認知症の爺様。介護3になりました。なんでも忘れて、楽しくやってるよ。

蘇 陶華

文字の大きさ
6 / 21

爺様は、山へ芝刈りに

しおりを挟む
僕には、母親がいない。僕が小さい頃、家を出て行ったらしい。父親は、本当に、仕事一筋の人で、毎日、遅くまで、働いている。僕は、婆様に育てられた。ダウン症と言われる兄もを育てるのは、大変だったに違いないけど、婆様は、変わっていた。婆様の凄い所は、前向きな所だ。どんな事も、暗く考えない。悪く言えば、現実逃避なんだけど。僕は、そう思わない。どんな悲観的な状態でも、愚痴をこぼさない。だから、街で権力者だった、爺様が、壊れても、全然、めげていない。冷静に考えると、兄の事や将来の事を考えると、悲観的になりそうなんだけど、婆様は、爺様の面倒見ながら、友人の老婆達と女子会をして、楽しんでいる。あ!女子会ではない。元女子会だね。その元女子会の時に、僕が居ると、偉い目に合う。飲み物を買って来いとか、言われて、届けると、もみくちゃにされる。怖いもんだ。高齢の女子は。勿論、元少年の爺様も、最初は、飲み物を買って届ける事は、頼まれていたけど、コーラしか知らない爺様は、とっくの昔にお役御免された。僕の仕事になってしまった。爺様は、元女子達に囲まれてニコニコしている。てか、これは、女子に囲まれているから、ニコニコしているのではなく、誰が誰だが、わからないから、とりあえず、笑っていようという爺様の防衛策である。結局、爺様は、誰が来て、誰が、帰ったのかは、わからない。とりあえず、笑う。爺様は、目で見ても、それが何なのか、判断する事がわからない。顔を見分ける事ができないようだ。だから、買い物も、同じ物しか買えないし、イチゴやトマトなどの物は、色でしか判断はできない。勿論、高齢者だから、草むしりが大好きで、庭に雑草が蔓延ると、草むしりをするんだけど、何でも、買ってしまう僕が、小さい時に貰ってきた朝顔やブルーベリーの苗も全部、刈られてしまった。僕は、泣いた。泣いて、講義しても
「どこにあった奴だ?」
「知らない」
と言う。僕は、悔しくて、庭にあったご先祖様が植えた木を切った。
「爺様、僕が誰だか、わかる?」
聞いても、爺様は、ニコニコしているだけだ。他人では、ないのは、わかるけど、僕が孫だって事は、わからなくなってしまった。どんどん、神様に近くなってきている。
「神様でないよ。仏様だよ」
婆様は、言うけど、僕は、神様だと思う。爺様が、居ると、大変だけど、笑いがある。爺様、昔は、とっても怖くて、僕は、よく、怒られたけど、こんなになるなんて、僕は、思えなかったな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

下宿屋 東風荘 7

浅井 ことは
キャラ文芸
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..☆ 四つの巻物と本の解読で段々と力を身につけだした雪翔。 狐の国で保護されながら、五つ目の巻物を持つ九堂の居所をつかみ、自身を鍵とする場所に辿り着けるのか! 四社の狐に天狐が大集結。 第七弾始動! ☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..☆ 表紙の無断使用は固くお断りさせて頂いております。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...