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Happyyy Halloweeeen!
Happyyy Halloweeeen!【17】
しおりを挟むそのへん補強してくれるエピソードでも出てくればいいんだけどな、なんて思っていたところにヴィニーの順番が回ってきた。
「『彼らは冥界の主から授かった美貌に加え、それに見合う言動や振る舞いを身につけて、瞬く間に人々を魅了しました。恋は盲目と言いますが、恋に限らずとも、好いた相手を前にしたとき……人は判断が鈍るものです』」
ここで声色変えてくるとか。お金取れるよ、マジで。マルチな才能。どこでも食っていける人材。金輪際現れないなんちゃらの生まれ変わりか?
……っていう私の感想、まさにヴィニーが話してた内容とリンクするよね。
贔屓目とか欲目とか言い方は色々あるけど、比較対象全部を公平に見るなんて無理だって事。ただの歌詞引用定期。
「『彼らはそこに目を付けました。油断を誘うために、人々の心を掴む事に腐心したのです。計画が露見してはいけませんから。そして、街中の人間の信頼を勝ち得ると……美しい魔物たちは、人々を特別な催しに招待します。その時期はちょうど、誰もが心待ちにしている、お祭りの季節でした』」
ちょうどとか言ってるけど白々しくない?
元々ゴミだった子たち的にはそうなんだろうけど、冥界の主さんは人間たちの警戒心が解ける頃を逆算してたんじゃないの。
冥界での仕事って果たすべき義務でしかなくて、報酬ゼロっぽくない? 神話の有力な説がどうとかじゃなくて、あくまでこの話では。
冥界に来る魂は大体が元人間なんだろうし、ハデス(仮)的には『常に繁忙期だっていうのにイレギュラーな追加業務(※しかもクソめんどい)が発生した』みたいな状況だったんじゃないかって……考えまとめてるだけで憂鬱になってきた。
なんで急にこんな事を話し出したかっていうと、『対応してやる必要なんてどこにもないお客様の願いを一方的に叶えてやるだけじゃ割に合わない。図々しい奴らだけど、ちょうどいい。恩を着せて利用してやろう』みたいな悪心がハデス(仮)に芽生えたんじゃないかと思って。
普段どんなに優しい神様だとしても、オーバーワークで疲労困憊、追い詰められてる状態じゃ普段通りってわけにはいかないじゃん。
最初に交換条件を提示したときはまだそこまで具体的な策は詰めてなかったっぽいけどね。
「『そのお祭りの起源は古く、収穫を祝うためのものでしたが、お祭りの行われる日は夏の終わりと冬の始まり……。すなわち季節の切り替わりでもあり、その日は冥界と人間界の境界がなくなってしまうとされていました。そのため、死者たちが現世に里帰りする事が出来るだけではなく、悪霊がやってきて生者を冥界に連れ去る事も出来てしまうというわけです』」
ハロウィンの起源ですね、わかります。チルの話に頷く。
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