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EP2:常連客
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閉店作業を進めていき、レジ締め程度の作業のみとなった段階で薫は翼以外の従業員に声をかける。
「みんな、お疲れ様。後は翼と俺でできるから上がっていいよ。」
薫が笑顔で告げると、数人の従業員は手にしていた掃除道具などを片付けバックヤードへと足を向ける。各々バックパックやハンドバックなどを手にしフロアに戻ってくると、お先に失礼します。と残る2人に声をかけ次々と店を後にしていく。従業員達が店を後にすると、店内に残ったのはレジ締めを既に進めている薫と、自分と薫の分のコーヒーを手に薫の元へと向かう翼。その他は、店の隅の方で体格には似合わず小さく丸まって寝転がり、幸せそうな表情を浮かべながら寝息を立てている常連客の伸吾のみとなっていた。
「ありがと。悪いわね、翼ばっかり最後まで残しちゃって」
「気にしないでください。俺こうやって薫さん独り占めできる時間案外好きですし?」
「そうですかー。まあ、独り占めって言っても一応伸吾がそこに転がってるけどね」
「意識無いですからノーカウントですよ。」
そんな会話をしているタイミングで大人しく寝ていた伸吾が、俺は悪くない!とはっきりと聞き取れる発音で寝言を発した。レジ締めの作業の手を止める薫と、自分が持ってきたコーヒーを飲もうとした瞬間で動きを止めた翼は伸吾の方を軽く見てから2人で視線だけを合わせお互いにクスクスと微笑んだ。
「それにしても、伸吾さんって不思議な人ですよね」
「なんで?」
「いろんな常連さんいますけど、伸吾さんは特にお気に入りの店子がいるわけじゃなさそうだし…でも毎週の様に店には来てくれるじゃないですか。」
「店の雰囲気が好きってお客さんも結構いるわよ?伸吾もその口なんじゃない?」
「まあそうなんですけど…あ、でも強いて言うなら薫さんの事はすごい気にしてますよね?薫さんが出勤の時は今日みたいにラストまで絶対いるし。」
翼はコーヒーを一口飲みながら、先程はっきりと寝言を発していた伸吾に軽く視線を向ける。視線を向けられている当の本人は相変わらず幸せそうな表情を浮かべて寝息を立てている。翼の言葉を聞いて薫が一瞬手を止めたように見えたが、いつもの様なからかう様に翼に言葉を返す。
「そうなの?俺がいない時の事は分からないけど、確かに俺の記憶ではあいつ常に最後までいるわね」
「そうなんですよ!それに、薫さんがいる時は今日みたいに酔い潰れる事も多いんですけどね。薫さんいない日に来ると飲む量は大して変わらないはずなんですけど、しっかりしてるんですよねー」
「…へー…そうなんだ」
薫は作業をする手は止めず、チラリと伸吾を見る。相手の寝顔が視界に入った瞬間、少し呆れた様に小さく溜息をついた。
30分程度薫は作業をし、横でその様子を翼が眺めていると薫が軽く伸びをする。
「さて、レジ締め終了!翼、お疲れ様。早く帰って休んでちょうだい。」
「結局俺、レジ締め一切やらずに終わっちゃいましたね。なんかすいません、邪魔してただけみたいになっちゃって…」
「いいのよ。ああでも言わないと学帰らなかっただろうし。1人で作業してると退屈だから、翼がいてくれると助かるのよ」
自分達がコーヒーを飲むのに利用していたグラスを翼がサッと片付ける。その足でバックヤードに行き、自分と薫の荷物を手に戻ってくる。
「それじゃ、一緒に伸吾さん送っていきましょうか」
「大丈夫よー。どうせ、家と同じ方向だし。翼は真逆でしょ?気にしなくていいからサッサと帰んなさい。鍵締め俺がしておくから」
「そうですか?じゃぁ、先に失礼しますね。お疲れ様でした」
薫に軽く一礼し、そのまま翼は店を後にした。翼が店を出た事を確認すると、薫はバックヤードなどの戸締りに周る。残るは店の入口の戸締りのみとなった状態で、今だに寝息を立てている伸吾に歩み寄りその場にしゃがんだ。
