67 / 121
満点の星と悠久の時
しおりを挟む
そこは、満天の星が輝いていた。
人工的な光もなく、灯りは、降り注ぐ天の星だけ。
桂華は、頬に当たる風で、次第に意識をとり戻した。
「ここは・・・」
辺りを見回しても、広がる草原と満天の星だけで、何も、音のない世界が広がっていた。
「桂華、大丈夫か?」
手が届きそうな星の下で、陸羽の声が響く。
「ここは、私と陸羽だけ?」
他には、誰もいない。
今まで居たリファルやエルタカーゼ。陽葵の姿は、どこにもなかった。
天も地も、どこが上で、下なのか、わからない、広がる闇と星の中に、二人は居た。
「どこか、わかる?」
人工的な光もなく、星の灯りだけで、互いの顔を確認する。
「ここは・・・」
陸羽は、風上の香を確認する。
「人の気配が、全くしないな」
「一体、どこに来たのかしら」
「どこに来たのかっては、時間の事か?場所の事か?」
「どういう事?」
「この時代が、遠く、昔だって事」
「昔って?」
「六芒星の中で、時間を遡るって事は・・」
「どこか、因縁のあったポイントって事ね」
「かなり過去に飛ばされたか・・」
誰が、何の為に、過去に遡ったのかは、わからない。
「リファル達は、どこかしら?」
「わからんな。君の相棒を連れたまま、どこに行ったのかな」
「わからない。けど、希望を連れたまま、自分の意思で、隠れるなんて、考えられない」
「自分の意志でないとすると、どこかに飛ばされたのか・・」
「何の為、誰の意志で?」
星は、美しく風は、優しい。
二人は、満点の星の元、その草むらに、腰を下ろした。
「一体、いつの時代に飛んだんだ・・・」
陸羽が、呟くと、一筋の星が、宙を横切っていった。
降り立つ地面が、一際、輝くと、一つの人影が浮かび上がった。
「陸羽。何かが、降り立った。」
「あぁ・・見えた」
「その場に、行かなきゃ。そんな気がする」
「俺と君に用があるって事なのか?」
「多分・・・」
ちらっと横目で、陸羽の顔を見る。
陸鳳と異なり、まだ、幼なさが抜けない横顔。
陸鳳は、正当な山神として、皆の尊敬を集めていたが、人間との半神だった、莉羽は、かなり歪んで、育ったと聞いている。
一緒にいる莉羽は、純真で、感情的な行動は、取るが、至って、真っ直ぐな性格だった。
「何が起きたのか、わからないけど、確認しないと先に進めない」
桂華は、莉羽の腕をとった。
「あの場所まで、飛んで」
陸羽の背中の毛が逆だった。
人工的な光もなく、灯りは、降り注ぐ天の星だけ。
桂華は、頬に当たる風で、次第に意識をとり戻した。
「ここは・・・」
辺りを見回しても、広がる草原と満天の星だけで、何も、音のない世界が広がっていた。
「桂華、大丈夫か?」
手が届きそうな星の下で、陸羽の声が響く。
「ここは、私と陸羽だけ?」
他には、誰もいない。
今まで居たリファルやエルタカーゼ。陽葵の姿は、どこにもなかった。
天も地も、どこが上で、下なのか、わからない、広がる闇と星の中に、二人は居た。
「どこか、わかる?」
人工的な光もなく、星の灯りだけで、互いの顔を確認する。
「ここは・・・」
陸羽は、風上の香を確認する。
「人の気配が、全くしないな」
「一体、どこに来たのかしら」
「どこに来たのかっては、時間の事か?場所の事か?」
「どういう事?」
「この時代が、遠く、昔だって事」
「昔って?」
「六芒星の中で、時間を遡るって事は・・」
「どこか、因縁のあったポイントって事ね」
「かなり過去に飛ばされたか・・」
誰が、何の為に、過去に遡ったのかは、わからない。
「リファル達は、どこかしら?」
「わからんな。君の相棒を連れたまま、どこに行ったのかな」
「わからない。けど、希望を連れたまま、自分の意思で、隠れるなんて、考えられない」
「自分の意志でないとすると、どこかに飛ばされたのか・・」
「何の為、誰の意志で?」
星は、美しく風は、優しい。
二人は、満点の星の元、その草むらに、腰を下ろした。
「一体、いつの時代に飛んだんだ・・・」
陸羽が、呟くと、一筋の星が、宙を横切っていった。
降り立つ地面が、一際、輝くと、一つの人影が浮かび上がった。
「陸羽。何かが、降り立った。」
「あぁ・・見えた」
「その場に、行かなきゃ。そんな気がする」
「俺と君に用があるって事なのか?」
「多分・・・」
ちらっと横目で、陸羽の顔を見る。
陸鳳と異なり、まだ、幼なさが抜けない横顔。
陸鳳は、正当な山神として、皆の尊敬を集めていたが、人間との半神だった、莉羽は、かなり歪んで、育ったと聞いている。
一緒にいる莉羽は、純真で、感情的な行動は、取るが、至って、真っ直ぐな性格だった。
「何が起きたのか、わからないけど、確認しないと先に進めない」
桂華は、莉羽の腕をとった。
「あの場所まで、飛んで」
陸羽の背中の毛が逆だった。
0
あなたにおすすめの小説
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる