37 / 134
五章 風の吹く森
2
しおりを挟むルイはカドレック班と一緒の海馬車に乗り、風の吹く森を目指した。目的地までまる一日かかるので、海馬車の中で一晩明かした。
翌朝目覚めたルイは、窓の外が暗いことに驚いた。今まで海の表層付近しか通ったことがなかったが、今回は深いところまで潜るらしい。ルイは朝ご飯のサンドイッチを食べているカドレックに声をかけた。
「カドレック班長」
「なんだ?」
「目的の海の森は深いところにあるんですか? 太陽の光がだいぶ弱くなってますけど」
「もう少し潜るな。結構暗くなると思うけど、森は明るいはずだぞ。エラスム泡が日光を吸収してくれているからな」
「へえ、すごいですね」
「だろ? エラスム泡がなかったら俺たちどうやって暮らしてたんだろうってときどき思うよ。島にでも住んで、魚と一緒に泳いで狩りでもしてたのかねえ」
「俺、こんな深いところ初めて来たんですけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫だとは思うけど。気分が悪くなったら早めに言えよ」
「はい……」
ルイは少し怖かったが特に体調に変化もなく、無事に海の森にたどり着いた。海馬車から降りたルイは不思議な気分に包まれた。
巨大な森だった。カリバン・クルスを覆うエラスム泡の二倍は天井が高く、外の海はほぼ真っ暗だが、カドレックの言う通りエラスム泡の内部は不思議と明るかった。カリバン・クルスの夕方くらいの淡い光が差しこんでいる。
森の木々はおしなべて背が高く、濃い緑色の葉が生い茂っている。地上でよく見た針葉樹に近く、アクトール魔導院の裏の森やキリキアを囲む森に比べ、ルイにとってなじみのある光景だった。地面には雑草が一面に生えていて、踏むと柔らかかった。
少し肌寒かったので、ルイはマントを体に巻きつけた。そこに風が吹いてきて、隣に立つゾレイの手から紙を奪い去った。
「あっ! ルイやめてよ」
「俺じゃないよ」
「えっそうなの? すごい、本当にここは風が吹いてるんだ」
ゾレイは吹き飛ばされた紙を拾い上げ、興奮して周囲を見回した。ほかの隊員も皆興味を引かれている様子だ。
入り口に海馬車を固定し、一行は二手に分かれて森に入ることになった。第九部隊と第一部隊が半分ずつ分かれて二つの合同班を作り、ライオルとギレットがそれぞれ先導する。カドレック班はライオルと一緒に動くことになった。王宮魔導師も二手に分かれることになり、ゾレイがライオルの組に入った。
「三時間後にここに集合しよう。ではまた」
ライオルが言った。ギレットの組は森の右側を進み、ライオルの組は左側を進んだ。
二列になって歩きながら、ルイはいやに足が軽いことに気がついた。普通に歩いているはずなのに地に足がついている感覚がない。
「ここはすばらしいところです、ライオル様!」
ゾレイが先頭を歩くライオルに話しかけた。
「なにか感じるか、王宮魔導師どの?」
「はい。僕は王領にある海の森はだいたい行きましたが、この森には今までにない魔力を感じます。おそらくこれが風の魔力なのではないかと思います。あと僕のことはゾレイとお呼びください」
「なるほどな。なんというか、においが違うような気がしてた」
「そうなんです! やっぱりライオル様にはおわかりになるんですね」
ゾレイは嬉しそうに顔の前で手をたたいた。
「数百年も隠されていた森なんて宝の山です。きっと新種の植物や魔導が見つかるのではないかと期待しています」
「これだけ広いし、可能性はありそうだな。気になるものがあったら止まるから言ってくれ、ゾレイ」
「はいっ」
ゾレイは頬を赤らめながら返事をし、鼻息荒く周囲を観察しだした。ルイの隣を歩いていたファスマーは、ふとルイの顔に目を留めた。
「ルイ、どうかした?」
「えっ、別になんでもないよ」
ぶすっとしていたルイは慌てて表情を取り繕った。ファスマーはじっとルイを見つめた。
「そうか? いつもより魔力の流れ方が大きいようだけど。なにか感じないか?」
「あ、うん。確かにいつもと歩く感覚が違う」
「ほうほう、なるほど。きっとこの森に体が合ってるんだと思う。魔導使ってみな」
