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第一章 ウィルとアルと図書館の守人
今日はおやすみなさい
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色とりどりの料理に舌鼓をして、僕は心行くまで食事を堪能した。
どれも本当に美味しくて、一体その小さな身体でどう調理を施したのか、更に興味が膨らんだ。
デザートに出されたのはフルーツと生クリームがたっぷり乗ったプリンだった
。お腹いっぱいだったけど、不思議と難なくペロリと平らげてしまった。
「あ~、美味しかったー! お腹いっぱい! ご馳走様、アル」
「お粗末様。ウィルの口に合ったようで良かったよ」
二人して意味もなく笑って、食堂から談話室へと移動した。
談話室には暖炉があり、部屋を心地良い暖かさで満たしてくれていた。
僕とアルはソファに腰掛けて、他愛のない話をしたり、アルが淹れてくれたとてもいい香りのするお茶を飲んでまったりと過ごした。
「ウィル、明日はディレクトレイ国の国王、ジルハルド様にお目通りに向かうよ」
「国王陛下と面会か。なんだか緊張するなぁ」
アルが声を出して笑った。
「そんなに気を持つことないよ。とてもお優しいお方だから心配いらないさ。ジルハルド様も君にとても興味を持っていらっしゃってね、機会があれば是非とも直接会って話をして見たいとおっしゃっていたんだ。そして今回、それがようやく叶う、ということで喜んでいたよ」
「そ、そうなんだ」
「だから今夜はゆっくり身体を休めて、疲れを取るといい」
「うん、わかった。それじゃあ、もう遅いしそろそろ部屋に戻るよ。おやすみ、アル」
「ああ。おやすみ、ウィル」
談話室を後にした僕は自分の寝室へと向かった。
一息つく。
お腹も十分に満たされて楽しいひとときを過ごして、僕はまだどこか夢心地の気分だ。
部屋に入ると僕は大人しくベッドに横になった。
その場のノリで返事しちゃったけど、興奮と緊張とで眠れないような気がした。
仰向けになって天蓋を見つめた。
暗い部屋でも視界が見えるように天蓋には星が瞬いている。
まるで屋外で夜空を眺めているみたいだ。凄く綺麗だと思った。
それに気が抜けてため息が零れた。
「今日一日だけで色々なことが次から次へと起こった。アルって言う喋るアルマジロとも知り合えた。父さんと母さんのことも少しだけわかってきた。僕は、捨てられたわけじゃなかった。守るため、ってアルは言ってたけど、父さんと母さんは何から僕を守ってくれたのかな?」
わからない。
まだ何も。
わかったのはほんの一部だけだ。
「知りたい、ことは……山ほど……ある、なぁ……」
天蓋の夜空を眺めているうちに眠たくなってきた。
瞼が重たい。
明日はアルと一緒にこの国の王様に会いに行く。
どんな人なんだろう。
――優しい人だとアルは言っていたけど、どう、なのかなぁ……。
意識が落ちる寸前、僕は夢を見た。
仲睦まじく肩を寄せ合い、優しくこちらを見て微笑んでいる男女の姿を。
睡魔が怒涛のように押し寄せてきて、僕の意識はそこで途切れた。
どれも本当に美味しくて、一体その小さな身体でどう調理を施したのか、更に興味が膨らんだ。
デザートに出されたのはフルーツと生クリームがたっぷり乗ったプリンだった
。お腹いっぱいだったけど、不思議と難なくペロリと平らげてしまった。
「あ~、美味しかったー! お腹いっぱい! ご馳走様、アル」
「お粗末様。ウィルの口に合ったようで良かったよ」
二人して意味もなく笑って、食堂から談話室へと移動した。
談話室には暖炉があり、部屋を心地良い暖かさで満たしてくれていた。
僕とアルはソファに腰掛けて、他愛のない話をしたり、アルが淹れてくれたとてもいい香りのするお茶を飲んでまったりと過ごした。
「ウィル、明日はディレクトレイ国の国王、ジルハルド様にお目通りに向かうよ」
「国王陛下と面会か。なんだか緊張するなぁ」
アルが声を出して笑った。
「そんなに気を持つことないよ。とてもお優しいお方だから心配いらないさ。ジルハルド様も君にとても興味を持っていらっしゃってね、機会があれば是非とも直接会って話をして見たいとおっしゃっていたんだ。そして今回、それがようやく叶う、ということで喜んでいたよ」
「そ、そうなんだ」
「だから今夜はゆっくり身体を休めて、疲れを取るといい」
「うん、わかった。それじゃあ、もう遅いしそろそろ部屋に戻るよ。おやすみ、アル」
「ああ。おやすみ、ウィル」
談話室を後にした僕は自分の寝室へと向かった。
一息つく。
お腹も十分に満たされて楽しいひとときを過ごして、僕はまだどこか夢心地の気分だ。
部屋に入ると僕は大人しくベッドに横になった。
その場のノリで返事しちゃったけど、興奮と緊張とで眠れないような気がした。
仰向けになって天蓋を見つめた。
暗い部屋でも視界が見えるように天蓋には星が瞬いている。
まるで屋外で夜空を眺めているみたいだ。凄く綺麗だと思った。
それに気が抜けてため息が零れた。
「今日一日だけで色々なことが次から次へと起こった。アルって言う喋るアルマジロとも知り合えた。父さんと母さんのことも少しだけわかってきた。僕は、捨てられたわけじゃなかった。守るため、ってアルは言ってたけど、父さんと母さんは何から僕を守ってくれたのかな?」
わからない。
まだ何も。
わかったのはほんの一部だけだ。
「知りたい、ことは……山ほど……ある、なぁ……」
天蓋の夜空を眺めているうちに眠たくなってきた。
瞼が重たい。
明日はアルと一緒にこの国の王様に会いに行く。
どんな人なんだろう。
――優しい人だとアルは言っていたけど、どう、なのかなぁ……。
意識が落ちる寸前、僕は夢を見た。
仲睦まじく肩を寄せ合い、優しくこちらを見て微笑んでいる男女の姿を。
睡魔が怒涛のように押し寄せてきて、僕の意識はそこで途切れた。
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