「こら、伸吾。鍵閉めるわよ。起きて」
「んん…」
相手の頬を人差し指で突つきながら起こそうと声をかける。3度程繰り返したところで、伸吾が丸まっていた状態から、上半身を起こし寝ぼけ眼で薫をボンヤリと見つめる。
「ほら、起きなさい。帰るわよ」
「…薫…」
「え、ちょっと?!」
寝ぼけ顔の伸吾に呆れ半分に薫は微笑む。それに反応するように、今だに寝ぼけているであろう伸吾は相手に覆い被さるように抱きついた。いきなりの行動に対応しきれず、薫は相手の体重を支える事ができずフロアに押し倒されるような形になった。
「ちょっと、伸吾っいい加減に起きなさいよ!」
自分よりも大分体格のよい相手を退かすことができず、薫はジタバタと抵抗を試みる。その動きで目が覚めたのか、伸吾がやっとまともに言葉を発する。
「…あれ、薫…?なんで俺の下にいんの?」
「あんたが寝ぼけて押し倒してきたの」
「そっか…で、ここどこ…?」
「うちの店よ。ほら、早く帰るわよ!」
薫に促されやっとフロアに座り込み、左手で軽く頭をかきながら欠伸をする。他のお客や、従業員がいないことを店の中を見回して認識する。そんな伸吾をよそに荷物を片手に店の入口にそそくさと足を進める薫。親鴨において行かれないように必死についていく小鴨の様に少し慌てた様子で、伸吾は薫の後を追った。2人で店を出ると、慣れた手つきで薫が店の鍵を閉める。
「タクシー捕まえる?それとも酔い覚ましに歩きますか?」
「酔ってんのはあんただけ。この時間タクシー待つ方が時間かかるから歩きましょ。」
ふざけたように帰りの手段の提案をした伸吾に対して、いつもの事だと言わんばかりに薫は言葉を返しそのまま歩き始める。店を出る時とは違い、伸吾は薫の横に並んで歩き出す。
「あんたさ、さっき翼に聞いたけどあからさますぎ」
「何が?」
「俺がいる時だけ酔い潰れてるし、閉店まで絶対いるって翼言ってたわよ」
「あれま。あいつしっかり見てるねー」
「バカ。常連なんだし、あんた図体でかいんだから嫌でも目立つわよ」
「お前ほんと口悪いよな?まあ、そう言うとこも嫌いじゃないけどさー?」
「っ…ほんと、バカ…」
そのまましばらく無言で2人は足を進める。お互い特に居心地が悪そうな雰囲気はなく、逆に伸吾は居心地が良さそうな表情で口笛を吹きだした。薫はそれを止める事もなく、相手のしたいようにさせている様だ。上機嫌になったのか、伸吾が薫の肩に手をまわす。
「店では絶対するなって言ってあるわよね」
「ここは店じゃないですよー」
「…俺だって、好きで隠してるわけじゃないんだからね。そこは分かってよ?」
「そんなん分かってるよ。薫ママはみんなのママだからなー?でも今は俺だけの薫でしょ?」
「…あんたほんとそういうセリフ好きよね…」
「薫も嫌いじゃないだろ?」
「…うっさい…」
口では悪態をつきながらも、薫は自分の肩にまわされた相手の手に自分の指を絡める。2人の関係は2年程になるが、今だにこの関係を知っている人間はいない。学も含め、店の人間は【店のママに懐いている常連客】と【世話好きの店のママが懐かれている相手を放っておけない】程度の関係だと思っている事だろう。相手が伸吾であれば、公表してもいいのではないかと思う反面、隠しておかなければいけない。と、薫はある種の使命感に駆られていた。そんな薫の気持ちを本能的に察している様で伸吾自身も周りに公表する事はなかった。
「…言わないでいてくれてるのはありがたいけど…あんたすぐ態度に出るのよ」
「なるべく出さな様に努力はしてるんだけどなー」
「今すぐには言えないけど、いつかみんなに言うから。それまで待ってて欲しい…かな…」
「分かってるよ。薫のタイミングで好きなようにやればいい。俺って一途だし?それに、関係隠してるのって、ある意味余計燃えるよね。」
茶化すように薫に微笑みながら伸吾は告げる。ほんとバカよね、とお決まりの憎まれ口を相手に浴びせる。やり取りだけ耳にすると、仲が悪そうにも思えるが2人には他にはない深い絆があるようにも見える。