ルイは右手を振ってみた。すると、大して意識していなかったにも関わらず、寸分違わず狙い通りの旋風が起きた。しかもまったく力を消費したように感じない。
ルイは手を動かさないまま風を起こすイメージをしてみた。すると足の裏からふわりと体が浮き上がった。
「うわ! すごい!」
この森にいると風の流れを自在に操れた。ルイは下から上に風を起こしてそれに乗り、隊列の上空に飛び上がった。
「うわーっ、飛べるぞー!」
みるみるうちに濃灰の軍服の一団が遠くなっていく。森を吹きすさぶ風に乗り、ルイは空中をくるくる回った。
「うわーい!」
眼下の一行は口をあんぐり開けて空ではしゃぐルイを見上げた。ライオルは青ざめて叫んだ。
「ルイ! 危ない真似はやめろ! 今すぐ下りてこい!」
「だーいじょーうぶでーす」
ルイはけらけら笑って飛びながら上空からの景色を眺めた。槍のように細い梢が遠くまで連なる様子は、まるで巨大な緑色の絨毯だ。カドレック班の班員たちは空を舞うルイを見上げて言った。
「入隊してきたときからかわいいやつだと思ってたけど、本当に風の精霊なんじゃないか?」
「ありうるな。あいつときどき妙に世間とずれたこと言うしな。隊長の手で地に落とされてやってきたのかも……」
「えっじゃあこのまま空に帰っちまうのか? 悲しい」
ライオルはのんきな部下たちをにらんだ。
「そんなわけあるか。真面目にやれ」
「すみません」
ルイは梢の隙間からギレットたちの一行を見つけ、そちらに向かって飛んだ。先頭を歩く金髪は緑の中でよく目立った。
「ギレット隊長ー」
声が聞こえたらしいギレットはきょろきょろして声の主を捜している。ルイは高度を下げていき、ギレットの目の前に着地した。突然空から降ってきたルイに、ギレット組の兵士たちはどよめいた。
「ルイ!? えっ、お前今どうやってここに来た!?」
驚くギレットにルイは得意げに説明した。
「ここは風の魔力のたまる森だから、俺によくなじむんです! ここでなら空中を移動できるから、空から偵察してきてあげますよ!」
「空を飛んできたのか!? ……だめだ、危ない真似はやめろ。おとなしく歩け」
追従している中年の王宮魔導師も首肯した。
「ギレット様の言う通りだ。途中で魔力が切れたら大惨事だぞ」
「……わかりました。戻ります」
ルイはしぶしぶまた上空に飛び上がって戻っていった。ギレットたちは飛んでいくルイをぽかんとして見送った。
上空には強い風が吹いていた。吹き飛ばされないように気をつけて飛んでいると、ふと奥の方に開けた場所があることに気がついた。目をこらしたがここからでは遠くてよく見えない。
ルイはライオルたちのところにふわふわ飛んでいった。自分で風を起こさなくても、森の風に乗っていれば勝手に飛んでいける。森の風を利用して魔力を温存していたが、下におりていくと風がやんでしまい、途中で落っこちてしまった。
「うわっ」
「ルイ!」
とっさにライオルが真下に回りこんで両手で受け止めたが、衝撃で二人とも地面に倒れこんだ。
「隊長! ご無事ですか!」
「ラ、ライオル様!」
カドレックとゾレイが慌てて二人に駆け寄った。ルイはライオルを下敷きにしてしまい、急いで上から退いた。尻もちをついたライオルは腰をさすりながらゆっくり起き上がった。ゾレイはおろおろしながらライオルに話しかけた。
「お怪我はありませんか? あっマントが汚れてしまってる」
「問題ない……」
ライオルは半眼でマントについた土を払い、申し訳なさそうにしているルイの頭をはたいた。
「だからやめろと言っただろ!」
「すみません……」
「ちっ、もう飛ぶなよ」
「はい……あっ、そうだ」
ルイは名誉挽回しようと全員に聞こえるように言った。
「上から開けた場所を見つけました。向こうのエラスム泡の端の近くです」
「ほう?」
ほかに目指す場所もないので、ライオルはルイの示した方角に進むことにした。すっかりしょげたルイはファスマーの隣をとぼとぼと歩いた。ファスマーは笑って怪我がなくてよかったとなぐさめてくれた。
