トモダチとツイスターしてたらついつい流されちゃった話♡

片喰 一歌

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Windfall

Wednesday【12】


「…………あたしたちはこいつに良い印象ないけど、ミナミはこいつが良いのよね。散々思わせぶりな態度取られてんのに。シュートがいるじゃないのよシュートが! 容姿端麗でシゴデキで! この男のどこが不満なのよ!? 贅沢すぎない?!! もはやミナミに腹立ってきたわ! そりゃシュートからはアプローチされてるわけじゃないわよ? でも、シュートだってこないだの事件から明らかにミナミのこと意識してるし、ミナミだってちょっと狙ってるでしょ!? 『あいつオトせなかったときのためにキープしとこ♪』って思ってたでしょ?」

 不自然なほど強い桃の香りに助けを求めて缶を傾けるけど、口の中もそして鼻の中でもますますビールの勢力は増す一方だった。

「奏、頑なにニシキの名前言わないよね」

 それまでおとなしくあたしの話に耳を傾けていた響はそう言って、飲み口に口を付けた。

「ん゛んっ!!!」

 大きめの桃の果肉を潰して口いっぱいに広がる甘い香りに溺れて至福に浸っていたのに、響が図星を突いてきたから噛み切らないままの果肉を飲み込んでしまった。グッバイ、愛しの桃……。あたしの胃で消化されるまで達者でいなさいね……。

「か、奏!?! すごい苦しそうな声してたけど大丈夫? 話しかけるタイミング間違えちゃったかな……?」

 響は喉を抑えたあたしの背中にそっと手を添えた。こういうとき、答えを聞くまで動き出さないのがこいつの良いとこだと思う。出すぎた真似はしないのよね。過剰なまでの親切だけが配慮じゃないんだって事を弁えてる本物の気配り上手。

 加えて、劇中の音を消さないために徹底していたくせに、あたしが本気の喘ぎみたいに汚い声出した途端、非常事態だと言わんばかりに独特の金属音させちゃって。

「…………言いたくないの!!! 嫌いな奴の名前とか、発音するだけで口の中セロリとかパクチー食べたあとみたいになるし!」

 喉を抑えながら答えたら、背中のぬくもりがゆっくり移動し始めた。下から上に、上から下に。微睡みたくなってしまうほどの心地好さに瞼を閉じたくなった。

(このチューハイが桃の果肉入りって事はさっき話したから知ってるはずだし、果肉が喉に引っ掛かった事も見当付いたと思うんだけど、優しくさすってきたのはどうして? 普通はとんとん叩くんじゃない? 気持ち良いし嬉しいから良いんだけど…………♡♡)

 今度こそアルコールが含まれているとは思えないほど甘い甘い桃の香りが身体中に行き渡り、天にも昇りそうな心地だった。どうせ良い気分になるなら、響と一緒に死んでも良いくらいの快感を味わいたいんだけど♡♡
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