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第40話 シェルリー王女の来訪です。
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俺は屋敷からは出ていない。
いや、恥ずかしくて出られない。
なぜなら有名人。
テレビで容態がニュースになるような人間が、顔が知られていないわけがなく、また、アリエッタが読んでいる新聞を軽く目を通すと、
『昨日の勇者リューヤ様シェルリー王女の側近セバスチャンの拝謁、他、自宅療養』
と、小さな記事だったが載っていた。
総理大臣かなんかですかね?額に汗が出ますよ。
ケロロンと庭でフリスビーをして遊ぶ。
体格は大きいが従順なペットのケロベロスのケロロンは、慣れてくると可愛い。
フリスビーは三つ同じ方向に投げてやらないと、首が喧嘩するのでちょっとしたコツが必要だが、フリスビーに魔力をながすとドローンのように自由自在になったので、それで暇な日中は遊んだ。
昼飯を済ませたあと、来客を知らせる玄関のベルが鳴った。
ハイトンが対応してくれると、
「師匠大変です。シェルリー王女自ら来てます。応接室にお通しいたしました」
と、知らせてきた。
シェルリー王女、一度入院中に見舞いに来てくれているが、俺の記憶喪失に驚き帰ってしまった人物。
その部屋に向かうと、廊下にはセバスチャンが立っていた。
「突然押しかけて、申し訳ございません。シェルリー王女が自らお会いになりたいというので」
と、深々とお辞儀をしてきた。
俺はそれに、
「かまいませんよ」
と、返事を返して部屋に入った。
シェルリー王女はソファーに座っており、真っ直ぐ前を向きながらアリエッタが出したお茶を飲んでいた。
「来たわね。兎に角、座りなさい」
座るかどうか迷っていた俺に着席を御ながすシェルリー王女。
「今日は何用で御座いますか?シェルリー王女陛下」
と、聞くとピクリと眉を上げ、
「そのよそよそしい呼び方はやめて。シェルリーと呼びなさい」
と、少々不機嫌そうに言ってきた。
「いや、前の俺がそうだったとしても、今の俺は・・・・・・」
と、言おうとするとシェルリー王女は勢いよくティーカップを皿に置いて、
「もう一度言うは、シェルリーと呼びなさい。私と対等に話が出来たのはリューヤだけだったのに」
と、睨み付けてながらも悲しい目をしていた。
「なら、あなたが望むのならシェルリーと呼びましょう。シェルリー?なにかよう?」
「そう、それでいいのよ。話は軍のトップにはならないって事は了承したわ。その代わりイバラッキー王国王女相談役フェローになってもらうわ。私の相談役よ」
「シェルリー王女の相談役?」
「そうよ、形だけでもそう言う立場になっていれば、今後、城の出入りも出来るし、有事の際は私の軍師、宰相として働けるわ。それに結婚の妨げにもならないし」
と、最後の言葉は少し小さな言葉で言った。
「俺が記憶をなくしていることで迷惑をかけているのは理解しているので、了承いたします」
「迷惑だなんて私は、そんなこと言っているんじゃないの、わからない人ね」
と、ぷんすかと怒りだしてしまうシェルリー王女すると。後ろに控えていたセバスチャンが、
「勇者様、王女は勇者様に役職を与える事で、この国に留まっていただくようにしたいのですよ」
と、言うとシェルリー王女顔を真っ赤にして、
「セバスチャン」
と、大きな声で叱責した。
「あの覚えていないとはいえ、シェルリー王女の婿となり、この国を支えていくよう約束しているのですよね、俺は?だったら、ちょっと婿の話は『はい』とは、今すぐお答えは控えたいですが、国を去るって事はさすがにしません。安心して下さい」
と、言うと、真っ赤に怒っていたシェルリー王女は
「ふぅ~」
と、ため息を漏らしていた。
「用は済んだわ。帰るわよ」
と、嵐のように帰って行った。
いや、恥ずかしくて出られない。
なぜなら有名人。
テレビで容態がニュースになるような人間が、顔が知られていないわけがなく、また、アリエッタが読んでいる新聞を軽く目を通すと、
『昨日の勇者リューヤ様シェルリー王女の側近セバスチャンの拝謁、他、自宅療養』
と、小さな記事だったが載っていた。
総理大臣かなんかですかね?額に汗が出ますよ。
ケロロンと庭でフリスビーをして遊ぶ。
体格は大きいが従順なペットのケロベロスのケロロンは、慣れてくると可愛い。
フリスビーは三つ同じ方向に投げてやらないと、首が喧嘩するのでちょっとしたコツが必要だが、フリスビーに魔力をながすとドローンのように自由自在になったので、それで暇な日中は遊んだ。
昼飯を済ませたあと、来客を知らせる玄関のベルが鳴った。
ハイトンが対応してくれると、
「師匠大変です。シェルリー王女自ら来てます。応接室にお通しいたしました」
と、知らせてきた。
シェルリー王女、一度入院中に見舞いに来てくれているが、俺の記憶喪失に驚き帰ってしまった人物。
その部屋に向かうと、廊下にはセバスチャンが立っていた。
「突然押しかけて、申し訳ございません。シェルリー王女が自らお会いになりたいというので」
と、深々とお辞儀をしてきた。
俺はそれに、
「かまいませんよ」
と、返事を返して部屋に入った。
シェルリー王女はソファーに座っており、真っ直ぐ前を向きながらアリエッタが出したお茶を飲んでいた。
「来たわね。兎に角、座りなさい」
座るかどうか迷っていた俺に着席を御ながすシェルリー王女。
「今日は何用で御座いますか?シェルリー王女陛下」
と、聞くとピクリと眉を上げ、
「そのよそよそしい呼び方はやめて。シェルリーと呼びなさい」
と、少々不機嫌そうに言ってきた。
「いや、前の俺がそうだったとしても、今の俺は・・・・・・」
と、言おうとするとシェルリー王女は勢いよくティーカップを皿に置いて、
「もう一度言うは、シェルリーと呼びなさい。私と対等に話が出来たのはリューヤだけだったのに」
と、睨み付けてながらも悲しい目をしていた。
「なら、あなたが望むのならシェルリーと呼びましょう。シェルリー?なにかよう?」
「そう、それでいいのよ。話は軍のトップにはならないって事は了承したわ。その代わりイバラッキー王国王女相談役フェローになってもらうわ。私の相談役よ」
「シェルリー王女の相談役?」
「そうよ、形だけでもそう言う立場になっていれば、今後、城の出入りも出来るし、有事の際は私の軍師、宰相として働けるわ。それに結婚の妨げにもならないし」
と、最後の言葉は少し小さな言葉で言った。
「俺が記憶をなくしていることで迷惑をかけているのは理解しているので、了承いたします」
「迷惑だなんて私は、そんなこと言っているんじゃないの、わからない人ね」
と、ぷんすかと怒りだしてしまうシェルリー王女すると。後ろに控えていたセバスチャンが、
「勇者様、王女は勇者様に役職を与える事で、この国に留まっていただくようにしたいのですよ」
と、言うとシェルリー王女顔を真っ赤にして、
「セバスチャン」
と、大きな声で叱責した。
「あの覚えていないとはいえ、シェルリー王女の婿となり、この国を支えていくよう約束しているのですよね、俺は?だったら、ちょっと婿の話は『はい』とは、今すぐお答えは控えたいですが、国を去るって事はさすがにしません。安心して下さい」
と、言うと、真っ赤に怒っていたシェルリー王女は
「ふぅ~」
と、ため息を漏らしていた。
「用は済んだわ。帰るわよ」
と、嵐のように帰って行った。
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