店に足を頻繁に向ける常連には、それぞれ理由があるものだ。
「みんな、お疲れ様。後は翼と俺でできるから上がっていいよ。」
薫が笑顔で告げると、数人の従業員は手にしていた掃除道具などを片付けバックヤードへと足を向ける。各々バックパックやハンドバックなどを手にしフロアに戻ってくると、お先に失礼します。と残る2人に声をかけ次々と店を後にしていく。従業員達が店を後にすると、店内に残ったのはレジ締めを既に進めている薫と、自分と薫の分のコーヒーを手に薫の元へと向かう翼。その他は、店の隅の方で体格には似合わず小さく丸まって寝転がり、幸せそうな表情を浮かべながら寝息を立てている常連客の伸吾のみとなっていた。
「ありがと。悪いわね、翼ばっかり最後まで残しちゃって」
「気にしないでください。俺こうやって薫さん独り占めできる時間案外好きですし?」
「そうですかー。まあ、独り占めって言っても一応伸吾がそこに転がってるけどね」
「意識無いですからノーカウントですよ。」
そんな会話をしているタイミングで大人しく寝ていた伸吾が、俺は悪くない!とはっきりと聞き取れる発音で寝言を発した。レジ締めの作業の手を止める薫と、自分が持ってきたコーヒーを飲もうとした瞬間で動きを止めた翼は伸吾の方を軽く見てから2人で視線だけを合わせお互いにクスクスと微笑んだ。
「それにしても、伸吾さんって不思議な人ですよね」
「なんで?」
「いろんな常連さんいますけど、伸吾さんは特にお気に入りの店子がいるわけじゃなさそうだし…でも毎週の様に店には来てくれるじゃないですか。」
「店の雰囲気が好きってお客さんも結構いるわよ?伸吾もその口なんじゃない?」
「まあそうなんですけど…あ、でも強いて言うなら薫さんの事はすごい気にしてますよね?薫さんが出勤の時は今日みたいにラストまで絶対いるし。」
翼はコーヒーを一口飲みながら、先程はっきりと寝言を発していた伸吾に軽く視線を向ける。視線を向けられている当の本人は相変わらず幸せそうな表情を浮かべて寝息を立てている。翼の言葉を聞いて薫が一瞬手を止めたように見えたが、いつもの様なからかう様に翼に言葉を返す。
「そうなの?俺がいない時の事は分からないけど、確かに俺の記憶ではあいつ常に最後までいるわね」
「そうなんですよ!それに、薫さんがいる時は今日みたいに酔い潰れる事も多いんですけどね。薫さんいない日に来ると飲む量は大して変わらないはずなんですけど、しっかりしてるんですよねー」
「…へー…そうなんだ」
薫は作業をする手は止めず、チラリと伸吾を見る。相手の寝顔が視界に入った瞬間、少し呆れた様に小さく溜息をついた。
30分程度薫は作業をし、横でその様子を翼が眺めていると薫が軽く伸びをする。
「さて、レジ締め終了!翼、お疲れ様。早く帰って休んでちょうだい。」
「結局俺、レジ締め一切やらずに終わっちゃいましたね。なんかすいません、邪魔してただけみたいになっちゃって…」
「いいのよ。ああでも言わないと学帰らなかっただろうし。1人で作業してると退屈だから、翼がいてくれると助かるのよ」
自分達がコーヒーを飲むのに利用していたグラスを翼がサッと片付ける。その足でバックヤードに行き、自分と薫の荷物を手に戻ってくる。
「それじゃ、一緒に伸吾さん送っていきましょうか」
「大丈夫よー。どうせ、家と同じ方向だし。翼は真逆でしょ?気にしなくていいからサッサと帰んなさい。鍵締め俺がしておくから」
「そうですか?じゃぁ、先に失礼しますね。お疲れ様でした」
薫に軽く一礼し、そのまま翼は店を後にした。翼が店を出た事を確認すると、薫はバックヤードなどの戸締りに周る。残るは店の入口の戸締りのみとなった状態で、今だに寝息を立てている伸吾に歩み寄りその場にしゃがんだ。
「こら、伸吾。鍵閉めるわよ。起きて」
「んん…」
相手の頬を人差し指で突つきながら起こそうと声をかける。3度程繰り返したところで、伸吾が丸まっていた状態から、上半身を起こし寝ぼけ眼で薫をボンヤリと見つめる。
