“Boo”t!full Nightmare

片喰 一歌

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We hope your Halloween is a ”Treat”!

We hope your Halloween is a ”Treat”!【46】

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「なるほど。半分は栽培経験者だったわけか。じゃあさ、『おばけかぼちゃ』栽培経験のある二人に主に訊きたいんだけど、『おばけかぼちゃ』に魂が宿る確率が低い理由ってはっきりしてる? もしくは『こうなんじゃないか』みたいな考察してたら訊きたい。普通に考えて、成功率は低くなるだろうなって予想はつくけどさ……」

 たったいま思い出しましたって風を装って、もう一組のペアに問い掛けた。

(食い付け…………。いや、食い付いて!)

 パックもヴィニーも根が優しいし頼られるととことん親身になってしまううえに、考えることが好きなタイプっぽいし、いまの話中断してでもこっちのおばけかぼちゃ談義に参加してくれるんじゃないかという可能性に賭けただけで、賢さなんてどこにもない運任せの作戦だった。

 でも、一瞬でも追及を逃れられたら、ヴィニーはうまいこと逃げ切るだろうし。運任せというよりヴィニー任せの作戦だったかもしれない。

「カリンにはなにか思い当たることが?」

 一番最初に反応したのはパックだった。私の目論見どおりだ。

「思い当たるってほどじゃないんだけど。…………さっきの話的にさ、想い人の魂が宿る噂があっても成功率激低なのって、先客が犇めき合ってるせいなんじゃ……って思ったんだけど、違うかな?」

「先客…………というのは、栽培過程で混入した念などのことをおっしゃっているという認識でよろしいでしょうか?」

 細かく確認を取ってくるパックがやっぱりシゴデキすぎて惚れかけた。

「そう。パックはなんて言ってたっけ? 植物の光合成に必要な三つの要素的なノリで解説してくれてた……よね?」

「言っていたな。確か……『冥界の嘆きを浴びた土に、死者の後悔や怨念……。瘴気を多分に含んだ大気とハーさんの絶大な魔力によって輝く偽物の太陽光』、だっただろうか?」

「うん。完璧に暗記してたねぇ」

「俺はよく知らないんだよね~。あれって必須条件なの?」

「……フフ、どうなんでしょう? 便宜上は『そういうことになって』はいますが、『本当のところは誰にもわからない』のではないかと私は思っています」

「うふふふ。パックの言い方って、とっても難しいよねぇ。もう少し説明してほしいなぁ」 

 詳細な解説キボンヌって思ってたら、チルが突っ込んでくれた。代弁大感謝D.D.。頭いい人たちが納得し合って着々と謎が解けていってるのに、自分のおつむがあれなせいで置いてきぼり食らうのはアニメやゲームを履修しているときだけで十分だ。

「だって、冥界はそういう地でしょう? 死者とそれに付随するものすべてが渦を巻く場所です。終着点ですから、先などはございません。あるはずもないんです。…………生きているあいだに区切りをつけておくべきだった気持ちを、死後も継続して持ち続けている者というのは、珍しくありません。それ自体は理解しますし、同情もしますよ。後悔のない人生なんて誰にも送れませんから。全力で生きていたって、最後になんらかの無念は残るものです。目標は次から次へと生まれるものですから。そう考えると、全力で生きている方のほうが、むしろやり残したことでいっぱいで……望まずとも縛りつけられてしまうのかもしれませんね……」

 一旦、口を噤んだ横顔は、怨敵であるはずの人間への慈愛に満ちていた……というのは、私の願望が大いに入り込んだ見間違いだったのかもしれない。
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