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第6章『草履持ちのくせに密命!?──日吉丸、試練の城外任務』
第五十一話『試練のはじまり──密命と城外任務』
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春の朝、清洲城本丸。
城中の空気は、どこか緊張感に包まれていた。
日吉丸は信長の側近から呼び出され、「本丸奥の間へ直ちに参れ」と告げられた。
(また無茶ぶりやろか……いや、もしかして……)
嫌な予感と期待が入り混じる中、日吉丸は畳敷きの奥の間へと足を踏み入れる。
そこにいたのは、織田信長──
そしてその背後には、ねね、千鶴、お濃の三人がすでに揃っていた。
「……殿、召されました」
「遅いわ、草履頭」
信長が扇子を軽く振った。
「今日はな、ひとつ“試練”をやろうと思ってな」
日吉丸の背筋が伸びる。
「試練……でございますか?」
「そうだ。草履持ちの分際で女たちをたぶらかすだけたぶらかしおって、ちったぁ働けという話よ」
「た、たぶらかしてへんです!」
ねねが「そやろな」と笑い、お濃は微笑を浮かべ、千鶴だけが冷静に目を細めていた。
「本題に入る」
信長の声が鋭くなる。
「城の北、山間にある“郷倉村”。
あの村に、他国の間者が潜伏しているとの報告があった」
「間者……」
お濃がわずかに眉を動かす。彼女自身も、かつてはそうだった──信長はそれを承知の上で、あえて話す。
「日吉丸。
お前が先導し、ねね、千鶴、お濃を連れてその村を調査せよ。
この三人は、今やお前の“内助”であり、時に刃でもある」
「えっ、えっ、わし、仕切るんですか!? この三人を!?」
「嫌なら帰って寝てろ」
「いえ、やらせていただきます!」
即答で頭を下げる。
信長は満足げに頷いた。
「村では“百姓のふり”をして潜入せよ。
目立つな、騒ぐな、余計な手出しをするな。
だが……もし真に危機があれば、迷わず剣を抜け。
それが、この試練の本質だ」
千鶴が静かに頷き、お濃は「心得ました」と一礼。
ねねだけが、少し口を尖らせた。
「わし、“潜入”って苦手やけどなぁ……」
「ならばお前は“村娘の嫁候補”という設定で日吉丸と一緒に……」
「はい、やります!!」
即答で前のめりになるねねを、信長は苦笑いで見送った。
こうして、突如として結成された“諜報遠征チーム”──
ねね(気性の強い幼馴染)
千鶴(冷静沈着な護衛)
お濃(元・間者の情報屋)
そして、まとめ役は──百姓出身の草履小姓。
「……わし、ほんまにこのメンツまとめるんか……」
出発の朝。
日吉丸は荷を背負い、空を見上げた。
(でも、信長さまはわしに“選べ”って言うた。
ほんまに“上”に行きたいんなら、このくらい──やったるしかあらへん)
風が吹き抜け、桜の残り香が鼻をかすめた。
こうして、草履持ちの“密命任務”が幕を開ける──。
城中の空気は、どこか緊張感に包まれていた。
日吉丸は信長の側近から呼び出され、「本丸奥の間へ直ちに参れ」と告げられた。
(また無茶ぶりやろか……いや、もしかして……)
嫌な予感と期待が入り混じる中、日吉丸は畳敷きの奥の間へと足を踏み入れる。
そこにいたのは、織田信長──
そしてその背後には、ねね、千鶴、お濃の三人がすでに揃っていた。
「……殿、召されました」
「遅いわ、草履頭」
信長が扇子を軽く振った。
「今日はな、ひとつ“試練”をやろうと思ってな」
日吉丸の背筋が伸びる。
「試練……でございますか?」
「そうだ。草履持ちの分際で女たちをたぶらかすだけたぶらかしおって、ちったぁ働けという話よ」
「た、たぶらかしてへんです!」
ねねが「そやろな」と笑い、お濃は微笑を浮かべ、千鶴だけが冷静に目を細めていた。
「本題に入る」
信長の声が鋭くなる。
「城の北、山間にある“郷倉村”。
あの村に、他国の間者が潜伏しているとの報告があった」
「間者……」
お濃がわずかに眉を動かす。彼女自身も、かつてはそうだった──信長はそれを承知の上で、あえて話す。
「日吉丸。
お前が先導し、ねね、千鶴、お濃を連れてその村を調査せよ。
この三人は、今やお前の“内助”であり、時に刃でもある」
「えっ、えっ、わし、仕切るんですか!? この三人を!?」
「嫌なら帰って寝てろ」
「いえ、やらせていただきます!」
即答で頭を下げる。
信長は満足げに頷いた。
「村では“百姓のふり”をして潜入せよ。
目立つな、騒ぐな、余計な手出しをするな。
だが……もし真に危機があれば、迷わず剣を抜け。
それが、この試練の本質だ」
千鶴が静かに頷き、お濃は「心得ました」と一礼。
ねねだけが、少し口を尖らせた。
「わし、“潜入”って苦手やけどなぁ……」
「ならばお前は“村娘の嫁候補”という設定で日吉丸と一緒に……」
「はい、やります!!」
即答で前のめりになるねねを、信長は苦笑いで見送った。
こうして、突如として結成された“諜報遠征チーム”──
ねね(気性の強い幼馴染)
千鶴(冷静沈着な護衛)
お濃(元・間者の情報屋)
そして、まとめ役は──百姓出身の草履小姓。
「……わし、ほんまにこのメンツまとめるんか……」
出発の朝。
日吉丸は荷を背負い、空を見上げた。
(でも、信長さまはわしに“選べ”って言うた。
ほんまに“上”に行きたいんなら、このくらい──やったるしかあらへん)
風が吹き抜け、桜の残り香が鼻をかすめた。
こうして、草履持ちの“密命任務”が幕を開ける──。
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