しばらく森の中を歩いていると、風が吹いて落ち葉が地面を滑るように巻き上げられた。ルイは落ち葉に混じって白いものが転がったのを見つけて駆け寄った。しゃがんで見てみると、一匹の白い小さなネズミが目を回してひっくり返っていた。
「初めて見るネズミだ」
「どれ?」
ゾレイも来てルイの隣にしゃがみこんだ。
「なんだ、ハイイロモリネズミか。森に棲む小型のネズミだよ。白い個体はちょっと珍しいけど、海の森にはよくいるよ」
「へえ」
「魔力を持っているから魔導師の使い魔になることもあるよ。同じ魔力を持っていると言うことを聞かせられるんだ。こいつはおそらく風の魔力を持っているから、ルイの言うことを聞くんじゃないかな?」
「本当に? どうやって命令するんだ?」
ゾレイは目を回している小さなネズミをつかんでルイに手渡した。
「魔力をこめればいいんだよ。前に僕の紙の鳥にやったのと同じ要領だよ」
「わかった」
ルイは手のひらの中の温かい小さな生き物に魔力をこめた。白いハイイロモリネズミはしばらく鼻をひくひくさせていたが、ぱっとルイの手を離れてルイの周りをゆっくり浮遊した。
「飛んだ!」
ルイが右手を差し出すと、ふわふわ漂ってきて手の上におとなしく乗った。
「すごいな、風もないのに飛んだ」
「ルイの魔力の流れに乗って飛んだんだよ。ハイイロモリネズミは魔力の流れを見ることができるんだ。同じ魔力である飼い主の近くなら今みたいに飛んでついてこられる。あと魔力の流れを追って発生源をたどることもできるよ」
「えっ? すごく有能な生き物じゃないか。こいつがいれば、アクトール襲撃のとき簡単に術の核を見つけられただろ」
「うーん、それがね」
ゾレイはしかめっ面で小さなネズミをつついた。ネズミは迷惑そうにそっぽを向いた。
「こいつら頭が悪いんだよ。だから難しい命令はできないんだよね。せいぜい呼んだら来るとか、軽いものを拾ってくるとか、そのくらい」
「なんだ、そうなのか」
「ちなみに木の実が好物だよ」
「それなら持ってるよ」
ルイはハイイロモリネズミを左手に持ち替え、右手でベルトにくくりつけた携帯食の入った小袋を開けた。ナッツを一つ取り出して与えると、腹を空かせた生き物はナッツをさっと奪い、ものすごい勢いで食べだした。
あっという間に食べ終えたネズミはキューキュー鳴いておかわりをねだった。ルイはもう一つナッツを取り出し、ネズミの頭の上に乗せてみた。ネズミはおいしいにおいにつられて上を向いた。頭の上からナッツが背後に落ちたが、ネズミはそれに気づかずひげをひくひくさせてナッツを探している。
「……確かに馬鹿だな」
「でしょ」
「でもかわいいな」
丸い体につぶらな黒い瞳の、手のひらに収まるほどのネズミは愛らしかった。ゾレイはそうだねとうなずいた。
「かわいいから使い魔にされるんだろうね。でも役には立たないよ」
「よし! 今日からお前の名前はフェイだ! リーゲンスの昔の言葉で飛ぶという意味だ。お前にぴったりだろ?」
「……気に入ったんだね」
「今日からお前はフェイだぞ、フェイ。わかった?」
ようやく背後のナッツを見つけてがっついていたハイイロモリネズミは、ルイに背を向けたままプキュと鳴いた。
「あっ! わかったのか? 賢いじゃないか。えらいぞー」
ルイは目尻を下げてネズミの頭を指の腹でなでた。後ろから一部始終を見ていたライオルがぼそっと言った。
「かわいいな」
「うん。使い魔にしたくなる気持ちもわかる」
「いやネズミじゃなくて……聞いてねえ」
ルイが立ち上がると、ハイイロモリネズミのフェイは浮かんでルイについていった。
0
あなたにおすすめの小説
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』
バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。 そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。 最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる