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恋人遊戯
恋人遊戯<97>
(そんなことしたらおめめ腫れちゃうって言ってるじゃん。何回言ったらわかってくれるんだよ。俺は泣き腫らした紗世ちゃんも見たいけど、紗世ちゃんはそうじゃないんだろ。泣いてる姿なんて情けないと思うタイプだ。メイクする必要もないくらい可愛い顔してるのに、完全武装した自分に比べてノーメイクの自分に自信が持てないタイプだ。たぶん。……『隠さないでほしい』なんてエゴだよな)
苦々しい思いが顔に出てしまっていたのか、彼女の頬が緊張で強張った。
(まあ、見られたくないものも見せたくないものもあるっていうのは誰より俺自身が知ってるし、無理強いするつもりもないけど。というか、そもそも紗世ちゃんが泣くような状況になってるのが――いや、紗世ちゃん泣く寸前にさせるような奴が全部悪いんだし。――って、やっぱ俺のせいじゃんか。他に誰いんのって感じだけど)
赤ちゃん顔負けの柔らかい頬に手を伸ばす。痛みがないように、ファンデーションが撚れないように――。そっと触れたそこは熱を持っていた。
「俺の誘い?」
彼女がまばたきをする瞬間を待って、ぷっくり熟れてとっくに食べ頃を迎えている下の様子もちょくちょく確認してるけど、たぶんそっちもまだほっぺと同じくらいの熱を持っている。
(紗世ちゃんは気付いてなさそうだけど、たまに待ちきれなさそうにぱくぱくしてて可愛いんだよね♡♡ というか、この体勢なら突っ込もうと思えばすぐ突っ込めるんだよな。何をとは言わないし、今日の俺はそんな野蛮な真似しないけどね?♡)
「うん。先週のこと…………。寝てるとき――じゃなくて、私が起きてからのこと。今までの人生でいちばん楽しかったんじゃないかってくらい充実してた土日のこと」
彼女の言葉で先週の思い出がフラッシュバックした。
俺の選んだコーディネートを試着してひとつずつ律義に見せてきた彼女も、ペットショップに入店する前のお転婆なペットのような彼女も。
潮風のなかで一日の終わりを惜しんで、『鏑木くんなら、私のこと連れ帰ってもいいよ?』なんて言った女神とシンデレラのハーフみたいな彼女も。
――――全部一日目のことだって? ご名答♡♡
「そんな風に言ってもらえて光栄だなあ♡♡ 何度も脳内で紗世ちゃんとデートするシミュレーションしててよかった♡ 何事も無駄にはならないって本当だね?♡」
「…………千尋くんは『二日間全力で口説いて誘惑して、それでも靡かなかったらまた地道に頑張ればいいや』とか『記憶なくしてるときのことは自分だけの思い出にしとこう』とか思ってたのかもしれないけど、私は『もしここまでしてもらって友達以上に思えなかったら、次からどんな顔で会えばいいの?』、『もう友達でもいられないかも』って思って怖かったんだよ……?」
所々でひっくり返りそうになる声が、彼女のおぼえていたであろう不安と恐怖を物語っている。
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