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第二章 ウィルとアルと山頂に棲む竜
レズリー、エロい恋人に困惑する
しおりを挟む「あっ、あっ、はぅ、んっ、んふっ、れずりぃ……んぅっ」
「はぁ、ウィル、ウィル……っ」
何度も名前を呼んで、腰を揺らして、俺とウィルの勃起したペニスが絡み合うように熱を帯びて、てらてらと溢れたカウパーで濡れそぼっていく。
ぬちゅ、くちゅり、と卑猥な水音と俺たちの荒い息だけがこの寝室に響いている。
絡み合う二本の肉棒がビクビクと跳ねて透明な水をウィルの腹と俺の腹を濡らしていく。
腰の揺らぎはさらに激しさを増し、その瞬間はいよいよ訪れた。
下肢が震えて、ビクン、ビクン、と二つのペニスが跳ねた。
亀頭の先端、鈴口からビュクビュク、と白濁が飛び出し、ウィルの濡れた肌に白のコントラストを加えた。
粘着質の強い白がウィルの顔をも、汚し、綺麗な顔を汚してしまったという背徳感が襲った。
ウィルの頬に掛かった精液を塗りたくるように指で引き伸ばした。
――こいつは、俺のもの。俺だけのもの。
ゾクゾクした。
飛んだ思考の中でそんな風に思った。
ウィルという男に触れていいのは俺だけだ、という独占欲が芽生えた瞬間だった。
こんなにも狂った思考を持っていたことに、俺自信が一番驚いている。
ふいに、閉ざされていたウィルの瞼がゆっくりと開いた。
アメジストの濡れた瞳が光を帯びて、俺を見つめた。
「れず、りぃ、後ろも弄って、おねがい……、お腹の奥が疼いて仕方ないんだ。学校の授業で習っただろ。男女の性行為の話」
「ああ~、俺、そっちは興味なくて、たぶん、寝てたな」
「……君が好きになった相手が、男の僕で本当に良かったよ。女性なら、すぐに愛想つかされてるよ」
「うるせえなあ。女なんか関係ねえじゃん。俺が好きなのはお前なんだから」
「もう――まあ、いいや、わかったよ。僕がリードしてあげるから、ちょっと待ってて……っ、んっ」
そういうとウィルは徐に上体を起し、自身の穴の孔を弄り始めた。いやらしい顔にいやらしい手つきで後ろを懸命に指を突っ込んでいる。俺は喉をゴクリと音を鳴らした。
「ウィル、なにしてんだよ? 尻の孔なんて弄って。汚ねえだろ」
「んっ、失礼だな、君は……ふっ、へ、平気、だよ。はぁ、ぁ、本当に君は何も知らないんだね、レズリー。男同士のセックスはお尻の穴を使うんだよ」
知識はある。しかし実際に本当にそうなのかと、疑問に思っていることも正直あって、目の前で自身の尻を拡張しているウィルの姿が俺の都合のいい夢ではないかと疑ってしまう。
――これ、夢じゃないよな?
夢ならなんて浅ましい夢だろう。
しかし、俺の下肢に溜まる熱とはち切れんばかりの痛みは本物だ。
このままでは入れる前に暴発しそうだ。
ポタポタとウィルの起立したペニスからは透明な液が滴って、俺の腹と、シーツに染みを残していく。
扇情的なその光景に、俺のペニスはさら硬く反り返り、ウィルのそれと同様に、透明な液体がとめどなく溢れさせている。余韻も相まって、俺のペニスは何もしてないのに、すでにてらてらに光を帯びて、何かを待ちわびて、ビクビクと揺れ動いている。腰の奥の辺りが重くなってきて、ペニスの先端から、透明な液体よりもさらに強い何かが飛び出してきそうな衝動に駆られる。
このまま二度目の射精をしてしまいそうだ。
――なんなんだ、これは。無性に腰が振りたい。
「うわぁ、レズリーのおちんちん、大変なことになってるね。かわいそう」
「ウィル……おちんちん、とか言うなよ、その顔と口で」
「え? なんでだい?」
いちいち、エロいんだよっ、とは口が避けても言わないが、実際にウィルは今もエロい顔で俺を見つめている。
朱に染まった頬、目尻。
潤んだ紫の瞳。
上下する肩と息遣いが、ウィルが興奮していると主張している。そんな彼を見ているだけで、俺は軽くイキかけそうになること数十回。
いや、もうッ――マジかよっ!
ズクンッと下肢が揺れて、案の定、勢いよく弾けて暴発してしまう。
「ウィ、ウィル……ッ! あ゛っ――ッ!」
「え? うわっ! うそっ!」
大量の精子をウィルの顔面目掛けてぶっ放した。
これは……かなりクる。そして、情けない。
ふーっ、ふーっ、と荒い息が収まらない。高熱を出したかのように頭がぼー、とする。
一度絶頂を迎えたはずの俺のペニスは再び硬度を復活させ、反り返り、天を仰いだ。
透明なカウパーが溢れて、今度こそ目の前のウィルを早く犯したいと声なき声がヒクヒクと訴えている。
「レズリー、一回だしたばなかりなのに、イクの早すぎ。しかも、もうすでに……」
「う、るせえ。仕方ねえだろ。こんなんはじめてなんだから」
「……気持ちよかったかい?」
「……うん」
「ふふ。良かった。じゃあ次は僕の番だよ、レズリー。んしょ」
「ウィル? 何して……」
「僕、もう我慢できないんだ。レズリー、一緒に気持ちよくなろ? 今度こそ、一つになろうよ。今日は僕が全部するから、君はそのまま寝ていればいいよ」
ほら、とウィルは自分の着ているシャツの袖を捲って俺に勃起したそれを見せてきた。
目に焼きつくほど見ちまったッ!
可愛い反りだったウィルのペニスは凄くおいしそうで、過剰な心臓の鼓動に息が止まる勢いだ。
「ちょっ、寝てればって――っ!?」
はぁ、レズリーのもう硬い、おおきい……すごっ、と囁くように言って、ウィルは俺の上に跨り、ゆっくりと俺のペニスを自分のアヌスに宛がい、腰を下ろしていく。
こいつ、本当に俺と同い年で、初めてなのか?
「はアァッ、ンアッ……レズリーのおっきッ」
「――それっ、反則ッ、だろ」
エロ過ぎる。
トロン、と高潮して潤んだ目尻が空虚を見つめて、熱に溺れている。
完全に意識が明後日の方向へ向いてるのがわかった。
俺の声ももしかしたら聞こえていないのかもしれない。
快楽に支配され、俺のペニスを必死に飲み込もうと細い腰がいやらしくくねらせ、全体重を俺に預けていく。
色欲を色濃く宿したウィルは俺の興奮させる薬物のようで、下肢に今まで経験したことのない血の熱が集結しつつあった。
そりゃあ、俺の息子も元気になるよなぁ……ッ!
正直、その姿や声を聞いてるだけで、イけそうだ。
目尻を朱に染めてその視線を受けて、俺は喉を鳴らした。
すでに暴発寸前だった。
そのとき。
――コン、コン。
とホラー映画でよくあるシーンを再現したかのようなタイミングで扉をノックす音が聞こえて、俺は心臓が飛び出るぐらい驚き、肩を震わせた。
『レズリー? ウィル? 大丈夫?! なんか変な物音が――!』
「い、いや、なんでもなッ――」
「――んあぁっ~!」
――うおーい!? 俺のフォローの意味がねぇ!
俺が身動きしたことが原因で、一際大きなウィルの嬌声が俺たちの寝室とロガのいる廊下にまで響いた。
これは、さすがにバレた。
『……あ~、レズリー、ウィルにあまり無理させちゃ駄目だよ~。それから、お邪魔してごめんね~。それじゃあ、おやすみ~』
――ちょっと待て! 俺は無理させてない。寧ろ無理させられているのは俺であって――っ!
「はぁ……れず、り~、きもち、い……んぁ、はぁ、もっとぉ~」
「このッ、淫乱ッ」
「んぅ、んっ――」
――刺激が強過ぎるっ!
ちなみにまだ先端部分しか入っていない状態でこれだ。
もし、全てをウィルの中に入れたら、どうなるのだろう。
俺の中の好奇心が疼いた。
浮かされた熱に溺れて、意識を持っていかれそうになりながら、俺はウィル細い身体を持ち上げた。
先端だけ入っていた俺が抜けて、ビクリとウィルの身体が震えたのがわかった。
やだっ、れずりぃ、最後までッ、と駄々を捏ねるウィルの唇を無理やり塞いで黙らせた。
ベッドに仰向けて寝かせて、落ち着かせるように唇、鼻先、頬、首筋を舐るように舌を這わせてキスを落としていく。
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