323 / 379
第1幕『半人半蛇(蛇人間)』【華】
第47話『Horse Around』
しおりを挟む(誰か訊いてくんないかな~。飴の人の謎メッセ。なんだったん、あれ。蛇と馬なんて共通点“無”よ、“無”!)
「キャンディちゃん!? お馬さんな蛇ちゃんてナニ!? もしかしてた――――」
打って変わってしっとりしたムードに包まれた会場内を息遣いや呻吟が占めるようになった頃、木馬に乗るように動くキャンディに尋ねる勇者が一人。
「種馬だよ?♡♡ ――――で、クリームパイはいっつも白夜にしてもらってること♡」
今がチャンスと便乗した観客を向いて答えたのち、キャンディはトワイライトに向き直って腹をさすった。
(答えるんや。時間切れや思たわ)
(ほー! 結局教えるんですねぇ!)
(ほんほん、自分が教えたかったってことね)
「…………ああ、そういう感じ? 人間って似てるもの見つけるのが上手いよね」
一瞬で理解したトワイライトは、気怠そうに髪を掻き上げた。
(お前も人間やろがいww 人間…………だよな?)
(キャー!♡♡ キャーー!!♡♡ キャーーー!!!♡♡ 人外生物目線♡♡ これじゃあキャンディ様もメロメロになっちゃいますよね♡)
「すごいよね♡♡ この中、あたしたちの赤ちゃんになるかもしれない子たちでいっぱいなんだよね~……♡♡」
腹に手を当てたまま、キャンディは細かく前後に動き出した。
(((エッ……!!!)))
(((思ったこと言ってるだけっぽいのがこの子のコワイとこだよ…………)))
(現実はどこの夫婦も義務感で淡々とやってんじゃね、って思ってたのに……!! ちくせう! ちくせう! 裏切り者ぉぉお!!!)
「…………グミちゃん、口開けて。こっちもいっぱいにしたくなっちゃった」
先端の割れた舌がキャンディの唇を一筆書きでなぞっていく。観客達の悲喜交々などお構いなしに、二人は舌を絡ませた。
「くっそぉお……!! 何度確認しても『会場内での性器の露出及び性行為またはそれに準ずる行為は禁止』って書いてある…………! 違反者はドナドナ!! 非ッ常にキビシ~ッッッ!!!!」
目を血走らせた近眼の男性がパンフレットをぐしゃっと握り潰した。
「残(念だが)当(然)。運営ちゃんGJ適切な措置。……でも、ジッサイドコ連れてかれるの? サーカスの一員にされる→死ぬまで馬車馬コース……?」
「それはない。もし罰として受けさせられるのが強制労働なら、わざと違反して内部に潜入する奴が続出する。治安は悪化するわ対応に追われるわで運営側に旨みがない。――そもそもの話、普通の奴はこのサーカスに入れないでしょ。すっげー特技持った人間も『ただの人間だから』って入団断られるらしいし?」
「――――まぁまぁみなさん、とりあえずショーに集中したほうがいいんじゃないですか?」
ショーではなくサーカスに関心を向け始めた観客を諫めたのは、スーツに身を包んだ好青年だった。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる