皇帝より鬼神になりたい香の魔道士

蘇 陶華

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幼い龍の姉弟、義を青龍に説く

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瑠璃香は、少し、笑いながら青嵐の様子を眺めていた。
「これは、結構、近道になるかもな」
長い髪を揺らしながら、扇子を口元に当て、声を押し殺す。紫鳳は、道の途中で拾った小石を掌で、跳ね上げながら、青嵐の様子を見ていた。
「黙って、見ていていいと思うか?」
「せっかく、向こうから、おいでいただいたのだ。少し、見物させてもらおう」
「水の気を持つ者が、火の気を持つ者に近づくとはね」
青嵐は、一人残った少女へと近づいていく。
「悪ふざけが、すぎるよ」
「悪ふざけだと?」
太鼓を抱えた少女は強気だ。
「それは、この地の者だろう。来る途中、見なかったのか?」
青嵐の気が、火である事を踊りながら気付いていた少女は、青嵐が、人とは、また、違う事に気付いており、やや、用心しながら、青嵐に話しかけていた。いざとなれば、青嵐を倒す事はできる。弟の力を借りれば。少女は、青嵐を興奮させないように気をつけながら、話しかけた。興奮させれば、炎が上がり、こいつは、危ない。誰かが、少女の耳に、囁いていた。
「約束の、生贄を払えないとなったら、上の村人は、たくさんの動物達を、生きたまま、河に放り投げた。同じ生き物なのにな。悲しいな。人間は」
「人間も、それ以外も、対して変わらないさ」
河一面に流れてきたたくさんの動物達の死骸が、華やかな衣装に見えたのは、少女が原因かと、青嵐は、悟った。だが、
「人を踊らせて、どうするつもり?」
「苦しんで、犠牲になった霊は、供養しなければいけない」
「あ、、」
青嵐は、頷いた。少女の言う事は、間違っていない。間違っているのは、上の村の人達だ。
「でも、供養しなければいけないなら、若い娘さん達を、生贄にするのは、どうかと思うけど」
「官僚達は、自分達の娘は、差し出さない。生贄になるのも、代わりに殺されるのも、弱い生き物達だ」
瑠璃香と紫鳳は、会話を聞いていて、顔を見合わせていた。言っている事は、間違っていない。
「ただ。。生贄というのは、よくないね。」
「こちらが、提案したのではない。そちらからの提案で、乗っただけだ」
「ふむ。誰かが、便乗しただけなのかもね」
「便乗?」
少女の眉が、跳ね上がった。
「逢わせてくれないか?君の主に」
「君は、そうやって、犠牲になった人の霊を慰めて、踊るんだろう?しかも、危険な業だ。自分の判断でやっているとは、思えないけど」
「ふん。。。お前は、大陸の者とは、様子が違うな。仙師かと思っていたが」
「うん。そうだね。とりあえず、仙師の弟子という事にしておこうか」
そう2人が、会話していると、龍伝河の表面が、見る見る盛り上がり、その頂点に、小さな男の子が、座っているのが、目に入った。
「出たぞ」
紫鳳は、横目で、瑠璃香に合図した。
「弟君のお出ましだね」
瑠璃香は、楽しそうに呟いた。
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