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僕の居る場所
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僕にとって、youtubeの為の歌詞作りは、気分転換になっていった。寧大は、才能があって、曲作りは流石だと思う。よく、駅前や地下道で、曲を披露しているのを見かけていた。寧大との出会いも、飲みに行った帰りで、僕のよく知っている歌を弾いていた。合わせて、歌う寧大の歌声が、少しだけ、おかしくて、酔っていたせいもあり、僕は、いつしか、口ずさんでいた。春の夜だった。僕の音楽活動は、うまく行ってなかった。ヤケクソで、飲んで、知らない人達に、囲まれて歌う。なんて、気分がいいんだろう。僕には、才能がないかもしれない。
「バイオリンなんて!食べていける訳ないだろう」
親父の口癖。確かに、そうだ。だけど、僕は、弦楽器が好きなんだ。僕は、表現者だと思っている。僕の中に溜まっている物を形にして、吐き出したい。親父は、それが和菓子であり、僕は、音楽なんだ。だけど、親父は、
「食っていくためだ!」
と一喝した。兄のように、安定した職に就くのを待っている。結局、バイオリンで、挫折して、親父は、勝ち誇った顔をしていた。僕は、処刑台に送られる気分だった。
「一緒にやろう」
寧大が、声をかけてくれた。見かけた時に、僕は、バイオリンを持参し、一緒に弾いた。何にも、縛られずに。気分が良かった。
「バイオリン。いいと思う。けど、僕は、海の声が欲しい」
「僕の声?」
「一緒にやらないか?」
僕は、この時、バイオリンで食べていけないなら家業を継ぐという誓約書を書かされていた。
「顔出しは、マズいんだ」
「顔は、いらない。声だけでいい」
寧大と一緒に、極秘で、活動する事が決まった。バイオリンは、しばらく封印する事になった。朝は、親父に仕事を習い、合間を縫って、ルナの散歩に出かける。あの時、ルナのリードと絡まった白杖の女性の事が気になったが、しばらく会う事はなかった。もう、会う事はないと思っていた日、店の奥のテレビで、彼女の事を知る事になる。
「あれ?真行寺さんとこの娘さんでないか?」
テレビでは、地元の実業家の女性の特集を定期的に、放映している。地域の天気予報の後、視覚障害を持ちながら、キャリアを積んでいる女性の紹介をしていた。
「知っているの?」
仕込みを手伝いながら、僕は、聞いた。この間、すれ違った女性は障害を持ちながら、新たな事業を起こそうとしている話だった。
「よく、季節毎に生菓子をまとめて、納めさせてもらっていたんだよ。お母様が、お茶会をやられていてね」
「お茶会?」
お茶会で、使用する生菓子をまとめて、納める事は、よくある。そんな大きなお茶会を行うなんて、大きな家の娘さんに違いない。
「あんな事があって、目が見えなくなるなんて、可哀想だったけど、色々、仕事に取り組んでいるんだな」
親父は、しきりに感心している。
「あんな事?」
僕は聞いた。
「事故だよ。交通事故。一緒に乗っていた人は、亡くなったって聞いたよ」
「そうなんだ」
僕は、テレビの中で、微笑む彼女の顔を見つめた。目が見えないなんて、思えないほど、真っ直ぐに見つめる目線は、僕の方を見ていた。
「こうやって、頑張っている人も、いるのに。夢見ている奴は、いつまでも、目覚めん」
「はいはい」
親父の嫌味に、僕は、返事をする。あのすれ違った子は、事故で、目が見えなくなったのか。そんな事を思いながら、僕は、彼女の事が気になっていた。
「バイオリンなんて!食べていける訳ないだろう」
親父の口癖。確かに、そうだ。だけど、僕は、弦楽器が好きなんだ。僕は、表現者だと思っている。僕の中に溜まっている物を形にして、吐き出したい。親父は、それが和菓子であり、僕は、音楽なんだ。だけど、親父は、
「食っていくためだ!」
と一喝した。兄のように、安定した職に就くのを待っている。結局、バイオリンで、挫折して、親父は、勝ち誇った顔をしていた。僕は、処刑台に送られる気分だった。
「一緒にやろう」
寧大が、声をかけてくれた。見かけた時に、僕は、バイオリンを持参し、一緒に弾いた。何にも、縛られずに。気分が良かった。
「バイオリン。いいと思う。けど、僕は、海の声が欲しい」
「僕の声?」
「一緒にやらないか?」
僕は、この時、バイオリンで食べていけないなら家業を継ぐという誓約書を書かされていた。
「顔出しは、マズいんだ」
「顔は、いらない。声だけでいい」
寧大と一緒に、極秘で、活動する事が決まった。バイオリンは、しばらく封印する事になった。朝は、親父に仕事を習い、合間を縫って、ルナの散歩に出かける。あの時、ルナのリードと絡まった白杖の女性の事が気になったが、しばらく会う事はなかった。もう、会う事はないと思っていた日、店の奥のテレビで、彼女の事を知る事になる。
「あれ?真行寺さんとこの娘さんでないか?」
テレビでは、地元の実業家の女性の特集を定期的に、放映している。地域の天気予報の後、視覚障害を持ちながら、キャリアを積んでいる女性の紹介をしていた。
「知っているの?」
仕込みを手伝いながら、僕は、聞いた。この間、すれ違った女性は障害を持ちながら、新たな事業を起こそうとしている話だった。
「よく、季節毎に生菓子をまとめて、納めさせてもらっていたんだよ。お母様が、お茶会をやられていてね」
「お茶会?」
お茶会で、使用する生菓子をまとめて、納める事は、よくある。そんな大きなお茶会を行うなんて、大きな家の娘さんに違いない。
「あんな事があって、目が見えなくなるなんて、可哀想だったけど、色々、仕事に取り組んでいるんだな」
親父は、しきりに感心している。
「あんな事?」
僕は聞いた。
「事故だよ。交通事故。一緒に乗っていた人は、亡くなったって聞いたよ」
「そうなんだ」
僕は、テレビの中で、微笑む彼女の顔を見つめた。目が見えないなんて、思えないほど、真っ直ぐに見つめる目線は、僕の方を見ていた。
「こうやって、頑張っている人も、いるのに。夢見ている奴は、いつまでも、目覚めん」
「はいはい」
親父の嫌味に、僕は、返事をする。あのすれ違った子は、事故で、目が見えなくなったのか。そんな事を思いながら、僕は、彼女の事が気になっていた。
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