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第一章 ウィルとアルと図書館の守人
禁断書の見せる夢
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報告を終えた僕たちは一旦はアルの屋敷へと帰ることにした。
本来なら今日もロミロア先生の所へ出向き魔力を高めるための訓練を受ける予定だったのだが、図書館の館長を勤めるロミロア先生は図書館の書物の確認や、瓦礫の撤去作業などがあり、僕の訓練まで手が回らないらしい。
残念だけど、こればかりは仕方ない。
ピピンのこともある。彼は今、ロミロア先生のところで保護されている。
生まれ変わり、赤子として新たな生を受けたピピンだが、その存在は精霊であることは変わりないようで、図書館を新たに建築し、完成した際は、再び彼に図書館の守人となってもらうらしい。
制約のない自由領域を確保するとのことだ。
これでピピンは自由に外と中を行き来することができるようになった。
ただ見た目どおり赤子のピピンにはある程度成長するまでは世話係と護衛をつけるとのことだ。
ピピンが成長して言葉を発することができるようなったら、たくさん話がしたい、と僕は心揺さぶりながらその日が来るのを待っていようと思った。今からとても楽しみだ。
屋敷に戻った僕とアルは遅い昼食を済ませ、僕は読書に興じようと自室へと向かった。
少し昼食を食べ過ぎてしまったかもしれない。
僕はベッドに倒れ込むように仰向けに寝転がった。
お腹も膨れて、身も心も満足して、気付けばウトウトと夢心地になっていき、そこで意識が途切れた。
開け放たれたテラスへと続く窓、昼の日差しがのカーテンの隙間から射していて、心地よい風を室内へ運び入れてくれている。
このとき、ウィルの身体は淡い光に包まれていた。
最初の一ページが開かれる。
ウィルは走馬灯のような夢を見ていた。
一体いつの時代のものかはわからない、しかしどの時代においても戦争は悲劇しか生まない。
そんな最中、誰だかわからない、けれど仲睦まじい二人の男の姿あった。
そしてその様子を優しい眼差しで見守る幼い少女。
ページはさらに開き、映像が流れる。
穏やかな映像から一変して重たい映像が流れだす。
戦争によって親友を失い、嘆く男の姿は端から見ても心苦しいものがあった。
痛烈な悲しみの叫びが耳に残るほどだ。
幼い少女に詰め寄る男。
その表情はウィルの位置からは確認ができなかった。
けれど、詰め寄られている少女の悲しみの表情を見れば、男がどれほど追い詰められているのか伺い知れる。
男の手から生まれた光が結界を発動させ、囚われる少女の姿。
それを受け入れる少女の表情は迷いのない決意に満ちていた。
本来なら今日もロミロア先生の所へ出向き魔力を高めるための訓練を受ける予定だったのだが、図書館の館長を勤めるロミロア先生は図書館の書物の確認や、瓦礫の撤去作業などがあり、僕の訓練まで手が回らないらしい。
残念だけど、こればかりは仕方ない。
ピピンのこともある。彼は今、ロミロア先生のところで保護されている。
生まれ変わり、赤子として新たな生を受けたピピンだが、その存在は精霊であることは変わりないようで、図書館を新たに建築し、完成した際は、再び彼に図書館の守人となってもらうらしい。
制約のない自由領域を確保するとのことだ。
これでピピンは自由に外と中を行き来することができるようになった。
ただ見た目どおり赤子のピピンにはある程度成長するまでは世話係と護衛をつけるとのことだ。
ピピンが成長して言葉を発することができるようなったら、たくさん話がしたい、と僕は心揺さぶりながらその日が来るのを待っていようと思った。今からとても楽しみだ。
屋敷に戻った僕とアルは遅い昼食を済ませ、僕は読書に興じようと自室へと向かった。
少し昼食を食べ過ぎてしまったかもしれない。
僕はベッドに倒れ込むように仰向けに寝転がった。
お腹も膨れて、身も心も満足して、気付けばウトウトと夢心地になっていき、そこで意識が途切れた。
開け放たれたテラスへと続く窓、昼の日差しがのカーテンの隙間から射していて、心地よい風を室内へ運び入れてくれている。
このとき、ウィルの身体は淡い光に包まれていた。
最初の一ページが開かれる。
ウィルは走馬灯のような夢を見ていた。
一体いつの時代のものかはわからない、しかしどの時代においても戦争は悲劇しか生まない。
そんな最中、誰だかわからない、けれど仲睦まじい二人の男の姿あった。
そしてその様子を優しい眼差しで見守る幼い少女。
ページはさらに開き、映像が流れる。
穏やかな映像から一変して重たい映像が流れだす。
戦争によって親友を失い、嘆く男の姿は端から見ても心苦しいものがあった。
痛烈な悲しみの叫びが耳に残るほどだ。
幼い少女に詰め寄る男。
その表情はウィルの位置からは確認ができなかった。
けれど、詰め寄られている少女の悲しみの表情を見れば、男がどれほど追い詰められているのか伺い知れる。
男の手から生まれた光が結界を発動させ、囚われる少女の姿。
それを受け入れる少女の表情は迷いのない決意に満ちていた。
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