ?」
「うん、そうだね」

 クウリーは利益に聡く、理由が明確なので信用できた。握手をかわしたあと、クウリーはただし、と付け加えた。

「俺はきみのことを認めているけど、エディーズ商会の中には当然リーゲンスを憎んでいる者もいる。だから俺と会うときはこっそり頼むよ。今日みたいにきみが仕事を終えたあと、ここで会って話をしよう。いいね?」
「わかった」
「タールヴィにも言っちゃだめだよ。俺たちだけの秘密にしよう。できるね?」
「うん、そうする」

 話が済むと、クウリーはルイを前庭まで送ってくれた。

「そういえば」

 回廊を歩きながら、ルイはずっと気になっていたことをたずねた。

「俺、きみのことを女の子だと思っていたんだけど……」
「ああ」

 クウリーは笑った。

「昔はよく間違われたけどね。男だよ。これでも」
「そ、そうか。ごめん」
「かまわないよ」

 初恋の子が男だったとわかり、ルイは人知れずショックを受けた。
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