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It's time 4 a coffin break!
It's time 4 a coffin break!【3】
しおりを挟む「で、話したい事ってのは?」
「うん。大した事じゃないんだけどね」
「雑談でもなんでもどんとこい! 人と話すの嫌いじゃないし、遠慮しないで」
(屮゜Д゜)屮カモーン←思わずこのジェスチャーしちゃったよ。
「うん。えっと…………違ったらスルーしてね? もしかしてなんだけど……こういう集まり、あんまり好きじゃなかったかなって心配になって」
赤の他人だからこそ出来る悩み相談かなんかだと思ってたら、まさかの議題:私。
「え、なんでいまさらそんな事?」
確かにこういう集まり自体は好きじゃないけど、メンバーがみんなだから楽しいし、嫌だったら途中で帰ってるし。ずっと気にしててくれたのかな。
「せっかく長時間の無賃労働から解放されたのに、カリンが少しも喜び素振りを見せないからではないでしょうか」
長時間の無賃労働ね。volunteerの意味とはズレるにしても、実情としては大体合ってる。てかパックも気配消すの上手杉。世が世なら世界中に名を轟かせる暗殺者。暗殺者の名前が知れ渡るとか致命的だけど。
「ちょっと、パックってば直球すぎない? せっかく濁して言ったのに~」
「心配してそのような言い回しを選んだんでしょう。ヴィニーが器用なのか不器用なのか、何万年一緒にいても私には判断がつきません。本当に食えない人ですね」
いつのまにか近寄ってきていたパックは恒例になったゴーストジョークを飛ばしつつ、完璧に盛り付けられた器をサーブしてきた。単品でも美味しそうだった料理たちがさらに美味しそうに見える。
「気にかけてくれててありがとう」
お礼を言ったら軽く会釈されたけど、通常の真顔(?)よりぎこちない。
「食えないって……パックにだけは言われたくないんだけど!」
笑うヴィニーを見て、パックも安心したように破顔した。
「今度は否定しないんですか? 『俺たち、人じゃないってば』って」
「そう言ってやるな。いくらヴィニーがポーカーフェイスといっても、図星を突かれて動揺する事くらい誰にでもあるだろう」
「うふふ。結局、スーに皆まで言われてしまったね?」
「ほんとだよ、もう……。あーあ、恥ずかしい!」
スーもチルも寄ってきた結果、だだっ広い空間なのにソファの一ヶ所に密集してる状態になった。わかっちゃいたけど、このメンバーよっぽど仲良しなんだな……。こんなに微笑ましい面積の無駄遣いってあるんだ。
「あははっ! あんたたち見てると、ほんと元気出る」
憂鬱な気分が完全に解消されたわけじゃなかったけど、私は声を上げて笑った。
四人に囲まれる構図、これでたぶん三回目じゃない? 前にされたときは二回とも切実にやめてほしいと思ってたけど、なんかいまは安心する。
座ってるから身長差が気にならないだけって可能性も否めないけどね。座高そんなに変わらないんだけど、脚の長さどうなってんのさ。
最近はアクスタ出す芸能人も多いけど、みんなの場合はアクスタが人間になっちゃったみたいだな……なんて考えてたら、ますます笑いが込み上げてきた。
「……よかったよ。笑ってくれて」
「うふふ、カリンが笑ってくれると安心するね?」
みんなのしてくれたこととまったく関係ない事で笑いが堪えきれなくなった私を、今日はなんと、天ぷらにですね。
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