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第41話:香りで導け、真のパンツ持ち主!
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放課後、教室。
夕焼けに染まる空気の中、僕は最後の照合に挑んでいた。
ポケットに仕舞われたままの“パンツ”。
香りを確かめる最後の時間。
「……この香り、シトラス系のボディシート。
でも、その奥に残ってるのは……マグノリアとウッディ……」
僕は目を閉じ、深く鼻を通す。
(間違いない。この香り……久遠美月の“普段の香り”だ)
何度もすれ違いざまに感じていた、あの静かな強さ。
「つまり、美月が体育のあと、パンツを替えて鞄にしまった……でも、何かの拍子で落とした」
意図的でも偽装でもない。
ただの、事故だった。
だから彼女の香りには“偽り”がなかった。
僕は静かに席を立ち、廊下を歩く。
図書室の隣、準備室の前。
扉をノックすると、中にいた美月が顔を上げた。
「……白井くん?」
「ちょっと、返したいものがあって」
僕は、パンツを入れた封筒を差し出した。
彼女は一瞬で悟った。
頬をかすかに染め、でも目はそらさなかった。
「……返してくれて、ありがとう」
「うん。……誰にも、言わない」
「お願い。みんなには……言わないで」
彼女の声は、ほんの少し震えていた。
でも香りは、いつものように静かで美しかった。
「香りで分かった。偽装じゃなかった。
……君の香りは、ちゃんと君のままだった」
美月は小さく笑った。
「……やっぱり、白井くんの鼻はすごいわね」
***
教室に戻ると、ルナと紅葉が待っていた。
「で? 誰だったの? パンツの主」
「いや、それは……その……捜査終了ってことで」
「ふ~ん……まあ、白井だしな」
「……嗅いでたのも、まあ……いつもの範囲か」
「なにその納得のされ方!?」
「だって、白井くんの嗅覚、信じてるし」
紅葉はノートに“信頼→変態→信頼(ループ)”とメモしていた。
僕は机に座り直し、深くため息をついた。
(パンツは戻った。香りも解決した)
だけど――
「俺の信頼は、どこへ行った……?」
僕の声だけが、静かに教室に響いた。
青春とは、香りとともにある。
ときにパンツと、誤解と、そして友情と。
夕焼けに染まる空気の中、僕は最後の照合に挑んでいた。
ポケットに仕舞われたままの“パンツ”。
香りを確かめる最後の時間。
「……この香り、シトラス系のボディシート。
でも、その奥に残ってるのは……マグノリアとウッディ……」
僕は目を閉じ、深く鼻を通す。
(間違いない。この香り……久遠美月の“普段の香り”だ)
何度もすれ違いざまに感じていた、あの静かな強さ。
「つまり、美月が体育のあと、パンツを替えて鞄にしまった……でも、何かの拍子で落とした」
意図的でも偽装でもない。
ただの、事故だった。
だから彼女の香りには“偽り”がなかった。
僕は静かに席を立ち、廊下を歩く。
図書室の隣、準備室の前。
扉をノックすると、中にいた美月が顔を上げた。
「……白井くん?」
「ちょっと、返したいものがあって」
僕は、パンツを入れた封筒を差し出した。
彼女は一瞬で悟った。
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「……返してくれて、ありがとう」
「うん。……誰にも、言わない」
「お願い。みんなには……言わないで」
彼女の声は、ほんの少し震えていた。
でも香りは、いつものように静かで美しかった。
「香りで分かった。偽装じゃなかった。
……君の香りは、ちゃんと君のままだった」
美月は小さく笑った。
「……やっぱり、白井くんの鼻はすごいわね」
***
教室に戻ると、ルナと紅葉が待っていた。
「で? 誰だったの? パンツの主」
「いや、それは……その……捜査終了ってことで」
「ふ~ん……まあ、白井だしな」
「……嗅いでたのも、まあ……いつもの範囲か」
「なにその納得のされ方!?」
「だって、白井くんの嗅覚、信じてるし」
紅葉はノートに“信頼→変態→信頼(ループ)”とメモしていた。
僕は机に座り直し、深くため息をついた。
(パンツは戻った。香りも解決した)
だけど――
「俺の信頼は、どこへ行った……?」
僕の声だけが、静かに教室に響いた。
青春とは、香りとともにある。
ときにパンツと、誤解と、そして友情と。
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