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第三の試練
第三の試練<6>
(それはヤバいって♡ 本格的にあと数時間滞在することになる。ここが自分ちならなあ……。いや、でも、1回くらいなら――? いやいやいや、1回シたら止まらなくなるじゃん。する前からわかってることだろ? ……抑えろ、抑えるんだ、俺。家帰ってからだ。紗世ちゃんだって早くこの部屋から出たいって言ってるんだから、帰ってから何回でも俺の臭い付けてあげればいいじゃん)
「千尋くんもそうなったら困るでしょ……?」
いい匂いと柔らかいカラダ、甘い声(水分補給がまだだからか、少し掠れていて普段と少し違う印象を受ける)。
彼女自身に誘っているつもりはないんだろうが、俺は少し気を抜いただけで彼女に襲い掛かってしまいそうだ。
「――って言うと、急に脱出ゲームっぽくなるな。あちこちでリアル脱出ゲーム開催されてるけど、今の俺たちの状況のがリアル脱出ゲーム感あるよね」
なにか別の話題でも振れば、勝手に気も紛れてくれるのではと期待して、現状を茶化してみた。
「そうかも。鍵探さなくていいから、難易度最低だけどね?♡ ……千尋くんちにだったら、何日閉じ込められててもよかったんだけどなあ♡♡」
――のに、彼女は抱き着いてきて、あまつさえ無邪気に顔を擦り付けてきて。
「うん、いつでも好きなときに出られるって良心的だよな。そうと決まれば、さっさと出ようか。ご飯は……そうだな……。悪いけど、途中どっか寄ってくか家まで我慢してもらって」
飼い猫希望ならいつでもしてあげるけど――なんてTL漫画でありそうな台詞を押し返し、息を吸った。
彼女が近くにいてくれているおかげか、鼻が慣れてしまったのか、その空間に染み付いた独特の香りはあまり気にならなかった、
「私もそのほうがいい。味はいいかもしれないけど、お部屋の臭いが邪魔でおいしく思えなさそうだし」
「ああ、ありえそう。ファストフードの店とかラーメン屋の排気口とかの油臭さのほうがまだいいよな」
「ふふ♡ どっちも千尋くんは苦手そうだけど♡ 自分が食べてるときはおいしさ倍増するよね、食べ物の油の臭い」
「俺だって、たまにはそういうジャンクなものも食べるよ。修行したり身体絞ったりしてるわけじゃないんだから」
「身体動かしたりはしてる?」
「最近はめっきり。だから、そういう意味でもいいかもなって思ってるんだよ。家庭菜園」
「趣味の範囲でも……だよね? なのに、そんなに引き締まってるの? お顔隠してカラダだけ見てもイイ男とか、意味わかんないんだけど…………♡♡ 初めて千尋くんの裸見てから、服着てても思い出しちゃって……♡」
彼女の呼吸と表情が妖しい感じになってきた――のはほんの序の口だったらしい。
小さな手がぺたぺたと胸からお腹に触れて、このまま好き勝手させていたら、下半身が大変なことになる。
この部屋を出るという超重要ミッションが控えているのに。
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