ラノベ作家を目指して無理をしたら下血して目覚めたら異世界病院でした～魔王を倒しお腹を負傷して下血でドバドバな勇者に転生したので隠居生活です～

第１４話 大腸カメラは断固拒否します。

「勇者様、カメラで検査させてください。このメメズ大腸カメラで傷口を検査しなくては」

と、巨大なミミズを手にする先生。

メメズ大腸カメラはモンスターとモニターを魔合体して作られたカメラだそうだ。

手の上でウニュウニュと動いている。

「断固拒否する。神のお力でこの体は完全回復した。必要ない」

「それをこの目で確認いたさねばなりません」

「だったら、次のウンコが黒かったらそれを受ける。次のウンコが普通に茶色だったらカメラはなし」

と、言うと先生は、

「うっ、それを言われると・・・・・・」

「イエモン先生、我が主はカメラを断ると申しております。お控えください」

と、看護士なのに24時間俺に付きっきりのアリエッタと言う十代後半くらいの銀髪で短くオッドアイの可愛らしい娘っ子が言う。

「く～勇者様の命となりと、仕方がありません。では、次のウンコで出血傾向が見られたらメメズ大腸カメラやらせていただきます」

と、部屋を出て行った。

「ありがとう」

と、その子に言うと、

「私は御主人様の奴隷です。御主人様の命は絶対ですから」

と、ニコリとした。

奴隷制度があるのか？俺は奴隷を買ったのか？奴隷とイチャコラしたのだろうか？

そんな夢に、ライトノベルに書いたような事をしたのだろうか？

「すまない。アリエッタとやら、俺には記憶がない。君をどうやって買ったのか、何をしたのか？どういう冒険をしたのか？君にどう接したのかがわからないんだ」

と、言うとアリエッタは俺の手を握り、

「そんなのどうだって良いんです。アリエッタの御主人様は、ずっと御主人様、私は行く場所がないです。家族どころか一族郎党魔王軍に滅ぼされて行くところがありません。どうか、私をこのままおそばに置いて下さい」

「俺はおそらく勇者とは別人格だぞ、それでも良いのか？俺が君の所有者なら俺は君を自由にしてあげることも出来るんだよね?奴隷なんて俺はちょっと・・・・・・」

奴隷・・・・・・いくら可愛くてもその言葉には嫌悪感を感じ、この娘を奴隷としてそばに置いておくのではなく、自由にさせてあげたいと思った。

「なんで、そんなこと言うのですか、わ、わたし、私はずっと勇者様と共にするって決めたのに」

そう言うと、しっかりと腕にしがみつき大きな涙をボロボロと流し出してしまった。

「・・・・・・その、あの、まぁ、行くところがないなら仕方ないな。好きにしなさい」

女性の涙には弱い。
この涙を止めるのにはこの娘の願いを聞き入れてあげないとならないと感じた。
そう言うと握られた手に力が入りギュッと握ってくれた。

とても温かな体温が伝わり心地良さがあった。