くず異世界勇者~こんなくそ世界でも勇者してやるよ~

和紗かをる

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第12章 1件落着とはいかないどんでん返し?それが醍醐味だったら醍醐味なんか俺は遠慮したい。

11-4

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「がぁぁ~うざってぇ!!」
 青い重装甲な鎧を装着した戦士が吹き飛ばされ、その背後に横烈を組んだ体よりも大きな盾を構える一団にぶつかる。一瞬だけ盾の列が怯んだように見えたが、直ぐに立て直し、ゆっくりじわじわと盾の列が進んでくる。非常にゆっくりし物で、目の前の敵に集中していると、いつの間に近くまで進ん来てしまい驚く。この盾の列が城壁の下あで進んだら、もうおしまいだ。
 城壁の中に戦えるものは僅かしかいない。大多数は戦う訓練すら受けたかどうか怪しい者たちで、戦に参加する意欲はある物の、実際に前線になど立たせたら邪魔で足手まといでしかない。
 よく言う無能な元気者って奴だ。元気いっぱい戦いを主張するが、無能なのですぐに敵に殺される。さらに殺されるだけでなく、仲間を道連れにしたり、血気逸って重要な時に勝手に突撃して、防御に穴をあけたりだ。
 その点巫女姫が良く判っていて、自らの信徒でも戦えるものと戦えない物をきっちり分けていた。戦えるものは無論戦うために城壁の外に出て戦う。
 じゃあ、戦えない者は城壁の中の安全な場所で震えて居ろと言うかというと、そうではない。戦えない者は戦えない者の仕事をきっちりと作ったのだ。
 戦えない者の中でもそれぞれの持つ職種に合わせて、ある物は鎧の下に着る防刃シャツを作らせたり、またある者は罠に使うための毒粘液を作ったりと、仕事を分けて与えた。
 数だけは多く集まった信徒たちは自分委も出来る事があると、意気込んで競い合う様に自分たちが割り振られた仕事に邁進している。
 それは俺たち前衛組が戦いを始めたこの瞬間にも、続いている。誰も逃げないし、逃げ場がないことも知っている。どこかの都市に逃げ込んでも一度異端と認定されれていれば、その都市の教会勢力から通報され、落ち着く暇もなく教皇庁の巡回騎士団がやってきて殺される。
 それに、自分たちを導き、守り、最後の希望を与えてくれている巫女姫が病で動けないのに、自分たちだけが逃げるとは誰一人思っていない。
 鉄の結束。そう呼べば何か宗教のカリスマに洗脳されてでもいるかのようだが、実際は呑んべぇの親父が、贔屓の孫を可愛がるのと、暖炉の前で寝そべる子供を見つめるのと同じ気持ちで、信徒は結束しているだけだ。
 かくいう俺も、巫女姫に惚れてここに居るだけなんだしな・・・。
 しかし、その瞬間なぜか無表情だがはっきりと怒っていると判る顔で、右手に包丁、左手に金づちを握って近づいてくるショートカットの少女の姿が浮かんで慌てて頭を振って打ち消した。
 この城塞都市に潜入し、まだ巫女姫が立って歩いていたころ、どんな相手だろうかと部屋に忍び込んだ時に出会った少女。
 妙な空気感を持つ少女で、魔王と同じ系譜にある俺の隠ぺいを見やぶりやがった。ナイフを使った戦闘力も人間として仮定するとかなり上位者だった。後で巫女姫自身に聞いたが、人間って種族はメイドには2種類あって、武を追求しつつ、主人に仕える戦闘メイドと政を追求して、主人の館内部の政だけでなく、主人の立場に応じて政を仕切る種類のメイド策士がいるそうだ。聞いた時はなるほどと思ったが、よくよく考えたら気ちがいの沙汰としか思えない。少女にしか見えないメイドに戦闘訓練を施す人間と言う種族は、やっぱり俺とは違う種族で異質だ。
 最初の出会いはナイフを持っての戦闘だったが、それ以降、巫女姫の命令か、あいつの主人である奥様?の命令か判らないが、なんかあいつは俺の近くにいる事が多くなった。
 人間の常識を知らない俺を補佐して、たまには実力で矯正してきたりした。
 はっきり言ってうざったかったが、その存在が居たからこそ巫女姫の側にいることが出来たのも事実だ。
「ええい、邪魔だ!」
 背中には、巫女姫と、メイドのあいつがいる城門がある。俺は門番としてこの後ろに敵を通すわけにはいかない。しかし敵は多く、味方はほとんどいない。
 先ほど吹き飛ばした青い重装鎧の敵も立ち上がり、徒党を組んで近づいてくる。
