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叶わない想いを告げたい
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鏡に映った自分の顔は、思い描いた姿とは、異なっていた。
「これは、疲れているから」
自分なりに、理由を見つける。
あれから・・・・。
何年、経った?
自分の姪が、あの時の自分の歳を追い越した。
本当は、一緒になりたい人がいたのに、自分は、会社の為に、諦めた。
「彼は、お前の事を思っていはない」
兄は、そう冷たく言った。
結局、彼は、一人海外に旅立った。
バイオリンを取ったのだ。
「そんな事はない。彼は、私を思っている」
バイオリンと私を比べて、バイオリンを取っただけ。
彼は、私を思っている。
澪の叔母は、ふと、運転しながら、横で、眠っている葵の横顔を見た。
「まさかね」
こうして・・・逢えるなんて。
これは、宿命なの。
蒼の姿をみつけた時に、息を呑んだ事を覚えている。
「四條 光瑠の息子なのか」
そうあった。
彼は、海外で、子供をもうけていた。
自分は、彼を待つ事もできず、他の男と一緒になっていた。
再会する事も、叶わず、彼は、この世を去っていた。
もう、逢えない。
何度、絶望した事か。
彼の存在を知った時、喜びと嫉妬が交差した。
「このくらい、私にも、権利がある」
車を走らせる。
「ねぇ・・・まだなの?」
蒼が、眠たげに声を上げる。
「もう、すぐ、逢わせてあげる」
プロのバイオリニストと言っても、まだ、子供である。
「本当に、おじいちゃん、おばあちゃんに、逢わせてくれるの」
「少し、遠い所にいるのよ」
「眠ってもいい?」
「着いたら、起こしてあげるから」
叔母は、北に向かって、車を走らせて行く。
「気が付かなかった・・・」
澪は、海に言われて、叔母の部屋に入った時に声を上げた。
勿論、目が見えない澪にわかる訳がない。
蒼が居なくなった原因が、叔母と関係あるかもしれないと考えた海と澪は、マンションを訪れていた。
警察から、失踪した叔母の夫について、会社に連絡があったのが、キッカケだった。
アリバイがあり、疑いは、晴れたが、澪の両親も海も、しっくりしていなかった。
「澪の事故も、あいつが関係しているんじゃないかと思っている」
澪の居ない所で、父親が言った。
「事故?目が見えなくなった時のですか?」
「そうなんだ。考えたくないが」
事故で、澪を庇い恋人が亡くなっている。
僕は、今ひとつ、澪に、思いを告げれない原因。
澪の側に彼がいるような気がして。
「会社の後継者に、彼と考えていると言ったのが、いけなかった」
「え?」
「あいつには、好きな人がいてね。君と同じバイオリニストだったが、彼には、恋人が居て・・・。諦めるように言ったのだが、聞き入れなくてね」
「バイオリニスト?」
「海外に行って、死んでしまった。勿論、あいつの片思いだったんだが」
僕は、少し目眩を覚えた。
「ちょっと、待ってください。叔母さんの好きだった人って」
「四條 光瑠だよ」
僕は、澪の両親に承諾してもらい澪と一緒に、マンションに来ていた。
「これは、疲れているから」
自分なりに、理由を見つける。
あれから・・・・。
何年、経った?
自分の姪が、あの時の自分の歳を追い越した。
本当は、一緒になりたい人がいたのに、自分は、会社の為に、諦めた。
「彼は、お前の事を思っていはない」
兄は、そう冷たく言った。
結局、彼は、一人海外に旅立った。
バイオリンを取ったのだ。
「そんな事はない。彼は、私を思っている」
バイオリンと私を比べて、バイオリンを取っただけ。
彼は、私を思っている。
澪の叔母は、ふと、運転しながら、横で、眠っている葵の横顔を見た。
「まさかね」
こうして・・・逢えるなんて。
これは、宿命なの。
蒼の姿をみつけた時に、息を呑んだ事を覚えている。
「四條 光瑠の息子なのか」
そうあった。
彼は、海外で、子供をもうけていた。
自分は、彼を待つ事もできず、他の男と一緒になっていた。
再会する事も、叶わず、彼は、この世を去っていた。
もう、逢えない。
何度、絶望した事か。
彼の存在を知った時、喜びと嫉妬が交差した。
「このくらい、私にも、権利がある」
車を走らせる。
「ねぇ・・・まだなの?」
蒼が、眠たげに声を上げる。
「もう、すぐ、逢わせてあげる」
プロのバイオリニストと言っても、まだ、子供である。
「本当に、おじいちゃん、おばあちゃんに、逢わせてくれるの」
「少し、遠い所にいるのよ」
「眠ってもいい?」
「着いたら、起こしてあげるから」
叔母は、北に向かって、車を走らせて行く。
「気が付かなかった・・・」
澪は、海に言われて、叔母の部屋に入った時に声を上げた。
勿論、目が見えない澪にわかる訳がない。
蒼が居なくなった原因が、叔母と関係あるかもしれないと考えた海と澪は、マンションを訪れていた。
警察から、失踪した叔母の夫について、会社に連絡があったのが、キッカケだった。
アリバイがあり、疑いは、晴れたが、澪の両親も海も、しっくりしていなかった。
「澪の事故も、あいつが関係しているんじゃないかと思っている」
澪の居ない所で、父親が言った。
「事故?目が見えなくなった時のですか?」
「そうなんだ。考えたくないが」
事故で、澪を庇い恋人が亡くなっている。
僕は、今ひとつ、澪に、思いを告げれない原因。
澪の側に彼がいるような気がして。
「会社の後継者に、彼と考えていると言ったのが、いけなかった」
「え?」
「あいつには、好きな人がいてね。君と同じバイオリニストだったが、彼には、恋人が居て・・・。諦めるように言ったのだが、聞き入れなくてね」
「バイオリニスト?」
「海外に行って、死んでしまった。勿論、あいつの片思いだったんだが」
僕は、少し目眩を覚えた。
「ちょっと、待ってください。叔母さんの好きだった人って」
「四條 光瑠だよ」
僕は、澪の両親に承諾してもらい澪と一緒に、マンションに来ていた。
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