「匂いを嗅ぐ名探偵は、高校生活に巻き込まれる! 臭気判定士の能力で転校生の秘密を嗅ぎ取る青春ラブコメ」

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第40話:パンツの謎と、第二の誤解騒動!

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 昼休み。

 僕は校舎裏のベンチで一人、ポケットに入ったままの“それ”を見つめていた。

(香川まな。彼女で間違いない……と思ったんだけど)

 パンツの香りは、確かに緊張と微かなレモン系ボディシートの成分。
 でも、よく嗅ぐと……その奥に何かが“混ざってる”。

(これは……ローズ系? いや違う、人工的に重ねた香りだ)

 香りを“上書き”してる。
 誰かが、意図的に。

「よう、白井! お前さあ……パンツ探してんだって?」

 クラスの男子Aがニヤニヤしながら話しかけてくる。

「……は?」

「なんかさ、朝から女子の香り嗅いで回ってたとか、“探偵ごっこで下着捜索中”だとか、みんな言ってるぜ?」

(嘘だろ……)

 その瞬間、背後からぞくっとする気配。

「……あのさ、白井。パンツの噂、アンタが火種だったって聞いたんだけど」

 ルナだった。
 目が全然笑ってない。

「違うんだ、これは誤解で――」

「白井くん……どういうこと? 他人のパンツの匂いを“調べてた”って……本当?」

 美月まで。

「……まさか、“事件の香り”とか言って、女子の匂いを記録してたとか?」

 紅葉まで!!

(違う、これは……いや、正確には……事実です……が!!)

「お、おれは! ただ、正体を……いや、パンツの香りに、違和感を……っ!!」

「……はっきり言ったね」

 ルナの目が据わった。
 美月は無言で眼鏡を押し上げ、紅葉はノートに“変態確認”と書いた。

 逃げるようにその場を離れた僕は、保健室前の廊下にひっそりと佇む女子に目を止めた。

 香川まな。

 小柄で、制服も地味。
 視線は常に下、話しかけるのも躊躇うほど控えめなオーラ。

(彼女だ……でも、何かが変だ)

 僕はすれ違いざま、ふわっと香った空気に鼻を利かせる。

(やっぱり……この香り。自然じゃない)

 柑橘系のボディシート。
 その奥に潜んでいるのは、別の誰かの香り。

(誰かの香りを“重ねている”!?)

 香りで偽装。
 パンツに残った香りと、彼女の今の香り。
 ズレている。

(まさか……“わざと落とした”のか? それとも、香りを擦りつけた?)

 疑問がさらに深まり、迷宮化していく中。

 香りは真実を語る。
 だが、それを“操作”する者が現れたら?

(俺の鼻、試されてる……!)

 香川まな。
 その沈黙の中に、匂いのトリックが潜んでいた。

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