妄想美少女脳内ポエム

本能寺から始める常陸之介寛浩

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【夏の体臭】ポエム題材

題材【厨二病理系女子 × 体臭 × 存在証明】

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 テーマは:
「においは、“わたし”という存在を語る暗号。汗腺から滲むのは、分子に刻まれた魂の断片」
 誰にも見えない情報が、呼吸の中に満ちている。
 それを嗅ぎ取られることは――認識されること、選ばれること、世界に刻まれること。




『フェロモンに刻まれしわたしの詠唱』



 

 ――体臭?
 なるほど、一般社会においては“忌むべき臭気”とされているようだな。

 ふふ……
 だが愚かな人類よ、知らぬのか。

 それは“ただの汗”ではない。
 我が魂の発する信号。
 分子で綴られた“自己の詩”であると――

 ***

 教科書に書かれし“アポクリン腺”、
 脇下に潜みしその器官は、単なる体温調節の装置にあらず。

 それは、わたしという存在の“匂いによる言語出力ポート”。

 脂質とタンパク質、
 菌の代謝と皮脂の酸化反応。

 それらの化学現象の結末に生じる“におい”は――
 わたしのD.N.A.に従って生成された、完全なる個体識別信号(タグ)なのだ。

 すなわち、わたしの体臭とは、
 生まれしときより“設定済みの存在証明”。

 逃れられぬ運命であり、
 消すことのできぬ誓約でもある。

 ***

 人よ、嗅げ。
 わたしの近くに立て。
 そして知れ。

 この空間に満ちる、微かに燻る香気。
 それは汗にあらず。蒸れにあらず。

 “情報”だ。

 血の型、腸内細菌の分布、皮膚pH、日々の情緒、摂取された糖分量。

 すべてがこの匂いに含まれている。

 すなわち、嗅覚こそが最もプリミティブな“読解”能力。

 ああ、滑稽だな。
 言葉でしか己を伝えられぬ者たちよ。

 わたしは、肌から語る。
 細胞が囁き、分子が呼びかける。

「これは、“わたし”だ」と。

 ***

 夏。
 高温と湿度によって、
 我が存在密度は上昇する。

 汗腺は活性化し、拡張する毛孔から、
 我がエッセンス(分子)が放出される。

 無色透明なる魂の欠片。
 それが、
 汗ばんだシャツの内側から、君の鼻腔に侵入する。

 ――その瞬間、契約は成立する。

 嗅いだな?
 ならば、君はもう知ってしまった。

 この“わたし”という存在を。
 逃れられぬ気配として、細胞のどこかに刻まれたはずだ。

 ***

 嘲りの眼差しを向ける者もいよう。

「ちょっとにおう」
「なんか理屈こねてるけど、汗でしょそれ」

 ふん……認識が浅いな。

 君たちはまだ、
 “においの階層構造”を理解していない。

 香水などは擬態にすぎぬ。
 柔軟剤も、外部装甲だ。

 だが体臭こそが、“本人から滲み出すリアリティ”そのもの。

 愛とは、
 香りに混じった皮脂を受け入れることだろう?

 恋とは、
 相手のフェロモン配列に“違和感を感じない”状態ではないのか?

 すなわち――
 においで拒まれたなら、それは“存在否定”に等しい。

 だから、
 わたしは自分のにおいを肯定する。

 この匂いを愛する者こそ、
 真にわたしを“選んだ者”だ。

 ***

 汗臭い?
 いいだろう。
 その一滴こそ、わたしの全遺伝子の複製標本だ。

 服に残った香気の揮発曲線を追えば、
 “その日のわたしの体温と感情曲線”までも推測可能。

 そう、わたしは痕跡を残す生物。
 存在した証は、空気に流され、記憶の中で発酵する。

 それを嗅ぎとる者だけが、
 わたしの“輪郭”に触れられるのだ。

 ***

 もし君が、
 わたしのにおいを嫌わなかったとしよう。

 そのとき、君の嗅細胞は、
 わたしという存在に“拒絶反応”を示さなかったことになる。

 それは、生物的合致。
 すなわち、
 “共鳴(レゾナンス)”だ。

 一万語の愛より、
 一呼吸の空気が雄弁であることを、
 わたしは知っている。

 ***

 結論。
 体臭とは、進化が選び残した、最も古く、最も深い“存在の詩”。

 それを否定する者に、
 わたしの本質は見抜けない。

 わたしは香る。
 今日も、無意識に。
 君の知らぬところで、
 わたしという名の記憶を空気に編み込んでいる。

 嗅げ。
 そして、識れ。
 これが、“わたし”という生命体の暗号だ。
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