妄想美少女脳内ポエム

本能寺から始める常陸之介寛浩

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【雨で濡れ透けた制服】ポエム題材

題材【中間テスト疲れ女子 × 大雨 × 濡れ透け制服 × 情緒の限界突破】

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『今日はもう、わたしに優しくしないでください』
 

 最終科目、終了5分前。
 マークシートに視線を落としたまま、
 思考が止まる音がした。

 あの公式、出たっけ。
 あの年号、暗記したやつで合ってた?

 いやもう、知らん。知らんけど、
「知らん」って書けないのが中間テストの理不尽さ。

 この一週間、たぶんわたし、
 ちょっとずつ死んでた。

 ***

 教科書は寝枕。
 家族の会話はシャットアウト。
 スマホはアプリ封印。
 感情も空腹も「とりあえず後で」にした。

 たぶん今のわたし、
 “目の下のクマ”っていう名前のペット飼ってる。

 だけど――
 それでも、頑張ったつもりだった。

「赤点回避」っていう命題のために。

 ***

 そして迎えた放課後。
 友達と「終わった~!」って叫ぶ気力もないまま、
 黙って校舎を出たら、

 ……空、黒すぎない?

 ゴロッという低音と同時に、
 まさかの土砂降りスタート。

 なんのフラグ回収ですかこれ。

 傘? 持ってない。
 レインコート? 知らん。
 替えの靴下? は?

 制服の白シャツが、
 まるで吸水スポンジのように、
 わたしを「透け」に導いていく。

 ***

「勉強も濡れ透けも、
 全部どうでもよくなるくらいの水量だった」

 文字通り。
 コントじゃん。
 ツッコミ役どこにいるの?

 ブラウスの中の下着の色とか、
 髪から滴る水が肌を伝う感触とか、
 リュックの中のノートが終わった音とか――

 全部まとめて「無」になった。

 ***

「やばい透けてんじゃん!」って笑う男子がいて、
「風邪ひくよ~」ってタオル差し出す女子がいて。

 そのすべてが、
 わたしにとってはもう処理できない情報量だった。

 返事すら返せなかった。

 だってわたし、
 脳内のRAM、もう全部使い果たしてたから。

 ***

 駅までの道で、
 制服は肌に貼りついて、
 歩くたびに「ぺたぺた」音がした。

 でも、もういいや。
 誰が見てても見てなくてもいい。

 今日は、制服も意識も、全部“びしょびしょ”です。

 ***

 家に着いて、
 靴を脱いで、
 その場に座りこんだ。

 濡れた髪が床に落ちて、
 制服から水滴がぽたぽた落ちて――

 その音が、なぜかやけにリアルで、
 泣いてるみたいだった。

 ***

 お風呂でシャワーを浴びながら、
「もうやだ」って声に出して言った。

 誰も聞いてないから、言えた。

 水で濡れたのが、
 身体だけじゃなかった気がした。

 わたしの“がんばる理由”とか、“恥じらい”とか、
 そういうの、今日ぜんぶ流れてった。

 ***

 でも、悪くない。
 だって、
 ここまで出し尽くした自分って、
 ある意味、清々しい。

 こんなに何も気にしてない自分、
 テスト前じゃ絶対見せられなかった。

 だから今日は、
 わたしに優しくしないでください。

「頑張ったね」も、
「大丈夫だよ」も、
 今はたぶん、受け止められない。

 ただ、
 この“透けた”わたしを、
 そっとしておいてくれたら、それでいい。
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