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第一の試練
第一の試練<1>
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そのあとのことはお察しの通りと言うべきか、俺たちはあまり勉強熱心でない大学生カップルの休日の再現みたいな感じの時間を過ごした。
結果的に何枚の避妊具を消費出来たかは不明だが、彼女が気絶してしまったことにより本日の営業は終了、か弱く可憐な声帯は結果的に守られた。
(今って何時くらいだ…………?)
一人残された俺は何時間も放置していたスマートフォンを持ち上げ、時刻を表示した。大体予想していたくらいの時間だった。
ついでに明日の天気もチェックしたが、雨でも晴れでもやることは変わらない気がする。
(……俺もちょっと寝るか。お風呂は紗世ちゃんが起きたら沸かして、先に入ってもらって……。その間に洗濯して軽い食事作ればいいだろ)
画面を消灯し、再び彼女の横にすぽっと収まった。
最初は仰向けになっていたが、目を閉じて数秒足らずでなにか忘れているような気分になって、同じく天井を向いて寝ている彼女に向き直った。
「今日も可愛い声いっぱい聴かせてくれてありがとう♡♡ 最高に癒やされたよ♡♡ …………なんて、もう夢の中だよな。目覚めたら、もう一回言ってあげないと……♡」
つい最近まで不眠で悩んでいたなんて思えない幸福そうな寝顔に口付けをいくつか落とし――いや、顔中埋め尽くす勢いで口付けて、とすべきだろう――最高にいい気分で俺も眠りに就こうとしていたときだった。彼女のスマートフォンが着信を告げたのは。
「誰だよ……。俺だって、こんな非常識な時間に電話しないけど?」
充電器に刺されたスマートフォンの画面が非常灯のようにぼんやり暗闇に浮かび上がっている。
舌打ちするのを堪えてベッドから下り、その灯りを頼りに歩いた。
(個々人の関係性にもよると思うけど、午前零時を回ってからの電話は親しい人相手でも普通は『もう寝てるかもしれないし、非常識だから明日の朝以降にしよう』って思わないかな? 少なくとも俺の感覚だとそうなんだけど、俺のほうが世間ずれしてるのか? そんなことないよな?)
まだ見ぬ着信相手を扱き下ろしている間に充電器の定位置に到着し、一人掛けのソファに浅く腰掛ける。
(とりあえず名前チェックしとかないとな……。元カレとかだったらどうしよう。勢い余って着拒キメないように気張ってないと…………。まあ、こんな時間に電話掛けてくる奴なんて、海外の変な詐欺グループとなそんなとこ――……)
暗かった画面にはっきり表示されている文字を見て、息が止まりそうになった。
どうせ非通知か迷惑電話の番号が表示されているだろうと高を括っていたのに、名前が表示されているということは、電話帳に登録済みの相手だということだ。
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