皇帝より鬼神になりたい香の魔道士

蘇 陶華

文字の大きさ
28 / 82

幼い龍の姉弟、義を青龍に説く

しおりを挟む
瑠璃香は、少し、笑いながら青嵐の様子を眺めていた。
「これは、結構、近道になるかもな」
長い髪を揺らしながら、扇子を口元に当て、声を押し殺す。紫鳳は、道の途中で拾った小石を掌で、跳ね上げながら、青嵐の様子を見ていた。
「黙って、見ていていいと思うか?」
「せっかく、向こうから、おいでいただいたのだ。少し、見物させてもらおう」
「水の気を持つ者が、火の気を持つ者に近づくとはね」
青嵐は、一人残った少女へと近づいていく。
「悪ふざけが、すぎるよ」
「悪ふざけだと?」
太鼓を抱えた少女は強気だ。
「それは、この地の者だろう。来る途中、見なかったのか?」
青嵐の気が、火である事を踊りながら気付いていた少女は、青嵐が、人とは、また、違う事に気付いており、やや、用心しながら、青嵐に話しかけていた。いざとなれば、青嵐を倒す事はできる。弟の力を借りれば。少女は、青嵐を興奮させないように気をつけながら、話しかけた。興奮させれば、炎が上がり、こいつは、危ない。誰かが、少女の耳に、囁いていた。
「約束の、生贄を払えないとなったら、上の村人は、たくさんの動物達を、生きたまま、河に放り投げた。同じ生き物なのにな。悲しいな。人間は」
「人間も、それ以外も、対して変わらないさ」
河一面に流れてきたたくさんの動物達の死骸が、華やかな衣装に見えたのは、少女が原因かと、青嵐は、悟った。だが、
「人を踊らせて、どうするつもり?」
「苦しんで、犠牲になった霊は、供養しなければいけない」
「あ、、」
青嵐は、頷いた。少女の言う事は、間違っていない。間違っているのは、上の村の人達だ。
「でも、供養しなければいけないなら、若い娘さん達を、生贄にするのは、どうかと思うけど」
「官僚達は、自分達の娘は、差し出さない。生贄になるのも、代わりに殺されるのも、弱い生き物達だ」
瑠璃香と紫鳳は、会話を聞いていて、顔を見合わせていた。言っている事は、間違っていない。
「ただ。。生贄というのは、よくないね。」
「こちらが、提案したのではない。そちらからの提案で、乗っただけだ」
「ふむ。誰かが、便乗しただけなのかもね」
「便乗?」
少女の眉が、跳ね上がった。
「逢わせてくれないか?君の主に」
「君は、そうやって、犠牲になった人の霊を慰めて、踊るんだろう?しかも、危険な業だ。自分の判断でやっているとは、思えないけど」
「ふん。。。お前は、大陸の者とは、様子が違うな。仙師かと思っていたが」
「うん。そうだね。とりあえず、仙師の弟子という事にしておこうか」
そう2人が、会話していると、龍伝河の表面が、見る見る盛り上がり、その頂点に、小さな男の子が、座っているのが、目に入った。
「出たぞ」
紫鳳は、横目で、瑠璃香に合図した。
「弟君のお出ましだね」
瑠璃香は、楽しそうに呟いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

王太子妃専属侍女の結婚事情

蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。 未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。 相手は王太子の側近セドリック。 ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。 そんな二人の行く末は......。 ☆恋愛色は薄めです。 ☆完結、予約投稿済み。 新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。 ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。 そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。 よろしくお願いいたします。

ベテラン精霊王、虐げられ皇子の子育てに励みます

はんね
ファンタジー
 大陸で最も広大な領土と栄華を誇るアストラニア帝国。 その歴史は、初代皇帝ニコラスと精霊王バーティミアスが“疫病王ヴォラク”を討ち倒したことから始まった。ニコラスとバーティミアスは深い友情を結び、その魂を受け継ぐ皇子たちを永遠に見守り、守護する盟約を交わした。  バーティミアスは幾代もの皇帝を支え、帝国は長き繁栄を享受してきた。しかし、150年の眠りから目覚めた彼の前に現れた“次の皇帝候補”は、生まれたばかりの赤ん坊。しかもよりにもよって、十三番目の“虐げられ皇子”だった! 皮肉屋で老獪なベテラン精霊王と、世話焼きで過保護な月の精霊による、皇帝育成(?)奮闘記が、いま始まる——! 人物紹介 ◼︎バーティミアス 疫病王ヴォラクを倒し初代皇帝ニコラスと建国初期からアストラニア帝国に使える精霊。牡鹿の角をもつ。初代皇帝ニコラスの魂を受け継ぐ皇子を守護する契約をしている。 ◼︎ユミル 月の精霊。苦労人。バーティミアスとの勝負に負け、1000年間従属する契約を結びこき使われている。普段は使用人の姿に化けている。 ◼︎アルテミス アストラニア帝国の第13皇子。北方の辺境男爵家の娘と皇帝の息子。離宮に幽閉されている。 ◼︎ウィリアム・グレイ 第3皇子直属の白鷲騎士団で問題をおこし左遷されてきた騎士。堅物で真面目な性格。代々騎士を輩出するグレイ家の次男。 ◼︎アリス 平民出身の侍女。控えめで心優しいが、アルテミスのためなら大胆な行動に出る一面も持つ。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...