トモダチとツイスターしてたらついつい流されちゃった話♡

片喰 一歌

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Windfall

Wednesday【20】


(こいつはもう……!! ほっっっんとにもう…………!! なにがなんでも断ってだんこきょひしてやると思ってたのに、そんな可愛い顔見せられちゃったりしたら、あたし、あたし――――! でもでも、1回許しちゃったらTHE ENDよ? きっとこの先も永遠に響は顔の良さで泣き落としにかかってくるわ……! それで良いの、奏!? 好きな男の顔の良さの前に平伏すしかない人生ってのもどうなのよ!?!? あたし的には全然それもOKだけど!!!! でも人間的にどうなのって考えちゃうじゃない! こんなんで大丈夫かって! どうせ色々手遅れだしそこだけ大丈夫になったところでお察しなんだけど!)

 瞼を閉じて視界から強制ログアウトさせても、あざと可愛い響の姿が網膜に焼き付いてしまっていた。あー、ダメだこりゃ。

「……ひと口だけ……ってのはどう?」

 勝ち目のない勝負は早々に降参して勝者の言う事を聞くが吉――なんて、あたしが言うと思った? 敗北はきっちり認めるけど、おとなしく要求全部呑むはずないじゃない。交渉に持って行くに決まってる。

「ひと口だけ?」

 響は組んでいた指を伸ばし、尋ね返してきた。つまり今の響はおやすみのポーズをしてるってわけ。

「…………さっきはああ言ったけど、嫌なわけでも面倒なわけでもないの。本当はあたしだって残り全部口移ししてあげたいに決まってるじゃない。人間国宝に認定したいくらい可愛い響の頼みだもの。……でも、まだ今週のアイセツが途中でしょ? しかも見てよ、めちゃくちゃ良いシーンで止まっちゃってるの! 響だってこのあとの展開気になってるんじゃない?」

 だけどあたしはまだ屈するわけにはいかない。だって今後の人生がかかってるんだもの!

「このあとの展開? そんなのぶちゅってしてガバッて押し倒して、バサ……、ビリッて脱がせたらベッドギシギシさせたあと時間飛んでチュンチュンチュンでしょ? 観るまでもないと思うなぁ」

 テレビを指して矛先を変えようとしたけど、この作戦も響の擬音多めの予想を前に呆気なく敗れた。

 精度はともかく今のは絶対おやすみポーズでする予想じゃなかったと思う。メルヘンとは対極の人間の営みだもの。あんな言い方にされてもまだ生々しかったもの。
 
「…………なんか今の説明チュン多くなかった? 響にとっては鳥がメインなわけ? ……ていうか、響名物擬音頼りの説明は感覚派にしか伝わらないと思うわよ? 『キスしてえっちして結ばれる』ってのをそこに行くまでの過程で発生する情緒とかもなるべく殺さずに言いたかったんでしょうけど」

「そうだろうね♡ 僕は奏ならわかってくれると思って甘えてるだけ♡ しようと思ったら別の説明の仕方だって出来ちゃうもんね♡♡ でも、擬音説明のほうが簡単だから『わかってくれてありがとう』とは思ってるよ♡ それと――――あ、そうそう。チュンが多かったのは『朝チュン』っていうくらいだし、大事なのかなぁと思って3回言ってみただけだよ?」

「なるほど、確かにあんたはそういう奴だったわね…………」

 チュンの真相を聞いなぞがとけたら気が抜けて、背凭れに倒れてしまった。飢えた獣に餌を差し出すような愚行を犯したのは、深層心理では響に強引にあたしを奪ってほしいという願望を持っていたからだろうか。
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