酒涙雨で終わりにしようか?君の心臓を天に捧ぐから。

蘇 陶華

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地這いの王の誤った選択

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その昔。魔女狩りが当たり前にあった時代。地方の村にも、人が人を殺める血で血を洗う殺戮の波は押し寄せ、元々、孤児だった修道女は、人々のあさましい姿に胸を痛めていた。村に突然、現れた旅人の兄弟を哀れに思い、修道女は、甲斐がしく世話をしていた。兄弟は、地這いの王の子だった。地下の世界を追われ、地上に逃げてきていた。修道女は、世話をしているうちに、情が移り、弟と恋仲になった。あっては、ならぬ事だった。嫉妬に駆られた兄は、修道女を売った。修道院は、焼き払われ、仲間は、火炙りにされ、苦悶の後に命を失った。魔女として追われる事になった彼女は神を呪い、兄弟を呪った。彼女は、本性を現した。元々、邪神の娘ではあったが、根は善良であった。村の人々の役に立ちたいと、修道院で使い走りとして働いていたのだ。が、仲間を失い裏切りにあった彼女は、暴走した。地這いの国を滅ぼし、王の子達に呪いをかけた。1人からは、顔や姿を奪い、自分に尽くす呪いをかけた。そして、弟には、全てを奪い、地を這う蜘蛛へと転生する呪いを掛けたが、気は晴れなかった。次から次へと、村や町を焼き払い、幼い子供までも、容赦なく殺していった。もはや、誰も、止められなかった。。ある日、祭司の元に、異国から来た僧侶が居た。一杯の水のお礼に、東洋にある不思議な国の話をした。海に囲まれた島国を作ったのは、最初の神で、その島には、八百万の神が住んでいるという。島それぞれに神がおり、更に神の元には、眷属達が使え、守っているという島。その島に渡るには砂の大陸を渡らなければならない。力のある祭司を集め、僧侶の案で、修道女を封印する事ができた。隊列を組み、砂の大陸を渡る途中で、一行は、砂嵐にあい、砂の楼閣に迷い込んでしまった。事もあろうか、そこで、修道女は、身体を得て、復活を果たす所であったが、砂の楼閣に現れたのは、砂の国の女王と一匹の猫だった。命をかけた戦いが始まり、砂の女王は、命と引き換えに修道女の魂を元に戻れな様に、いくつかに分けて封印した。可愛がっていた1匹の猫の託して。時は、巡り、猫は、砂の女王との約束を守る為、八百万の神の眠る国に渡り、女王の願いを果たすように勤めていた。何年も年月が流れ、もう、自分が何者か、わからなくなった頃、異変を感じた。
「あの女が目覚める」
修道女。封印されていた筈なのに、目覚めつつある。
「目覚めさせてはならない」
その時、祭司の子孫達は、修道女の周りに、守りをつけていた。父親や母親の顔をして、目覚めぬように押さえつける。決して、目覚めさせてはならぬ。だが、封印させるはずの島国は、復活するにも、最良の地になっていた。
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