酒涙雨で終わりにしようか?君の心臓を天に捧ぐから。

蘇 陶華

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炎に揺れる姿は、黒衣を被る

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暖炉の中の炎は、高く舞い上がり、空に届くような勢いだった。体を深く鎮める体に瞳はない。頭から、深くマントを被る姿は、醜い体を隠しているかのようだった。
「だいぶ、時間が経ったようだな」
黒衣の主は、手にしたグラスを、口元に。否、口の辺りに運んだ。飲み込んだのだろうか。グラスの中の紅い飲み物は、そのまま床にこぼれ落ちていった。
「こういうのは、少し、苦手」
魔猫は、聞こえないように小さな声で呟く。
「何か、言ったか?」
「いえ。。。」
「お前が、私に手を貸すのも、ほんの一時だと思っている。一時休戦だな。共に手を取り合わないと、とても、手に負える相手だとは、思えない」
「憎い相手と手を組むのも、もっと、憎い相手を倒すため」
「ずるい奴だな」
「いえ。。執念深く、追いかけるあなた様ほどでは」
魔猫は、椅子の上を見上げた。表情は、わからず、まるで、透明人間を見ているようだったが、反対側に置かれた鏡には、その姿があった。
「見て、驚いたか?」
鏡の中には、しなやかな絹のマントを羽織った青年が写っていた。長い髪を肩の後ろで、一つに束ねており、神々しい姿だった。
「私の姿は、そこにある。。。」
魔猫は、両方を見比べて唾を飲み込んだ。鏡の中にいる青年の姿こそが、本物であり、目の前に座る姿が、偽りのように思える。
「私を解き放つ死さえも、あいつは、取り上げた」
鏡の中の青年は、涙している。
「呪いをかけた主を、葬らなければ、私は、死ぬ事もできない」
椅子は、ゆらゆらと揺れ、蝋燭に照らし出された影は、左右に動いている。魔猫は、近くの灯りとりの窓に、飛び上がった。真っ青な夜の中に、星達だけが光り輝いている。
「月のない夜か。。」
黒衣の青年は、鏡の中から、空を見上げた。
「あの残酷な魔女をいつまでも、眠らせておく事はできない」
魔猫は、灯りとりの窓から、降り立った。地に降り立つと赤森の湿った土の匂いが、宙にまった。古い共同墓地の名残の後に、魔猫はいた。
「私がここまで、来たのも、同じ目的」
魔猫の背の毛は逆立ち、双眸は、強く輝く。
「逃げるなんて、許せない」
魔猫の脳裏に主の姿が、思い浮かぶ。
「目的を果たすまでは、一緒に行動するわ」
魔猫は、約束をすると、暗い部屋から出ていった。
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