 吹き飛ばす事は出来るが、装甲を切り裂くほどの武器は無いので、じり貧だ。魔族としての能力を全開放すれば一気に蹴散らす事も出来るが、それは巫女姫との約束で出来ない。
 彼女の側にいたいのであれば、俺が魔族としての力は封印しないといけない。そうしなければ彼女が魔族の仲間と言うレッテルを張られてしまう。
 近づいて来た敵を大ぶりな斧でなぎ倒すが、鎧に少しへこみが出来るだけで、切り裂く事は出来ない。逆に斧の刃の部分にひびが入ってしまう。おそらく鎧が術式で保護されている。
「まずいな・・・」
 俺は何とか敵を押し返しているが、左右の仲間と言える人間たちはそうではない、一回一回で傷つき、今にも全滅してしまいそうだ。そうなると左右から囲まれて流石いまずい。
 そう思っている間にまた敵が近づき、槍を突き出してくる。それを脇腹を掠られながら柄を掴むと、力に任せて放り投げる。
 今の一瞬で、左右にいた味方は突き倒される。
「くそっ」
 刃こぼれしている斧を正面の敵に投げつけ、倒れている味方の元に跳躍し、今にも首を取ろうとしている鎧の塊を蹴り飛ばす。
「大丈夫かっ」
「ああ、すまない、だけどこれはもう・・・」
 数に飽かせて一気に攻め寄せられたら、門まで下がるしかない。見える範囲は全て敵。
 まだ敵がなぜか術式を使って来ないせいで何とかなっているが、ただの時間稼ぎにしかなっていないのは判っている。
「お前らは引けよ、今ならあだ門の中に帰れる、家族、中なんだろう?」
「しかし・・・」
 逡巡するが、あいにくと敵は待ってくれなかった。
 今までゆっくりとしか動いていなかった盾の列が、術式を使ってか走る様に迫ってくる。
 シールドバッシュと呼ばれる盾突撃だ。
 万全なら突っ込んでくる盾の壁を飛び越えて、無防備な背中を狙う方法を取れるが、味方は傷だらけの崩壊寸前で、俺が一人で反撃しても味方が突き崩される。
「後ろは任せろっ、グダグダ言ってないで、いいから走れぇっ!」
 数十人いた味方が今や数人になっている。そいつらがよろよろと走り出したのを見た俺は、深呼吸をして正面に迫る盾の壁を睨みつける。
「あ~あ、兄貴は絶対に俺がこんな事をしてるって絶対に気づいていないだろうな、まさか人間を守って戦うだなんて」
 武器はもう無い。相手が重装甲と知ってなるべく固い武器を選んで斧のしたが味方を助ける為に捨ててしまった。刃こぼれもしていたし、拾いにっても武器としての寿命はもうなかった。
 残るのは兄から譲られた水竜の鱗に守られた鎧と、魔族の体だけだ。
 こうなっては後の事を考えずに、力を開放するしかないか・・・。
 それで巫女姫を窮地に立たせるかもしれないが、これで敵に門を破られたら、どっちみち逃げ場のない巫女姫もあいつも殺される。
「覚悟の決め時ってやつかっ」
 魔族としての力を開放し、敵をなぎ倒す。
 こぶしを握り締め、力を開放する・・・。
「はーいそこまで!意外によく練ったじゃないの門番野郎、勇者様が直々にほめてやるから、一回落ち着け、なっ」
 どっから現れたのか、あの自称勇者が現れやがった。しかもこっちは疲労困憊で最後の力に賭けるしかないって状況なのに、飄々と傷一つ、汚れ一つもない余裕の笑顔で登場しやがった。
「うっさい、お前なんかお呼びじゃないんだよ、自称勇者かなんか知らないがすっこんでろっ」
「ああ~相変わらず、場の空気とか口の利き方とか全然わかってねぇ野郎だなぁ、良いのかよ?勇者様が手助けしてやろうってんぞ?ここは泣いて喜んで今までの無礼を詫びて申し訳ありませんまでがテンプレだろうがよ」
「勇者様、もうその辺で、仮にもここは戦場です、あまり長話をしていらっしゃいますと」
 勇者と一緒に現れた、どことなく王国の姫様に似た小娘がしとやかに宣う。見た目は美少女で戦場には似つかわしくない存在で、周囲の空気を一変させるものを持っている様だけど、それでも巫女姫に比べたらまだまだだな。
 体型も年齢も全然足りていない。
 とか思って見ていたら、瞳孔が消えたツンドラ地帯張りに冷えた目で睨まれた。
「ひぇっ」
「ちょっと、もう本当に私まで巻き込まないでくれるかな」
 こちらも一緒に勇者と現れた鎧と槍を装備した騎士。見た目だけなら戦場に一番似つかわしいけれど、その腰に何やら芋虫みたいに幼女をぶら下げている。
 なんだこいつら。やっぱり勇者ってのは自称で、本当は勇者のモノマネかなんかで稼ぐ大道芸人じゃなかろうか?
「それに、ほらっ勇者様、動きが変わりますよ?」
 姫様似の少女が指さす先には守るべき門がある。が、その門が、開かない筈の門が内側からゆっくりと開き出した。
「あ~あ、見せ場は持っていかれちゃうか~仕方ない姉姫様、聖騎士ちゃん、ほらっいい加減正気に戻れよ魔法少女」
 内側から開いた門から出て来たのは、戦闘メイドのあいつを先頭に20人くらいのメイド隊、その後ろに僅かにいる執事隊、さらに後ろに100人以上の一般人が続く。
 きっかり武装しているのは前のメイド&執事隊だけで、一般人は草刈り鎌とか先端を加工した農具などを持っている。
 正面から戦って勝てる戦力じゃない筈なんだが、その一般人たちの目つきはヤバい。
「ほほう、これって淫魔の力だよな、やっちゃったねあいつら」
 淫魔の力?淫魔と言えば所謂エロい系や魅了系に特化された能力を持つ一族で、魔族内でも有名であるが、その地位はかなり低い。はっきり言って統治に邪魔だからだ。
 誰もかれも魅了されてボロボロになるし、魔族だろうが人間だろうが簡単に犯し犯されの関係になって、種族としての壁も簡単に破壊しそうなやつらだった。
 そんな淫魔の種族は、兄を含む古大陸にいる魔王が共同で弾圧したのが30年ほど前。いまや古大陸にいる純粋な淫魔は特別に保存されている数体を除いて、全て魔大陸に追放となっている。それが何故いま?
「ええ、純潔の淫魔ではありませんが、彼等彼女らは今まで人間に擬態して生活していたましたの、それを皆にバラシてでも勇者様に協力するとはすばらしい事ですわね、あなたもそう思いますでしょう?」
 とか、なんかお花畑みたいなことを言っている奴がいるが無視。今は目の前のにやけへらへら顔の勇者がムカツク。
「大体、なんでもっと早く現れなかったんだ勇者様ならよっ!どうせどっかでさぼって恰好よく登場する練習でもしていたにちがいねぇ、それに巫女姫様の事だって!」
 怒りが沸き上がる。俺が敬愛する愛しい巫女姫様と恋仲だって言うのに、病になった巫女姫様を放置して、今度はこんな少女趣味だなんて許せるか。巫女姫様は病床でもその前でも勇者を待っていたって言うのによっ!
「うん、言いたいことは判った、しかし口は禍の元だぞ門番君、だから少し黙っていたほうがいいぞ」
「なにをっ!」ガンっ
「フフスのお莫迦!今は戦闘中で、今は勇者様が現れた千載一遇のチャンス、それを門番であるフフスが無視して邪魔していいだなんて誰も、私も巫女姫様も言ってない」
 脳天に、今まで持っているところを見た事が無かった鬼の金棒が振り下ろされた。
 これって魔族の力解放の為に魔力を溜めていたから平気だけど、一般人だったら即死攻撃だよな。
「うだうだと絡むところがフフスの良くないところ、巫女姫様を守りたい?それともまさか見捨てたい?」
「見捨てたいわけがないだろう!」
「そう良かった、もし見捨てるって一言でも、ましてや頭の片隅ででも思ったなら、私がもう一回脳天ぶち割って中身入れ替えてあげるとこだったよ、助けたいなら今する事は勇者様に絡むこと?」
「わかったよ、とりあえずは目の前の敵をなんとかしんなきゃって言いたいんだろう、いいか自称勇者、巫女姫様を守るのは俺だからなっ!」
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