「ほら、起きなさい。帰るわよ」
「…薫…」
「え、ちょっと?!」
寝ぼけ顔の伸吾に呆れ半分に薫は微笑む。それに反応するように、今だに寝ぼけているであろう伸吾は相手に覆い被さるように抱きついた。いきなりの行動に対応しきれず、薫は相手の体重を支える事ができずフロアに押し倒されるような形になった。
「ちょっと、伸吾っいい加減に起きなさいよ!」
自分よりも大分体格のよい相手を退かすことができず、薫はジタバタと抵抗を試みる。その動きで目が覚めたのか、伸吾がやっとまともに言葉を発する。
「…あれ、薫…?なんで俺の下にいんの?」
「あんたが寝ぼけて押し倒してきたの」
「そっか…で、ここどこ…?」
「うちの店よ。ほら、早く帰るわよ!」
薫に促されやっとフロアに座り込み、左手で軽く頭をかきながら欠伸をする。他のお客や、従業員がいないことを店の中を見回して認識する。そんな伸吾をよそに荷物を片手に店の入口にそそくさと足を進める薫。親鴨において行かれないように必死についていく小鴨の様に少し慌てた様子で、伸吾は薫の後を追った。2人で店を出ると、慣れた手つきで薫が店の鍵を閉める。
「タクシー捕まえる?それとも酔い覚ましに歩きますか?」
「酔ってんのはあんただけ。この時間タクシー待つ方が時間かかるから歩きましょ。」
ふざけたように帰りの手段の提案をした伸吾に対して、いつもの事だと言わんばかりに薫は言葉を返しそのまま歩き始める。店を出る時とは違い、伸吾は薫の横に並んで歩き出す。
「あんたさ、さっき翼に聞いたけどあからさますぎ」
「何が?」
「俺がいる時だけ酔い潰れてるし、閉店まで絶対いるって翼言ってたわよ」
「あれま。あいつしっかり見てるねー」
「バカ。常連なんだし、あんた図体でかいんだから嫌でも目立つわよ」
「お前ほんと口悪いよな?まあ、そう言うとこも嫌いじゃないけどさー?」
「っ…ほんと、バカ…」
そのまましばらく無言で2人は足を進める。お互い特に居心地が悪そうな雰囲気はなく、逆に伸吾は居心地が良さそうな表情で口笛を吹きだした。薫はそれを止める事もなく、相手のしたいようにさせている様だ。上機嫌になったのか、伸吾が薫の肩に手をまわす。
「店では絶対するなって言ってあるわよね」
「ここは店じゃないですよー」
「…俺だって、好きで隠してるわけじゃないんだからね。そこは分かってよ?」
「そんなん分かってるよ。薫ママはみんなのママだからなー?でも今は俺だけの薫でしょ?」
「…あんたほんとそういうセリフ好きよね…」
「薫も嫌いじゃないだろ?」
「…うっさい…」
口では悪態をつきながらも、薫は自分の肩にまわされた相手の手に自分の指を絡める。2人の関係は2年程になるが、今だにこの関係を知っている人間はいない。学も含め、店の人間は【店のママに懐いている常連客】と【世話好きの店のママが懐かれている相手を放っておけない】程度の関係だと思っている事だろう。相手が伸吾であれば、公表してもいいのではないかと思う反面、隠しておかなければいけない。と、薫はある種の使命感に駆られていた。そんな薫の気持ちを本能的に察している様で伸吾自身も周りに公表する事はなかった。
「…言わないでいてくれてるのはありがたいけど…あんたすぐ態度に出るのよ」
「なるべく出さな様に努力はしてるんだけどなー」
「今すぐには言えないけど、いつかみんなに言うから。それまで待ってて欲しい…かな…」
「分かってるよ。薫のタイミングで好きなようにやればいい。俺って一途だし?それに、関係隠してるのって、ある意味余計燃えるよね。」
茶化すように薫に微笑みながら伸吾は告げる。ほんとバカよね、とお決まりの憎まれ口を相手に浴びせる。やり取りだけ耳にすると、仲が悪そうにも思えるが2人には他にはない深い絆があるようにも見える。
店に足を頻繁に向ける常連には、それぞれ理由があるものだ。
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